ガスコンバインドサイクル発電の推進により、原発は完全不要に!


原発を停止すると電力不足が起き、経済活動が停止してしまう」、と推進派はいいますが、とんでもない大嘘ですね。

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小出裕章助教が著書「原発のウソ」の中で 「火力を70%稼動させれば、原発を全て停止させても電力は十分足りる」 と指摘してますが、確かに地震直後こそ計画停電なるものが行われましたが、これは火力発電所も被害を受けてたからで、火力の復旧が進むとともに徐々に需要を満たすようになりました。猛暑が心配されたこの夏も、原発が十四基しか稼動してないにも関わらず何とか乗り切ってしまったじゃないですか。

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さらに重大なのは、国や東電、推進派の学者や評論家たちは意図的に隠してますが、次世代火力ともいうべき 「ガスコンバインドサイクル」 *1 方式による発電所を推進すれば、原発を全て廃止しても充分電力は間に合うのです。


ガスコンバインドサイクル発電とは

「ガスコンバインドサイクル」とは天然ガスを燃焼させてタービンを回し、さらにまだ高温の排気ガスを利用して蒸気でタービンを回転させるという複合方式による発電です。


この方式の利点ですが、まず発電効率が桁違いに高い。原発発電効率がおよそ30%と言われるのに対し、ガスコンバインドサイクルは約40〜50%、さらに最新型のものだと60%以上の効率で熱エネルギーを電力に変換できるといいます。同じ火力発電と比較しても、昭和三十年代の火力に比べ、なんと二〜三倍もの変換効率があるといいます。

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環境にやさしい

第二の利点は、天然ガスをエネルギーに使うため、環境に対し極めてクリーンとのことで、従来の石炭や石油のように硫黄酸化物やばいじんを排出せず、CO2 の排出も極めて少ないとのことです。また仮に巨大地震発電所を襲い、タンクが爆破炎上しても、原発のように水蒸気爆発による周辺住民の急性死の危険や、放射能汚染は一切ありません。

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ガス黄金時代の到来

第三に、天然ガスの供給料がここ数年飛躍的に増えてきて安定し始めていること。
天然ガスの可採年数は今まで 60年と言われてましたが、ここ数年新たなガス田が世界中で次々と発見されてます。また採掘技術の向上により、可能採掘年数は400年と飛躍的に伸び、いまやガス黄金時代ともいうべき潮流が米国を中心に世界的に起き始めてきているそうです。そのことは週刊エコノミスト誌 10/10 増刊号に詳しく書かれています。

エコノミスト 2011年 6/21号 [雑誌]

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原発より安く早くできる

第四に、原発より安く早く建設できるとのことです。ガスコンバインドサイクル発電所を一基造るのに、かかる費用は原発の1/10〜半分、工期も約一年で建てられるとのことです。また原発風力発電のような広大な敷地を必要せず、わずかな敷地でも建設できるそうです。原発と違い安全なため住民のコンセンサスも得やすく、当然余計な交付金のばら撒きも必要ありません。さらにわずかな人員で操作できるため人件費も大幅カットでき、テロの脅威も薄れるため原発を守るため巡視船を貼り付けておく必要もなく、警備人員も限りなく少なくできます。


すでに稼働実績あり

こういうとまるで夢物語であり空想に過ぎないと疑う向きもあるかも知れませんが、実は電力会社は(意図的に?)宣伝してませんが、すでに幾つものガスコンバインドサイクル方式による発電所を建設・稼動させています。電力会社も効率がいいと判っているから建設してる訳です。ただし「利権」が絡むのか、危険だと知ってながらも、どうしても原発には執着したいようですね。

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また東京都と大阪市もガスコンバインドサイクルの発電所の建設計画を構想しており、猪瀬副知事は「これで国と東電の電力支配に風穴を開けられる」と発言してるとのことです。

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さらに大阪ガスでも泉北に100万Kw級のガスコンバインドサイクル発電所を建設し、すでに稼働させています。よくよく考えると GTCC が本格化すればエネルギー事業では電力会社よりガス会社の方が優位に立つでしょうから、そういうことも含めて電力会社はガスコンバインドサイクルを宣伝せず、原発を推進させたいのでしょうね。

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ただちに原発を廃止し、ガスコンバインドサイクルに切り替えるべき

以前のエントリにも書きましたが、3.11以降、日本は本格的な地震活動期に入ってしまった。もう、いつどこで震度7クラスの地震が来てもおかしくありません。原発地震に弱く、もし震度7クラスの地震原発を直撃したら、第二・第三の事故が起きかねず、最悪水蒸気爆発というシナリオも想定されます。
日本国の危急存亡の事態だというのに、野田首相原発を再稼働させると発言したそうです。これはもう狂気の沙汰としか思えません。また保守派の論客も押しなべて原発を容認してるようですが、これもおかしい。原発問題は、なぜか「脱原発=左」「推進派=右」という構図が出来上がっているようですが、国家の危急存亡のときに、右も左もない筈だと声を大にして言いたいものです。

原発を即時停止し、順次コンバインドサイクルによる発電所を建設すれば、電力問題はただちに解決する。原発に依存していた自治体の問題があるというなら、余剰敷地内にガスコンバインドサイクル発電所を建てればいいのではないかと提案したい。もし第二の福島事故が起きたら、それこそ本当に取り返しがつきません。原発利益共同体の方々には是非猛省を促したいものです。


最後にエネルギー関連のエントリで、なかなか面白い記事を見つけました。参考までに上げときます。

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※続き ガスコンバインドサイクル発電の推進により、原発は完全不要に!(その二)

 

*1:GTCC...ガスタービンコンバインドサイクルともいう