米銀破綻26行に 量的緩和策(QE1・2)効果で閉鎖件数が減少

FDIC(米連邦預金保険公社)は26日、イリノイ州の地方金融機関、
ザ・バンク・オブ・コマース(The Bank of Commerce) を閉鎖した
と発表。
今年の米銀破綻は26行になった。
3月という重要な決算期であるにもかかわらず、思ったほど破綻件数
が少ないのが印象。


過去2度にも渡る莫大な額の量的緩和策で、米銀はかろうじて去年や
一昨年の破綻件数とほぼ同数で維持している。
ただ量的緩和によってインフレを狙っていたはずなのだが、結果的に
徐々ではあるがデフレ傾向に向かっている。
これからは猪突猛進の勢いでデフレが進行していくだろう。


2008年に起きた金融危機以来、米国のマネタリーベースの供給額
をみてみると、危機直後の8000億ドルから、今では1兆8000億ドル
と2倍以上に膨れ上がっている。
しかしそれで米国の物価が急騰するような事態になったかといえば、
これが全くなっていない。
貸し渋り貸し剥がしにより、中央銀行から下りてきたマネーが停滞
したままになっているからだ。


この銀行に滞っているマネーが、金融危機前は約3000億ドル程度
だったものが、09年末には約1兆2000億ドルへと増えている。
厳重な審査の上、結果的に貸し出し先がいないというものだ。
その他の理由としても企業や個人までもが、それまでに抱えていた多
額借金を今以上に増やしたくないという思いもあっただろう。


米国では失業率者および無職者が、毎月のように増加の一途だ。
ここ2、3カ月間は減少気味だというが、これは就職活動を諦めてしま
った人が多いこと。
そしてもうひとつ。
米国では失業状態が1年間続くと、自動的に「失業者」から外れる。
だから実体経済が日々腐れ切っているのに、思うように失業率が悪化
しないというわけだ。



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