つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

北の青年独裁者の外交術はすごい

 小生、北朝鮮の青年独裁者に対する見方を最近、変えています。米国に対する外交交渉術を見ると、こいつただ者ではないなとしみじみ思います。30数歳の若造のくせして、どうしてあんな巧みな対外関係が操れるのか。スイスで学んだのか、それとも父親からか。恐らく、不動産屋でビジネス交渉がうまいと言われるトランプさんもたじたじになるのではないかと今から心配してしまいます。
 驚きの最初は、北京で中朝首脳会談をしたあと、1カ月余りのちに再び大連で習近平国家主席と会ったこと。米朝会談が迫っている中で中国首脳と会うのは、北朝鮮のバックにはいつも血でつながった中国〈朝鮮戦争を共に戦ったとの意味)がいるよと米側に思わせることが一つの理由でしょうし、もう一つの理由は中国に対し、何でも北朝鮮の対外交渉は中国抜きに語れないですよというへつらいの態度を示し、習を喜ばせることがあったと思います。
 トランプが6月12日の米朝会談をサスペンドすると宣言したあとに、金正恩は今度はすぐに板門店で再びムンジェイン韓国大統領との会談をセットし、韓国になんとか米朝会談ができるよう仲介を依頼しました。これもぶったまげの行動。ムンジェインは米朝会談に関しこれで韓国の”存在”を示すことができたと内心喜び、金正恩に心酔してしまったはずです。青年独裁者は、こんな手練手管をだれに学んだのか。まさか、叔母さんの夫で死刑にしてしまったチャンソンテク氏からではないのか。そうだとしたら、悲しすぎます。
 世界最大の覇権国米国相手にずっと父親譲りのチキンゲームを展開してきたのもすごいけど、国連制裁がきつくなるとすぐに平昌オリンピックを利用して、方向転換を図ったのも見事です。方向転換に平和の祭典オリンピックを利用したので、世間に何ら不自然な感じも与えませんでした。華を添えるように美女軍団まで使ったりして。その辺の綾(あや)が実にうまいのです。
 6月12日にシンガポールで、当初の予定通り米朝会談が開かれそうですが、国際交渉術にたけた刈り上げ君と不動産屋上がりのトランプの話し合いはどうなるのか。バーゲニングでは、どう考えても刈り上げ君の方が優勢に展開できるでしょう。米国は完全非核化を捨て、段階的非核化に同意せざるを得ないのではないか。米国が手玉に取られる様子が今から分かるようで、朝鮮半島の完全非核化を主張し続ける我が日本には悲しい事態になりそうです。

 上の写真は、山梨乾徳山の登山口でのスナップ。登る前なので元気はつらつです。