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himaginaryの日記

2012-11-13

ABMなんか嫌いだ

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エージェントベースモデル(ABM*1)の使用を主唱した論文に、Economic Logicのブログ主がぶち切れている


まず、DSGEモデルの失敗が明らかになったのだから捨て去るべし、という主張に対し、うまくいかなかったから全部破棄、ではなく、改善の方向で考えるのが筋だろう、と批判している。次いで、エージェントベースモデルに矛先を向け、以下のように書いている:

...the claim that agent-based computing is any better is ludicrous. Modern macroeconomic theory is abundant in models with heterogeneous agents, learning, information issues, and perturbations. While agent-based models can potentially offer all this, they do it in a very ad hoc fashion. the modeler has to set how agents behave, and you can obtain virtually any results depending on what you assume. Sadly, there is very little effort devoted to relate the assumption with anything found in reality. The calibration based on some data is virtually absent, thus nothing can be learned. Unless you put some discipline in those models, they are useless. And once they have that discipline, I guess they are going to be quite close to heterogeneous DSGE models.

(拙訳)

エージェントベースのコンピュータモデルの方が(DGSEより)優れているというのは馬鹿げている。現代マクロ経済理論は不均一な主体、学習、情報の問題、および摂動を備えたモデルを豊富に揃えている。エージェントベースモデルでもそれらすべてを提供できるのかもしれないが、そのやり方は極めてアドホックである。モデル構築者がエージェントの行動を設定せねばならず、前提次第では事実上いかなる結果でも得ることができる。残念ながら、前提を現実の出来事と結び付ける努力はほとんど払われてこなかった。何らかのデータに基づくカリブレーションは事実上行われておらず、従って何も学べない。モデルに何らかの規律を課さない限り、それらは役立たずである。そして、いったん規律が課されたならば、それらは不均一なDSGEモデルと極めて近いものになるに違いない。


ここでDSGE擁護のためにABMに向けられている言葉が、DSGE批判者がDSGEに向ける言葉と似通っているのが興味深い。

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