つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

身障者のタラップ這い上がりにショック

 格安航空LCCだから仕方がないと言えば、それまでなのでしょうが、それにしても、バニラ・エアの身体障碍者に対する扱いはひど過ぎると思います。タラップにリフトがないので、車イスでの搭乗はできないというところまでは理解できます。でも、大勢が車イスを抱えて搭乗することまで許さないとは何ということでしょう。
 小生は今冬、香港に行くときにバニラ・エアを利用しました。ある旅行社の安いパック旅行に組み込まれていたからです。もともとキャビン内の過剰なサービスなど要らないと思っていましたから、まったくのサービスなしにも支障は感じませんでした。腹が減ることに備えてちょっとしたお菓子を持ち込み、機内のほとんどの時間は大好きな時代小説を読みふけっていました。
 ただ、LCCは座席の選択で自由が利かない。小生はトイレが近く、気圧の低い上空になると、特に尿意を催しやすいので、トイレに立つとき他人に迷惑がかからないようアイルシートを希望するのですが、バニラエアに限っては選択が認められませんでした。帰りの便で強く要求すると、チェックインカウンターで「さらに数千円払え」とプラスアルファを請求されたのです。これにはちょっと呆れました。
 格安で利便性の高いLCCを否定するものではないし、小生はむしろその普及は歓迎しています。でも、テレビのワイドショーで報じていた身障者への扱いは異常だと思いました。ある身障者がバニラ・エアに乗ろうとしたところ、リフトがないので車イスごとは登場できないと言われた。それならばと、身障者は仲間や周辺の人に頼み、車イスごと担いでもらいタラップを上がろうとしたところ、機内服務員からそれもできないと言われたそうです。
 結局、件の身障者は車イスから降り、タラップの階段を這いながら一段一段登ったそうですが、この間、当の機内服務員はじめだれからの手助けもなかった(できなかった)というのです。このニュースを聞いたとき、驚きとともに怒りも沸いてきました。
 まあ、LCCなんだから効率追求で、身障者まで面倒見切れない。サービスを受けたいなら、親会社の全日空のキャリアを使ってくれということなのでしょう。でも、「以後はそうしてください。でも今回は特別」とばかり、その場では少なくとも車イスを皆で担ぎ上げても良かったかと思います。それを、懲罰的に階段を這い上がりさせるとは慈悲のかけらも見られない仕打ちです。
 そんなことをしても、客が大勢来るからという殿様商売体質なのでしょうか。それとも別な理由があるのか。身障者を乗せたくなかったら、カウンターの段階であらかじめ断れば良かったではないですか。全日空は、親方日の丸のJALと違って、もともと人に優しいキャリアだと思っていましたが、子会社での身障者這い上がり強制の事実を知ってちょっとイメージを変えました。

 上の写真は、鹿児島中央駅前にある鹿児島出身の偉人の像(若き薩摩の群像)。