2009-11-08
米国が機会の国だという5つの神話
というブルッキングス研究所の記事があった(Economist’s View経由)。
その5つの神話とは、以下の通り。
- 米国人は他国に比べ経済的機会に恵まれている
- 米国では、ある世代は前の世代よりも生活が向上する
- 移民労働者とオフショアリングが米国の貧困と格差を悪化させた
- しばしば移民と貿易が槍玉に挙がるが、より重要な変化は、米国家庭のライフスタイルの変化。片親の家庭の子供は1968年には12%だったのに対し、現在はほぼ30%である。片親の家庭の貧困率は、両親の揃った家庭の貧困率の約5倍であるため、この傾向は貧困率を悪化させた(昨年は13.2%)。もし片親家庭の割合が1970年の水準に留まっていたら、子供の貧困率は今より3割低かっただろう。
- 30歳以下の女性の出産の半分以上は婚外出産。これは貧困を悪化させ、子供の知的、情緒、社会面での問題増加につながる。
- 高等教育を受けた男女同士の結婚が多くなった。これは格差を悪化させる。
- こうした現象と、ここ数十年の未熟練労働者の賃金の停滞ないし下落傾向を考え合わせると、貧困と格差の拡大は概ね説明できる。
- 子供の機会を増やしたいならば、家計所得を増やすべき
- 所得は機会向上の要因ではあるが、唯一の要因ではないし、最重要要因ですら無い。
- 我々の研究によると、米国で中流階級になるためには、(最低でも)高校は修了し、フルタイムで働いて、子供を持つ前に結婚すべきである。この3つをクリアすれば、貧困に陥る確率は12%から2%に低下し、中流階級以上になる確率は56%から74%に上昇する(ここで中流階級は3人家庭で年収5万ドル以上と定義する)。
- 多くの米国家庭はフードスタンプ、住宅提供、福祉支給といった形での所得補助を必要としている。しかし、こうした援助は無条件で与えてはならない。その理由は:
- 現下の情勢では皆が職に就くのは難しいが、それでも社会政策は、各人の長期的成功につながる行動を促進するものであるべき。
- 財政の無駄と不正を削減することによって機会向上のための政策の財源が賄える
この論説に関し、Mark Thomaは以下の2つの疑問を投げ掛けている。
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リンク元
- 391 http://www.hatena.ne.jp/
- 385 http://b.hatena.ne.jp/hotentry
- 227 http://b.hatena.ne.jp/
- 203 http://reader.livedoor.com/reader/
- 131 http://www.google.com/reader/view/
- 129 http://b.hatena.ne.jp/hotentry?mode=general
- 119 http://b.hatena.ne.jp/hotentry/economics
- 112 http://d.hatena.ne.jp/
- 111 http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/himaginary/20091108/five_myths_about_our_land_of_opportunity
- 100 http://www.google.co.jp/reader/view/
進歩は必ずしも良いことではない。
新しい考え、普遍的な考えは、これまでの適応経験を捨てる点で、酷い無駄がある。
企業という単位、家計という単位は、適応しようとする状況が違う。
基本的に、前者は新しい価値を生み出すことが生存の道であるから革新的であったほうがいいが、
後者は、世代の経験の反復が大部分であり、保守的であったほうが適応に成功しやすいと思う
アメリカのような社会を手本にするのは、まったく馬鹿げている。
ツッコムとするなら「未熟練労働者の賃金の停滞」と移民は密接な関係があります
高飛車に断定的な物言いしてんじゃねぇよボケ。
3. の婚外出産の割合については、スウェーデンやフランスの方が多いようですが、これらの国の方がアメリカより貧困家庭が多いわけではないですよね。
要は社会保障なんではないかと。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1520.html
正直言ってこのエントリはそれほど気合い入れて書いたわけではないので、思ったよりアクセスを集めて正直驚いています。まあ、アクセスが多いといろんな人が来るのは世の常なわけで。
(逆にこれはアクセスを集めるだろう、と狙って書いたエントリが閑古鳥、というのもありがちですが…実は10/29エントリがそうだったりする)
なお、ご指摘の点はまさにマシュー・イグレシアスが指摘しています(H/T Economist's ViewのUPDATE)。
http://yglesias.thinkprogress.org/archives/2009/11/family-structure-inequality-and-opportunity.php
ただ、追記で、それは結婚しないまま子供をカップルが多いせいで、シングルマザーが多い米国と訳が違うのかも、と自己解決していたので、本文で取り上げませんでした。