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2006-06-10 シリーズ民間日本学者 このエントリーを含むブックマーク

曇り。

所用あって出る。「お供本」は、たまたま目にとまった筒井康隆『腹立半分日記』(文春文庫)。

南陀楼綾繁氏が、文春文庫のうちで最も好きな「日記本」として挙げておられたので、気になってブックオフで買っておいたものだ。

たしか坪内祐三氏がこの日記に影響を受け、公開日記の日付を「某月某日」ではなく、ちゃんと明記するようにした、ということを書いている。それを何処で読んだのか思い出せずに、帰宅してから、あたりをつけて『半歩遅れの読書術機住笋里箸辰討きの愉しみかた―』(日本経済新聞社)を披いてみるが、これではない。

しかし、例えば次のような箇所が気になったりする。

半歩遅れの読書術〈1〉私のとっておきの愉しみかた

知る人は少ないかもしれないが、今はなき出版社リブロポートから「シリーズ民間日本学者」というシリーズ物が刊行されていた。関根弘の『花田清輝』や鶴見俊輔の『夢野久作』、山下恒夫の『石井研堂』といった魅力的なラインナップが並ぶ。その内の一冊として津野(海太郎―引用者)さんの『坪内逍遥』も予定されていたのだ。それが版元を変えて再開されたわけだ。嬉しい(けれど中薗英助の『岸田吟香』や高瀬善夫の『江原素六』や阿奈井文彦の『梅原北明』といった作品は幻に終わってしまったのだろうか)。(坪内祐三「本を分解する」『半歩遅れの読書術機日本経済新聞社所収,pp.99-100)

これが気になったのは、鶴見俊輔夢野久作―迷宮の住人』(双葉文庫)を数箇月まえに読んでいたからなのだが、この「解説」(中沢新一)によって、中沢氏の『寺田寅彦』も「シリーズ民間日本学者」の一冊として刊行される予定だったことを知った。他には確か、いいだもも氏の『黒岩涙香』や松本健一氏の『出口王仁三郎』が入っていた筈だが、文庫化されたものって、『夢野久作』以外にあるのだろうか。

猪川猪川 2006/06/11 23:49 中野利子のE.H.ノーマンが新潮文庫に、木下長宏の中井正一が平凡社ライブラリーに入つてゐるやうです。

higonosukehigonosuke 2006/06/12 00:36 猪川さん、ご教示有難く存じます。「シリーズ民間日本学者」、出たのは精々二十冊くらいかと思っていたら、その二倍以上刊行されていたみたいですね。驚きました。
それから、渋谷章『牧野富太郎―私は草木の精である』(平凡社ライブラリー)。これも「シリーズ民間日本学者」の再刊だとか(ちょっと立読みしただけですが)。いま初めて知りました。

QueSeraQueSera 2006/06/18 05:38 はじめまして。いつも読ませていただいております。
ところで「シリーズ民間日本学者」ですが、ご存知かもしれませんが、田口久美子『書店風雲録』(本の雑誌社)の中で、リブロポートの話に絡めて少しだけ言及されていました(p103〜110)。
「半分以上も返品が続くシリーズ」だったらしいのですが、非常に魅力的なラインナップに、全119巻がでていたらと非常に残念です。どこかの版元でこのシリーズをもう一度刊行してくれないものかと思ってしまいます。……難しいでしょうけど。

higonosukehigonosuke 2006/06/19 01:09 QueSeraさん、はじめまして。当方もいつも拝読しております。
ご教示有難く存じます。田口久美子『書店風雲録』(本の雑誌社)は、新本屋で手に取ったことはありますが、碌に中身を読んだことがないので、「シリーズ民間日本学者」への言及は全く存じませんでした。有難うございます。
「全119巻」が出る予定だった、というのも驚きです。上の引用に挙げてあるもののうちでは、阿奈井文彦『梅原北明』を特に読んでみたいと思いました。

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