IT初心者SEのためのベンダ資格活用術(2)

IT初心者SEのためのベンダ資格活用術 - あしのあしあと」の続き。
「そもそもIT初心者が、SEとして入社するな」と、そうなのかもしれないが。。でも、危機感とやる気があれば大丈夫(たぶん)。


今回は、(自分が取得したもののみではあるが)具体的な資格を紹介する。一部、古い資格もあるが、ご容赦。最近はあまりウォッチしていないので、新しい資格はわからない。

まずはココから

まずは、次に挙げた資格試験対策が勉強になるだろう。これらを学習し終えれば、SEとして、ITど素人の状態は脱していると思う。

資格名 資格の説明と感想
MCAマスター マイクロソフト認定アソシエイト(MCA)。データベース、アプリケーション、プラットフォーム、セキュリティの4試験がある。1つでも合格すれば、MCAに認定される。4つ全てに合格すると、MCAマスターに認定される。試験はやさしい。IT技術者を目指す初学者向けの試験だと感じた。各試験、1週間ずつで合格し、1ヶ月でMCAマスターを取得した。基本情報技術者試験では、具体的な製品が出てこず、実際の仕事との結びつきがうすかった。この試験を受験することにより、理論の復習ができ、理論と具体的なマイクロソフト製品が結びつき、ためになった。
LPICレベル1 LPI(Linux Professional Institute)の認定試験。当時はLinuxをさわったことがなく、コマンドも、lsとcdくらいしかわからなかった。「UNIX/Linuxはできない」と思い込んでおり、苦手意識も強かった。この試験に合格するために、ひたすら覚えた。といっても、3週間で101に合格し、もう3週間で102に合格した。翔泳社の「Linux教科書 LPICレベル1」を、小さなノートに問題形式でまとめ、頻繁に見て思い出すことで、1冊丸暗記してしまった。合格後しばらくは、一時的に、コマンドとそのオプションに、異常に詳しくなる。周囲も「おっ、よく知っているな」と認めてくれたし、自分の苦手意識も払拭できた。
ORACLE MASTER Bronze 言わずと知れた、オラクル認定資格制度の、データベース認定資格*1SQLの基本と、Oracleアーキテクチャが勉強できる。「絵で見てわかるOracleの仕組み」と「Oracle Database 10g 運用管理ガイド」を読んで、あとはひたすら問題集を解いた。3週間でSQL基礎に合格し、次の3週間でDBAに合格した。
CompTIAの各種資格 結局、Security+しか取得しなかった*2のだが、A+およびNetwork+のテキストを購入し、勉強した。択一の出題だけで理解を問おうとしているので、中には出題の意図を把握しきれなかったものもあった。情報処理試験とは全く異なった角度から出題されるため、知識量を増やすために役に立った。

つぎは好みで

少しノってきたら、つぎは、自分の興味がある分野を攻めていくとよいと思う。ちなみに、ORACLE MASTER Bronzeを取得したら、ORACLE MASTER Silverは目の前なので、続けて勉強するとよいと思う。

ジャンル 資格名 資格の説明と感想
Java SJC-P Sun認定JavaプログラマJavaの“文法”の試験。文法を理解していれば、実務でプログラミングできなくても合格できる。まずは、ソフトバンククリエイティブから出版されている、Sunテキストシリーズの、テキストと問題集をこなした。その後、理解が不足しているところを「Sun SJC-P認定ガイド」*3で埋めた。3週間〜1ヶ月で取得したが、試験はけっこう難しい。ちなみに、合格後もプログラミングができるようにはならなかった。できるようになるには、ある程度の慣れが必要かと。
Java SJC-WC Sun認定WebコンポーネントディベロッパJSPサーブレットの試験。認定されるには、SJC-Pを取得している必要がある。SJC-Pに比べると、それほど難易度は高くない。3週間で取得した。Javaを用いてWebアプリケーションを開発するのであれば、取得しておくとよい。
ネットワーク .com Master ★★ NTTコミュニケーションズのインターネット検定である、ドットコムマスター情報処理技術者試験のネットワークを取得後だったため、翔泳社のEXAMPRESSシリーズを読んだだけで、あまり勉強はしなかった。ネットワーク関連のコマンド(netstatなど)の結果を読み解く問題なども出題され、実践的な試験だと感じた。トリプルスターも受験してみたが、試験中、ぜんぜん時間が足りなかった。。
ネットワーク CCNA 有名すぎる、シスコのネットワークアソシエイト認定。参考書がたくさんある幸せな試験の一つ。「Cisco技術者認定図解CCNA対策教本」を何度も読み、インプレスの徹底攻略シリーズで問題を解きまくった。2層、3層に強くなった。シミュレーション試験があるため、実機をさわっていない自分としては、デジタルアーキテクトの「CCNAバーチャルラボ」を購入して学習した(実機がさわれない人は必須)。なんだかんだで、1ヶ月くらいかかった。
UNIX/Linux LPICレベル2 レベル1同様、翔泳社のEXAMPRESSシリーズを丸暗記した。サーバアプリケーションの設定ファイルの内容も含めて(グッメモリ!!)。暗記そのものに意味があったとは思えないが、「ちょっと設定してサーバを立ち上げるというのは、こんなものだ」くらいの安心感は得られた。一部の内容は、難しくって消化不良だったが、それでも試験は問題なかった。合格後、お家のDMZに公開サーバを立ち上げてみたが、すぐにお客さんがやってきたので、数日でやめた。
UNIX/Linux SCSA Sun認定Solarisシステム管理者。Solarisを、ほとんどさわったことがなかったので勉強してみた(LPIの復習も兼ねていた)。本質的にはLinuxとあまり変わらない。新宿で、飲みに行く前に受験して、不合格で、\2,5000-に消沈して(銀座に寿司を食べに行けたと思いながら)お酒を飲んだ記憶が残っている。
データベース ORACLE MASTER Silver Bronzeの後、3週間で合格した。Bronzeをきちんと勉強していれば、難しくはない。問題集もたくさんあるので、ひたすら解くのが効率的だと思う。自分の活用の仕方が悪かったのかもしれないが、翔泳社のEXAMPRESSシリーズは、かけたお金と時間のわりに、期待した理解が得られなかったため、個人的にはおすすめしない。
その他 XMLマスター Basic XMLが何かよくわからなかったので、受験した。翔泳社のEXAMPRESSシリーズを読み、インプレスの徹底攻略シリーズを問いた。3週間で合格した。一番勉強になったのは、DTDやXSD(XMLスキーマ定義)かな。XSLTスタイルシートは、合格後に、仕事で1回使っただけ。

あとは実務で

実務で用いているプロダクトなどがあれば、その資格を取得してみるのもよい。体系的に勉強できる。研修を受講しないと、合格が難しい試験もあるので、そのあたりは会社と相談。ここは、人それぞれになると思うが、自分の場合は次。

資格名 資格の説明と感想
ISS-CS(ISS-Certified Specialist) 今は亡き。。初めて取得したベンダ系の資格。仕事で、ペネトレーションテストとIDS(侵入検知システム)の運用をやっており、会社のお金で研修を受講、試験を受験させてもらった。この研修と試験のおかげで、技術者としての第一歩を踏み出せた気がする。
SCSecA(Sun認定Solarisセキュリティ管理者) まだあるのか?昔、Trusted SolarisのBSM(Basic Security Module)をかじっていたことがあって、それで受験してみた。一般の書籍、マニュアル、英語の問題集で勉強した。PAM(Plugable Authentication Module)に関する問題がよく出ていた印象。もうまるで覚えていない。
WebSphere Application Server V5.0 認定アドミニストレータ(Basic) アプリケーションサーバは、WebLogicばかりだったのだが、翔泳社のEXAMPRESSシリーズがあったので受験してみた。あまり難しくはなく、2週間で合格した。
WebSphere MQ V5.3 認定システム・アドミニストレーター 仕事で、マニュアルを読みながら、MQ環境を構築していたことがあった。せっかくなので、試験を受けてみることに。出題範囲にあわせて、マニュアルを読みまくった。本家サイトの模試(英語)を受けてみたら、いけそうだったので、そのまま受験。設定ファイルを読み解く問題が多かったように記憶している。
JP1認定プロフェッショナル(ジョブ管理) プロジェクトでマニアックな使い方をしようとしており、「研修講師をつかまえて質問し、実現可能性を検証してくる」ことを条件に研修を受けに行かせてもらった。出張。1日目の講義後、1時間近く講師の方を拘束。その後、ホテルの部屋で実験。OK。夜の街へ*4

その他もろもろ

著名ではあるが、(Windowsのサーバ構築や管理を行ったことがない人にとって)短期では難しいのが、マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP)と、その上位資格。Windows 2003トラックで、8つの試験(うち1つは免除)に合格し、『マイクロソフト認定システムエンジニア セキュリティ (MCSE: Security)』まで取得したのだが、、途中、何っ度も落っこちた。。「Windows XPの管理」以外の試験は、1度ずつは落ちた。「Windows 2003 Serverの管理」にいたっては、2度も落ちた。キャンペーン期間中だったので、1度落ちても無料で、さして余分なお金がかかったわけではないが(でも、受験料を合計したら12万円に)、時間はかかった。半年以上かかったのでは。。
自分としては、全く勉強にならなかった試験が1つだけあって、それが『情報セキュリティ検定 1級』。どういう人が対象で、何に重点が置かれているのかが、今一わからなかった。


ベンダ系の試験だけでなく、IPA情報処理技術者試験も活用できるかもしれない。ただ、この試験には、モチベーション維持の観点で、向き不向きがあると思う。一応、国家試験だからなのか、試験の回数が少ない(そのわりには、難易度が高くなく、バランスが悪いように感じる)。
ちなみに、自分の場合には、特定範囲内のITの技術について、半年から1年にわたって計画的に学習するのはムリ。この間に、仕事の状況も、興味の対象も変わってしまう。なので、この試験には、次のいずれかでしか合格していない。

  • 絶対に取得しなければならない状況にあった(それはそれは激しく勉強した)
  • 全く勉強しないでも取得できた(それはそれは何もしなかった)


これで、ようやくスタートライン♪

*1:今気がついたが、試験合格申請をしていないかも。。

*2:1度目の試験は、1週間の準備期間で、土曜日に猛勉強をして、日曜日に新宿で受験した。が、不合格だった。受験料が3万円と高かったため、山手線のホームで、頭の中が真っ白になっていたのを、今でもよく覚えている。

*3:この本は、合格後にもお世話になった。よくまとまっており、正確な説明である。そして後輩にゆずったが、活用されなかった。。

*4:独り、飲み屋のカウンターでちびちび。店長さんと同学年だったこともあり、ずっと話しをしていた記憶がある。