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himaginaryの日記

2008-08-14

資産価格の理論:私的概論/(9)モジリアニ=ミラーの定理

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企業価値評価(2)>

○モジリアニ=ミラー(MM)の定理 = 市場での無裁定条件から導出

Franco Modigliani , Merton H. Miller

“The Cost of Capital, Corporation Finance, and the Theory of Investment”,1958

  ●企業価値と配当政策は無関係

DDMの説明でg=brとなっているが、bを変更してもgが変わるのではない。

むしろgは企業の内部成長率ないし持続可能成長率(sustainable growth rate)として外生的に決まる。

gを無視してbを高く設定しても、rの利益率は確保できない。

また、bを低く設定して配当を高めると、株主の受け取りは増える。しかし、rの利益だけでは増配分を確保できず、外部資金調達が必要になるが、その外部資金調達のコストで増配効果は相殺され、結局企業価値は変わらない。

  ●企業価値と財務構成(自己資本負債の比率)は無関係

税効果や倒産リスクを無視すれば、資本コストkは、自己資本負債の構成比には影響されない。

負債Lを取り入れた例でいえば、負債導入前後で総資産が変化しないとすれば(i.e. B0 = B’+ L ならば)、

 E1 = E’+ iL

となり(∵総資産に対する利益率ROAは不変)、その時

 P = P’+ L

となるということ。

その場合

  P’+L =P=¥frac{E_1}{k} =¥frac{(r_BB’+iL)}{k}=¥frac{(k_BP’+iL)}{k}

より

  k=¥frac{(k_BP’+iL)}{(P’+L)}

となる。この場合のkを加重平均資本コスト(WACC =Weighted Average Cost of Capital)という。

1985年ノーベル賞モジリアニ



キャッシュフローモデル

Dtキャッシュフローとして一般化

キャッシュフロー営業利益×(1−法人税率)+減価償却設備投資−運転資本需要



○EVA(Economic Value Added:経済付加価値

米国Stern&Stewart社がキャッシュフローモデルを改善し、独自ブランドとして商品化。

従来のキャッシュフローモデルの考え方では、

現在時点[t=0時点]の割引現在価値

   P=¥sum_{t=1}^¥infty¥frac{D_t}{(1+k_t)^t}

と、現在時点の資本 B0 を比較していた。

EVAの考え方の‘新しい点’は、毎期ベースでその比較を行なうことにある。

ここで

   B_0=¥sum_{t=1}^¥infty¥frac{kB_0}{(1+k)^t}

という恒等式を利用すると

   P-B_0=¥sum_{t=1}^¥infty¥frac{D_t-kB_0}{(1+k)^t}

となる。

Stern&Stewart社の創設者Bennett G. Stewart IIIは、この毎期ベースに分解された右辺の分子の(Dt-kB0)をEVAと名付け、EVAの割引現在価値、即ち左辺の正味現在価値P-B0MVA(Market Value Added)と名付けている。

彼はその著書”The Quest for Value”(1991)で、EVAを資本効率を計測する指標として提唱し、これを高めるのを経営の目標とすべしと説いている。