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2012-05-03

ゲーム「アトラク=ナクア」 感想

1

そんなわけで。アリスソフトの「アトラク=ナクア」Ver 1.10をプレイした。

集中してやったところ、一日で終わった。話の筋はだいたいプレイ前に予想してた・他人の口ぶりから察していた通り、王道も王道だった。今にして新鮮なフラグシステム(一周目以降は各章開始前にキャラクターごとのフラグを調整できる)や音楽(皆が「Going on」を褒めるわけがようやくわかった)、テキストといった各要素も楽しむことができ、満足している。

「アトラク=ナクア幻想曲」なるものの存在も知ったので、そのうちCDを探してみようかと思う。

2

先行レビューをいくつか参照しよう。

アトラク・ナクア

参加者:やまうちさん・今木さん・DALさん・ソガさん。半分くらいは漫画と絡めた話になっていて、僕は高河ゆんとか読んでないからそのへんはよくわからない。

僕の観測範囲ではこのゲームの既プレイ者は「初音姉様」について語ることが多く、奏子にはあまり触れられない(ように見える)。以下は貴重な奏子語りの一つだ。

 違和感のこと。

 かなこ。最初に男どもに陵辱されつつ「殺してやる」とずっと思ってる。このへんからして驚きます。というかむしろ、「殺してやる」と思ってるくせに、黙って陵辱されっぱなしで、何もなきゃきっと今後もそうなんだろうな。思ってるだけ。自分の思いの現実性なんて考えもしない。えらく主観的。現実的な手段を考えるでなくいきなり「殺してやる」と来る。できるかボケ。

 もうひとつ、アトラクを男が書いてるなら(あるいは、女でも栗本薫や高屋奈月あたりなら)、かなこは多分、あのとき、本性(蜘蛛の化物)をあらわした姉様を見るや、嫌悪と拒絶をあらわにするはずなんです。少なくとも、内心の恐怖と嫌悪と、姉様への思いと、そのへん葛藤があるはずなんです。葛藤を乗り越えるあたりで感動を演出、とか、やらなきゃ損ってもんです。現にフルバはそうやってる。ところが、かなこにはそれがない。姉様は姉様であり、どんな姿であろうと知ったこっちゃない。客観的に見て蜘蛛の化物である、という事実は、はなっから考慮されない。

 かなこ萌えって言いたかっただけです。本田透はともかく、かなこは間違いなく化け物だと思います。

今木さんが書いているように、奏子には葛藤がない。僕も作中の当該部分でシームレスに初音に触れる奏子を見てこの娘やばいと思った。あと、ソガさんの"僕はかなこだ!(ばーん)"でお茶吹いた。

続いて、しのぶさんの感想。

 この物語の人物たちの立場には、善も悪も、正も誤もない。ただ、愚かな人間〜その愚かさゆえに愛すべき人間〜をひたすら赤裸々に描写して、それが結果として美しい光を放つようになった作品。

 初音や銀は、人間の到底及ばない生命力と強さを持っている存在であるにも関わらず、この物語においては自分の生をどう扱ってよいか知らない“途方に暮れた者”である。奏子は無力な高校生に過ぎないが、彼女の一途な想いは、この途方に暮れた孤独な者たちに弄ばれる世界の中でひきとわ美しく輝く。初音は、奏子の腕の中で死んでいく。自分より遥かにちっぽけな存在であるはずの奏子に、初音は最後に救われることになる。この光と闇との対照の妙。

アトラク=ナクア - 2000/4/17(月) diary 魔法の笛と銀のすず

初音の言葉を引けば、"途方に暮れた者"の生には三つの終わり方がある。

「命か…心か……時の……尽きるまで……」

(「終章」より)

この台詞は奏子に向けられたものであり、終章の奏子が"途方に暮れた者"であるかどうかは検討の余地があると思うがひとまず措く。本編で描かれるのは「命」あるいは「心」の終わりであり、もし「時」の終わりもマルチエンディングの一つとして加わっていれば構成としてよりよいものになっていた可能性もあるが、どうだろう。

「時」については、tukinohaさんが言う"時間的な外部"とも関わる話かな。

非常にもやもやした気分にさせられる作品です。この空間的な「外部性のなさ」から脱出するためには時間的な外部が必要で、その意味では後日談が書かれたのも必然だったと言えるのかもしれません(と言いつつ後日談は読んでないのですが)。

『アトラク=ナクア』についての雑感 - tukinohaの絶対ブログ領域

僕も後日談そのものは読んでいないけれど、アトラク=ナクアとは - ニコニコ大百科であらすじを確認して嘆息した。いつか読んでみたくはある。

余談。

世界観というか、雰囲気というか、 非常に「うしおととら」なにおいがします。

アトラク=ナクア 神聖はるさめ王国

なんとなくわかる。銀あたりがそう思わせるのかな。

3

さて、本編をプレイした際に僕が最も興味深く観ていたのは「銀-初音」と「初音-奏子」という二つの関係の相似性だった。目の前にいる誰かの中に過ぎ去った誰かの似姿を見つけてしまう人たちのお話といえば枕の「H2O」だが、基本的にはあれと同じ観点からの関心だ。

その点を詳述し、僕が気付かなかったところまで言語化してくれているのがルイさん(と海燕さんのやりとり)だった。

ルイ(@rui178)/2011年09月13日 - Twilog

【アトラク=ナクア】は例えが悪いけど虐待を受けた者が虐待に走るといった「環境による流れ」が見える所がたまらなく好き。初音は妹キャラだからこそ姉「様」になりたかったのだと思う。彼女がSかMかを語るだけでご飯三倍は余裕。

https://twitter.com/#!/rui178/status/113398611789889536

@rui178 初音は特に名を秘す某男性に対している時と、奏子に対している時とではキャラクターの性質が異なりますよね。たぶんそこが好きなんだと思うのです。

https://twitter.com/#!/kaien/status/113398214769643520

@kaien そこに線を繋ぐ事で彼女の内面にある欲求のようなものが形作られて来る部分がありますよね。最終章では、彼女が「姉性」(聖性的な用法w)を死守した所に感動しました。ジェンダー論者というわけでもないのだけれど、彼女が男にとっての女、としての具から解き放たれた意味合いで。

https://twitter.com/#!/rui178/status/113399502332887042

【アトラク=ナクア】の魅力を短く纏めると「姉だと思ったら兄にとっての妹だったが、末妹にとっての姉という立場を守り抜いた」という事になるか←若草姉妹か何か?

https://twitter.com/#!/rui178/status/113402909974216704

【アトラク=ナクア】補足。物語を追えば初音のカードの表裏(姉妹)、その初期状態は明らか。それが生来の資質だったとして、今色々な文脈で彼女が語られる時、その殆どは「初音“姉様”」として語られる。その事こそが初音の得た・守った物の証であるし、彼女が環境論や本質論に打ち克った証。傑作。

https://twitter.com/#!/rui178/status/113404534721740802

作中に引用された方丈記の序文を持ち出すまでもなく、相似は相似であって合同ではない。「初音-奏子」が「銀-初音」を超えて単なる似姿以上のものになったこと、初音がその命尽きるまで/その命尽きてなお「姉様」として自身をアイデンティファイしたこと、そして奏子が「姉様」の命を継承したこと、全てを讃えたい。

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アリスボーカルコレクション
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