どんどん焼き屋の歩きかた

ヤマガタを代表するソウルフードと言われるどんどん焼き。現在では「B級グルメ」としてメディアに取り上げられることもあります。
しかし、ソウルフードなどと言っても、お祭りの時に屋台で出ているときにだけなんとなく買ってみる、くらいにとどまっているのではないでしょうか。しかも買ってみたのはいいけれど、生地が薄っぺらで生焼けで粉っぽく、あまり美味しいとはいえないような・・・。

それから、同じ山形県内であっても、地域によってはどんどん焼き自体が存在しない場所もあるそうなのです。どんどん焼きは本当に山形のソウルフードとして親しまれているのか、と疑問を感じてしまいそうです。

それが最近、店舗を構えてどんどん焼きを販売しているお店が県内のあちこちに存在することを知りました。店舗型のどんどん焼き屋さんは、山形市の七日町商店街にある商業ビル「ナナビーンズ」前の「CoCo夢や」さんが有名かと思われますが、残念ながらこちらの店舗は2010年8月に閉店されてしまったようです。
どんどん焼きは「屋台で買うもの」というイメージしかなかったので、店舗で売られていることにまず驚きました。そして実際にそれぞれのお店に足を運んでみたときに、そこで出されているどんどん焼きが、これまで食べたことがなかったくらいに美味しかったのです。また、こじんまりとした気取らないお店の形態や雰囲気が大好きで、どんどん焼き屋さんを探しては食べ歩きをするほどにハマってしまいました。

そこで今回は、私が巡った県内6か所の、どんどん焼きが食べられるお店を紹介いたします。この記事を読んで下さっている方の、美味しいどんどん焼きを食べるきっかけになれば幸いです。

『山形どんどん』
私が県内各地のどんどん焼き屋さんを巡るきっかけとなったお店です。お店は、山形市馬見ヶ崎の雑貨屋さん「La Casa」近くの裏路地にあるので、場所がちょっと分かりにくいかもしれませんが、お店の外観が黄色く目立っています。
「梅味」「カレー味」「ベーコンチーズ」「マヨイカ」など、バラエティに富んだ具材のどんどん焼きが特徴的です。
おすすめは「もちチーズ」(300円)。ふんわりした生地の中にお餅ととろけるチーズが入っていて、あつあつのうちに食べた時によく伸びるお餅によって今までになかった、弾力のある食感のどんどん焼きを味わうことができます。
スタンプカードもあり、10個たまると200円のどんどん焼きを一本、サービスで頂くことができます。

店舗名■山形どんどん
所在地■山形市馬見ヶ崎4‐10‐52
でんわ■023(682)7288
営業時間■10〜18時
定休日■水曜日

『おやつ屋さん』
山形市霞城公園南門の近くにあるお店です。山形駅西口方面にあるため、通勤・通学などでこの付近を通られる方などは、特にアクセスしやすいのではないでしょうか。
生地のタネには「だし」と「とろろ」が使われているそうで、食べたときに深みのある風味と、ふわっとした食感が楽しめます。どんどん焼きは「ソース」と「しょうゆ」の二種類で、どちらも150円。他のメニューには「かき氷」などもあります。

店舗名■おやつ屋さん
所在地■山形市城南町2‐6‐16
でんわ■023(646)1344
営業時間■10〜19時
定休日■第1・第3月曜日

『どんべい』
山形市六日町の住宅街にあるお店です。店内とオープンテラスにはテーブルが用意されており、セルフサービスのお茶を頂きながら食べるどんどん焼きが絶品です。
どんどん焼きは「ソース」、「しょうゆ」(各150円)と「チーズ」(250円)の3種類。
おすすめは「チーズ」なのですが、そのチーズどんどん焼きを注文すると、生地を箸で巻かずにお皿に乗っかった状態で出てきます。そのボリュームがなんともすごい。分厚いどんどん焼きを箸で割り、とろりとしたチーズと一緒に頬張るときが一番幸せです。
他にお店で販売されているメニューは、「うどん」、「そば」、「パスタ」などの麺類、「たこ焼き」、「チキンナゲット」などです。

店舗名■どんべい
所在地■山形市六日町7‐23
でんわ■023(633)1613
営業時間■11〜20時
定休日■水曜日

『やたいや』
山形市桜田の住宅街にあるお店です。テイクアウトが基本で、どんどん焼きが出来上がるとスピーカーでお知らせしてくれます。まったりと食べるなら、お店の横のベンチやすぐ近くにある公園を利用しましょう。
どんどん焼きは「ソース」と「しょうゆ」の2種類でどちらも150円。
お値段のわりに全体的にボリュームがあり、一本でお腹いっぱいになれます。他のメニューには「かき氷」「水あめ」もあります。

店舗名■やたいや
所在地■山形市桜田1‐9‐2
でんわ■023(631)7620
営業時間■10〜20時
定休日■第3・第4火曜日

『うまいものの店いわい』
次は、天童市にあるどんどん焼き屋をご紹介します。外観がまるで「海の家」のような佇まいのお店です。
どんどん焼きは「ソース」「しょうゆ」(各150円)、「卵入り」(250円)、「ピザ風」(300円)の4種類。
おすすめはなんといっても「ピザ風」。どんどん焼きの生地に、ピザに使われる具材が挟まれ、ケチャップで味付けされています。このアイディアは面白いですよね。
他にお店で販売されているメニューは「焼きそば」、「たこ焼き」、「揚げ物」など。夏には豊富な種類の「かき氷」も販売されているそうです。

店舗名■うまいものの店いわい
所在地■天童市南町2‐1‐36
でんわ■023(651)8361
営業時間■10〜19時
定休日■水曜日と第1・第3日曜日

『井上玩具店
次はさらに北上して、尾花沢市の商店街にあるどんどん焼きのお店の紹介です。店内にはテーブルがあり、ゆっくりとどんどん焼きを味わうことができます。
メニューは「ソースどんどん焼き」が200円。スタンダードながらも生地がもちっとしています。他のメニューには「焼きうどん」と「焼きそば」もあります。
8月末に行われる、花笠の笠回し踊りの本場「尾花沢まつり」にてどんどん焼きの屋台も出店されているそうです。

店舗名■井上玩具店
所在地■尾花沢市新町2‐1‐38
でんわ■0237(22)1353
営業時間■09〜18時
定休日■日曜日

いかがでしょうか。一口に「どんどん焼き屋さん」といってもお店ごとにどんどん焼きの味やお店の形態に特色があるため、どのお店に行こうか迷ってしまうかと思われます。

他にも上山市どんどん焼き屋さんが一軒と、中山町のラーメン屋さんでもどんどん焼きが販売されているそうですが、こちらにはまだ足を運んでおりません。どんどん焼きフェチとしてはなんとしても行かねばなりません。

みなさんも、是非とも気になったお店に足を運んで、美味しいどんどん焼きを食べてみませんか?

プロフィール
小林美里(コバヤシ ミノリ)
1987年生まれ。大石田町在住。趣味はイラストを描いたり同人誌をつくったりすること。漫画の投稿や、フルスクラッチでのフィギュア製作もしてみたいと考えている。興味の幅を増やさねばと焦る日々。栄養源はブラックサンダーとカントリーマアム。玉こんにゃくの美味しいお店がありましたら是非教えてください。