キミのGM力の限界に挑戦! 逆ハンドアウト!


 ハンドアウトを嫌いという理由のひとつに、『GMの考えたシナリオの流れを押しつけて、PLの自由を奪っている』という意見がある。
 そしてもうひとつ、『ハンドアウトばかり使っていると、予定調和ができたゲームしか遊べなくなり、上達が阻害される危険がある』というのもある。
 それらを言う人は、『PLの意見を上手に受け入れ、処理するのがGMの仕事』と主張する。


 思わず、なるほど、と唸った。
 普通なら、もっともな話だ。
 ならば、そうした熟達のGMたちに課題を送ろう。
 GMから押しつけず、PLの自由を守り、上手に処理できるなら、この課題がこなせるはずだ。




 その課題とは、『逆ハンドアウト』!
 内容を説明しよう。


 まず、各PLに適当な紙を渡し、やる予定のPC(クラスなど、おおまかでよい)、関係を持ちたいNPC、希望するシナリオジャンルや展開などを、PL同士打ち合わせせずに、他のPLに見せないように書いてもらう。

 全員が書き終わったら、すぐさま紙を回収。

 それらの紙に書かれている“全て”を取り入れてシナリオを変更する。
 または、その場で作る!
 シナリオ変更または作成に費やせる時間は、PC完成の間まで(30分〜1時間程度)。
 もちろん、セッション中や前後も、PLたちとのシナリオなどに関する打ち合わせは厳禁!
 出たとこ勝負オンリーである!




 この課題で面白いシナリオを作り、マスタリングできるなら、熟達したGMであると言っていいだろう。
 できないようなら、熟達してるとは言い難い。
 むしろ、ベテランや上級者を名乗るのも疑問だ。


 この課題を「できない」と拒否するなら、その人はハンドアウトを否定はできなくなる。
 なぜなら、ハンドアウトは打ち合わせのひとつにして、現状もっとも簡単な方法だからだ。
 ハンドアウトを否定することは、打ち合わせを否定するのとほぼ同じだ。
 だからこそ、ハンドアウトを否定するというなら、打ち合わせを排した、この課題くらいはこなせるはずなのだ。




 あと、この課題。
 自分がどれくらいアドリブや、短時間でシナリオ構築できるかを計れるメリットがある。
 なので、それらに自信のある人は実力を試す意味で、是非とも挑戦してほしい。
 逆に、それらに自信がない人はトレーニングと思って挑戦してみてはどうだろう?


 その経験は、きっと無駄にならないはずだ!