リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

今年の映画、今年のうちに。2017年新作映画ランキング

年の瀬でございます。というわけで今年もやります。2017年に見た新作映画ベストテンということで、今年鑑賞した新作81本全てに順位をつけます。尚、新作の基準としては基本今年劇場公開となったものとしますが、地方の場合都内とはタイムラグがありますので、僕が利用している映画館で新作として公開されたもの、とします。ただし『台北ストーリー』はリバイバルとみなします。NetflixやDVDスルーも一部入っていますが、今年初めて日本で見られるようになったものは入れることにします。前置きが長くなりましたが、まずは次点とベストテンから発表します。一応、ベストテン内の作品で個別に記事を書いている作品はリンクを載せておきます。




次点 PARKS

トリュフォー『あこがれ』かと思うような自転車と公園の風景からカメラが上昇する冒頭を見て、これは傑作かもしれないと思ったのですがその後はどうも細かくアクションを断ってしまう編集が惜しく、また中盤以降は物語の曲者ぶりの前に動きが抑えられ、公園という場所の描写も薄くなっているのが残念でした。しかしそれでも空間時間に対し平然と嘘をつくところは良いし、何より永野芽郁橋本愛がすこぶる魅力的であって、ラストはまんまと泣かされてしまいました。瀬田なつき監督作品は今まで見たことありませんでしたが、今後は必ずチェックしようと思います。



10位 エイリアン:コヴェナント

ミルトン、メアリー・シェリー、ワーグナーなどの引用から、鑑賞直後は「なんだか『プロメテウス』に比べて真面目だな・・・」と少し落胆していたのですけれども、思い返せばリドリー・スコットが最も得意とする湿度の高いSFビジュアルは見事だし、ピカレスクロマンとしても面白いし、また2回も血で滑って転ぶとか、種類豊富な人体破壊であるとか、そして何より新しい縦笛の活用方法などなど、思い返すと笑みがこぼれるシーンはたくさんあるので、きっといい映画なんだと思います。ただエイリアンの存在を矮小化させてしまったのはやはり許せん。



9位 哭声/コクソン

確かに長すぎるきらいはあるし、真相を有耶無耶にしたままにも見えるようなやり方は上等とは言えないと思います。ただ僕がこの作品で好きなのは小難しげな部分ではなく、とにかくハッタリが効いていることなんですね。例えば雷の直撃や裸の人食いおじさん、それに祈祷師等々ですが、こういった要素はそれ単体としてではなく、外部を印象付けているという点においても効果的でしたね。あとはやっぱり森と殺人の相性の良さ、そしてオカルト感が好みでした。
<感想>



8位 アウトレイジ 最終章

アウトレイジ』シリーズは北野武監督作の中でも特に好きな作品群で、3作ともそれぞれの面白さを持っていると思いますが、今作は最も北野武らしい作品でありつつしかし同時に新しくもあるという点が嬉しく、異色作でもあった『アウトレイジ』の反動としての素直さを感じもしました。話は少しずれますが北野武作品における食事シーンというのに特化して見返してみるというのも面白いかもしれない、とも思わされる一本でしたね。
<感想>



7位 予兆 散歩する侵略者

近年の多作ぶりは非常に嬉しいのだけれど作品の出来には満足しきれなかった黒沢清監督作品において本作の、特に序盤は画面の興奮度が非常に高かったですね。東出昌大の吸血鬼的存在感も素晴らしく、黒沢清監督作は過去作の集積の上に成り立っている部分が大きいとは思いますけれども、新しい地平を開くとしたらそれは役者の魅力によるところも大きいでしょうし、近年の傾向でもある女優の映画としても良かったと思います。難点としてはやや長く、染谷将太の存在が説明的とも思う、ということですが、まあ十分楽しかったですよ。
<感想>



6位 パターソン

ジム・ジャームッシュ監督作は今まであまり好みではなかったんですけれども、本作はかなり楽しめました。殆ど同じような毎日がショットや会話の差異、「対」によって些細にズレ、広がり、韻を踏むことで画面が充実し、バス運転手というやや離れた視点から世界を再構築していく様が非常に心地よかったです。ただしこれは只心地良いというだけではなく、アダム・ドライバー演じる退役軍人パターソンは家や仕事や恋人があっても浮世離れしたほとんど漂流者であり、世界との接点を詩作によって見つけているのであって、倦怠と厭世の上に立っている人物ともいえるでしょう。そう考えるとこの映画は決して心地よさだけで終わらせることのできない作品でもありました。



5位 夜は短し歩けよ乙女

自由で奇妙でポップに誇張されたアニメーション表現の洪水に圧倒され、その無茶苦茶加減に押し流されそうになると乙女の凛とした歩き姿に引っ張られるようにして意識を取り戻し、理解を超えた一夜を体験することが出来るという、まさに映像のマジックとしか言いようのない作品でした。膨らみすぎた一夜が引き起こす圧倒的非日常の帰結が、ある個人の微かな、しかし確かな変化であるというバランスにも感動しましたね。湯浅政明監督は来年なんと『デビルマン』があるということで、これも超楽しみ。
<感想>



4位 南瓜とマヨネーズ

声がどのように人物に投げかけられるかという、声の方向性とでも呼ぶべき要素が人物同士を区切る画面と共に表出し、繋がらなさを演出していますが、それが最後の最後で赤色をポイントにし共有される。そこに映画の面白さを見たというのか、とにかく感動したんですね。歩くことが印象的であるというのも良かったですし、役者も総じて魅力的で、とりわけオダギリジョーはあれだけどうしようもない人間でありつつも『ローリング』の川瀬陽太と同じく嫌味が勝らない。そういうバランスも心地よいのかなと思います。
<感想>



3位 女神の見えざる手

プロフェッショナルの倫理に基づく行動が画面を活気づけ、登場人物は心理的な要素以上の実在感を獲得していました。また無駄なくスリリングに情報戦を展開させる手腕の見事さにもやられましたし、しかもその手腕が、最終的に映画的な嘘を機能させていることにも興奮しました。いったいこの脚本を書いたジョナサン・ペレラとは何者と思ったらまさかの処女作というから驚きです。良く開けた見通しのいい画面というのも効果的に使われていましたね。多くの面において非常に優れた作品だと思いますよ。ジェシカ・チャスティンの黒スーツに紫シャツというスタイルも好き。
<感想>



2位 風に濡れた女

ひたすら楽しい。とにかくそれだけです。見ている間中ずっと笑っていられるし、画面を動き回る人物たちの動作から目が離せない。ポルノという制限こそあれど、意味や意義に囚われず純粋に映画として面白くあろうとするこの作品こそ、時代性に左右されない輝きを放つのではないかと思います。ちなみに僕はこの作品について、前提から崩れる気もしますが『赤ちゃん教育』的なスクリューボールコメディと見ておりました。
<感想>



1位 ジェーン・ドウの解剖

素晴らしい、見事な、真に見事な怪奇映画だと思います。ジェーン・ドウはそこに存在するだけで恐怖を発生させる装置として動き出す、人類を破滅させんとする呪いであり、秘かに動き出していた不条理によって条理が蹂躙され、抵抗のしようもなく世界がぬりつぶされる様を待ち構えていれば、自然に黒い快楽を得て劇場を後にすることが出来る。これこそホラー。この堂々たる死の物語には感動すら覚えます。場面の少なさを有効活用する手腕に無駄のない展開も素晴らしい。殆ど快感といっても良いほどの興奮を味あわせてくれた本作を、2017年の1位とします。
<感想>


<まとめ>
というわけで以上が僕の2017年新作映画ベストテン&次点でした。見られなかった作品で特に気になっているのは『ドリーム』『息の跡』『SYNCHRONIZER』『ポルト』ですかね。カウリスマキ大林宣彦など、地方ではこれから公開となる作品もありますが、やはり相変わらず取りこぼしは多いですね。
年々面白いと思う映画が少なくなっていると去年も書きましたが、今年もやはりそれは同じであってベストテンを選ぶほどもないのではと初め思っておりましたが、このようにして並べてみるとやはり今年もちゃんと楽しめていたのだなと感じます。今年ベストテンに選んだ作品には特に関連性を見つけることができませんけれども、強いて挙げるとするならば、人や社会との関わり方が下手だったり強引だったりする人たちの話が多いということになりますかね。ただそもそも無作為に面白いと思ったものを選んだのだから、そうやって無理に関連性を見つけなくても良いかなと思います。
今年もまたブログを書く回数が減ってしまいました。何とか来年は、と思いますけれどもしかしやはり年々面白いと思う作品が減ってきていることと関連もしておりますので、今後は旧作の更新を増やせたらなと思っております。
さて、今年も見る作品は厳選したため、本気でこれは酷いと思うような作品はほとんどありませんでした。なので特別ワーストというものはありませが、期待していたけれど思っていたほどではなかったという作品はありました。というわけで以下、今年見た新作の全ランキングと簡単なコメントを載せておきます。ワースト5前のと78位くらいまでは好意的な気持の方がギリギリ上です。



<2017年新作映画ランキング>
1 ジェーン・ドウの解剖
2 風に濡れた女
3 女神の見えざる手
4 南瓜とマヨネーズ
5 夜は短し歩けよ乙女
6 パターソン
7 予兆 散歩する侵略者
8 アウトレイジ 最終章
9 哭声/コクソン
10 エイリアン:コヴェナント
11 PARKS
12 夜明け告げるルーのうた
13 サバイバル・ファミリー
14 美しい星
15 沈黙
16 グレートウォール
17 イップ・マン 継承
18 ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち
19 マイティ・ソー バトルロイヤル
20 昼顔
夜明け告げるルーのうた』は『夜は短し歩けよ乙女』程の映像的酩酊感はなかったものの、後半怒涛の展開に涙を搾り取られましたので、そういう意味では今年ベスト級。『サバイバル・ファミリー』は川辺という場所からも『宇宙戦争』をどこか思い起こさせますが、意地悪や恐怖に振り切らない怖さがあっていいと思いますし、アイテムや音の使い方もうまい。『美しい星』はやはり吉田大八らしい視線のドラマですが、なにより橋本愛はものすごく美しく撮られているのが良いです。『沈黙』に関しては「鼾」が原作より弱いのがもったいない。『グレートウォール』の特攻降下槍部隊とヌンチャク太鼓は最高ですし、高低差を利用した画面設計は普通にうまいと思います。ドラマの比重を多くすることで3作目としての地位を高めた『イップ・マン 継承』ですが、しかし最も素晴らしいのは横と縦が冴えるエレベーターから階段へと移行するアクションシーンでしょう。『ミス・ペレグリン』には品があって色々といいところはありますが、何より紐に繋がれた少女が浮かび上がる瞬間の感動につきます。『マイティ・ソー バトルロイヤル』画面として緩いところが多く、それでいいのかとも思いますが、しかしシリーズの肝でもあるカルチャーギャップコメディやファイナルファンタジー的展開からくる馬鹿馬鹿しさを大いに楽しみました。『昼顔』は足を中心にした人物の動きという点で非常に面白い画面を作っているのに、ドラマ版に引っ張られたかと思われる要素があって本当にもったいないと思います。



21 マリアンヌ
22 ムーンライト
23 ローガン
24 メッセージ
25 キングコング 髑髏島の巨神
26 ゲット・アウト
27 ベイビー・ドライバー
28 20センチュリー・ウーマン
29 散歩する侵略者
30 ローサは密告された
面白いけれどもあまり印象に残らなかった作品が並んでいますね。『マリアンヌ』はかなり上質なアメリカ映画という感じですが、マリオン・コティヤールの素晴らしさの前にブラッド・ピットが木偶にすら見えてしまいましたね。『ムーンライト』は決定的に好きな部分というのに欠けていますが、普遍的な孤独な者の痛ましさがしっかり描かれていると思います。『ローガン』は老いと関連して寝そべる姿が繰り返される映画でしたね。見せ方がかったるい『メッセージ』ですが、しかし物語にはまんまと感動させられました。『キングコング』はきちんとしてるけどPJ版の詰め込みの方が愛せます。『ゲット・アウト』は細かく小技が効いて全体を作り上げている感じだと思います。『ベイビー・ドライバー』はケヴィン・スペイシーが演じた役が好きなんですけれども、まぁ、ええ。『散歩する侵略者』は概念を奪われた後の行動で納得できないところが多々あります。『ローサは密告された』は中盤から終盤が少し画面的に退屈するんですよね。



31 三度目の殺人
32 スパイダーマン:ホームカミング
33 ブレードランナー2049
34 スプリット
35 ラ・ラ・ランド
36 ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第1章
37 パーソナル・ショッパー
38 ウィッチ
39 パッセンジャー
40 ワンダーウーマン
『三度目の殺人』も良い映画ですし、映像的な表現も随所にみられると言えば見られるのですが、しかし小説で読んでもそんなに面白さが変わらないような気がしたのでこの順位です。『スパイダーマン』でマイケル・キートンが演じた悪役は近年のアメコミ悪役でもピカイチだと思います。『ブレードランナー』は女優がみんな可愛かったり綺麗なのでいいんじゃないですか。『スプリット』では服を脱ぐという行為が後半に物語的な意味を持ってくるのが良かったです。『ラ・ラ・ランド』は中盤以降画面が物語に回収され過ぎているけれども、確かにラストはそりゃ感動させられましたよ。見過ごせない出来の悪さも多い『ジョジョ』は、しかし擁護したくなる良さもあって、続編も何とか作られて欲しいところです。『パーソナル・ショッパー』ラスト付近でホテルから何かが出ていくシーンが最高ですし、服を脱ぐことより着ることに対しエロスがある。照明や美術といった部分で作品の底力を上げている『ウイッチ』は、しかしまだ画面が硬すぎるので次回作に期待、というところ。『パッセンジャー』は眠れる森の美女として前半はジェニファー・ローレンスの魅力とそれに伴う不穏さで面白く見られました。『ワンダーウーマン』は何と言っても戦場のシーンが最高ですし、夜のダンスがきちんと撮られていることにも好感を持ちましたけれど、穴も多い。



41 夜に生きる
42 ドラゴン×マッハ!
43 傷物語 冷血編
44 人魚姫
45 ハクソー・リッジ
46 アシュラ
47 スター・ウォーズ 最後のジェダイ
48 探偵はBARにいる3
49 ダンケルク
50 マグニフィセント・セブン
黒の色気と白の不吉が映える撮影がいいし、素晴らしい階段が見られる『夜に生きる』ですが、さすがに長すぎやしないかと。『ドラゴン×マッハ!』のアクションシーンは凄まじいものがありますね。『傷物語 冷血編』最後のスラップステックバイオレンスは最高。異常にくだらないと思わせるギャグが反転し、一本道の美学を見せる『人魚姫』のラストは泣けます。『ハクソー・リッジ』はもう少しあの地形を生かしてほしかった。『アシュラ』はなんといっても市長です。やりたいことは分かるけど骨組みが雑な『スター・ウォーズ』は、血を表現する赤とか好きですけれど、まぁ順位としてはこんなもんでしょう。『探偵はBARにいる』シリーズの肝は依頼主となる女優なわけですけれど、その点では成功していると思います。『ダンケルク』は普通に下手なんですが、しかしこれはいくらでも良くなりそうな細部も散りばめられているので、ノーランはもっとストレートな作品を作ればいいと思います。『マグニフィセント・セブン』のデンゼル・ワシントンは黒が決まっていてカッコよかったですね。



51 okja
52 ELLE
53 ノクターナル・アニマルズ
54 浮き草たち
55 オン・ザ・ミルキーロード
56 ワイルドスピード ICE BREAK
57 ドクター・ストレンジ
58 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
59 ゴースト・イン・ザ・シェル
60 ドッグ・イート・ドッグ
『okja』終盤精肉工場の下りは確かに面白いんですけれど、象徴と比喩の要素が増しているのが好きになれないところですね。『ELLE』はむしろ倫理的に正しすぎて微妙ですけれど、嵐の夜に内側から窓を閉めるシーンの良さは際立っていると思います。『ノクターナル・アニマルズ』は小説パートのマイケル・シャノンが最高なのでその部分を拡大した作品が見たいです。みずみずしさが光る『浮き草たち』の郊外と都市の感覚や走りだすタイミングは非常にいいと思います。アッパーで悲惨な『オン・ザ・ミルキー・ロード』は上下に人物を動かすことで不思議なテンションを上げ、また女性が魅力的ですけれど、主人公を監督本人がやるっていうのがなんか気に食わないということと、カメラの動きがイマイチです。『ワイルドスピード』ではジェイソン・ステイサム座頭市をやっていましたね。『ドクター・ストレンジ』は万華鏡風騙し絵的都市構築と幽体離脱殴り合いが良いですよね。『ガーディアンズ〜』はカート・ラッセルがやっぱり魅力的ですよ。スカーレット・ヨハンソンのスーツ姿が見られたので『ゴースト・イン・ザ・シェル』はあれでもういいんです。『ドッグ・イート・ドッグ』終盤、ダイナーからの夜道はリンチ、カラフルな霧と視界不良な銃撃は清順かとなり、かつ往年の犯罪映画に触れるような映画の黄泉巡り感が面白かったです。



61 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
62 マンチェスター・バイ・ザ・シー
63 トランスフォーマー 最後の騎士王
64 バンコクナイツ
65 レゴバットマン
66 ホワイトリリー
67 ブラッドファーザー
68 海底47m
69 ムーミン谷とウィンターワンダーランド
70 美女と野獣
71 無限の住人
72 カーズ/クロス・ロード
73 IT/イット“それ”が見えたら、終わり。
74 FOUND ファウンド
75 皆さま、ごきげんよう
76 はじまりの旅
このあたりは正直内容の多くを覚えていない作品、つまり印象に残っていない作品が並んでいます。『海底47m』の赤ライトの下鮫大集合とか、イオセリアーニの『皆さま、ごきげんよう』はやたら死体が多いしタンクローリーとか最高だったな、なんてことは言えるんですけど、全体に記憶が曖昧な感じですね。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は各要素諸々きちんと出来のいい小品ということもできますが、これはしかしただリアルさを汲んだだけで映画としてはどうなんだとも思いますね。大ヒットしている『IT』ですが、気に入らないのはデブの少年が女の子にキスをする場面で、ああいうことはやってはいけないと思いますよ。それがなければもっと上位だっていいくらいです。



77 パーティで女の子に話しかけるには
78 新感染 ファイナル・エクスプレス
79 ザ・マミー 呪われた砂漠の王女
80 ジャスティス・リーグ
81 メアリと魔女の花
というわけで、今年のワースト5はこの作品たちですね。まず『パーティで女の子に話しかけるには』は冒頭の自転車だけでたぶんダメだろうと予測でき、その後はちょっと変わっている以上のことが何もない。エル・ファニングの魅力だけが救いです。『新感染』は感傷的になっている暇がありすぎて退屈。『ザ・マミー』のトム・クルーズは相変わらずサービス精神旺盛でそこはありがたいし、ソフィア・ブテラだって悪くないんですけど如何せんそれらを生かしきれていない上に脚本も悪く、ミイラの扱いだってひどいなと思いました。『ジャスティス・リーグ』の不満点を挙げるときりがないんですけれども、一番はスーパーマンさえいれば何もかも解決できてしまう物語にしたことですね。チーム物の意味がない。そして『メアリと魔女の花』は、演出力とイマジネーション不足がはっきりと出てしまっている作品だと思います。



というわけで以上で2017年新作映画ランキングは終了です。ちなみに旧作に関しては、いつも通り年明けに「下半期に見た旧作映画ベスト」という形でブログに書こうと思っておりますので、そちらもぜひ見てやってください。それではみなさん、良いお年を。

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