「有害情報」は誰が「判定」する?

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050625i101.htm

▲元々は別件なんだろうけど、情報フロンティア研究会の最終報告書とも同調してきてそうな話に「有害情報判定委員会」がある。読売記事「ネット情報に第三者の『有害判定委』…総務省が検討」を参照のこと。国が先導して(「第三者機関」とはあるが)「有害情報」を「判定」する機関を設けるという。いや まだ検討段階だけど。しかし これってどうよ? 読売の記事がどこまで正確か疑問だが、この記事を読んだ限りでは、総務省は「有害情報」をネットから根こそぎ削除したがっているように読める。▲いわゆる「青少年」に対する「有害情報」を、「青少年」がアクセスできないようにするという話ではない。となれば、この記事の最後にある「第三者機関に情報の削除など強制力を与えると、「表現の自由」を侵す恐れもあるため、今後、論議を呼びそうだ」との問題が真っ先に浮かぶ。しかし‥‥読売のこの一文、ポーズなのか何なのか。本来なら、この論点こそ突っ込むべきものなのではないか。最後に(申し訳程度)一文を置いて済まされる問題ではないだろう(それとも本紙では続いてるのか?)。▲犯罪行為の伴っている「有害情報」ならば、まずはその犯罪行為を現行法で取り締まれば良い。しかし犯罪に至ってない情報をネットから消してしまおうというのは どうか。爆発物の作り方を記しておくのが犯罪か? 自殺を呼びかけるのが犯罪か? ここで表現規制の一線を越えさせてしまったら、「有害情報」とみなされるものが どこまで広がっていくのか判らなくなる。下手すりゃ、自殺について論じることすら出来なくなるかもしれない(自殺を思いとどまるよう訴える話ですらも!)。▲この「第三者機関」について協議するという新設の「有識者研究会」は、記事によれば電気通信事業者・法曹関係者・消費者団体代表らが参加するという。この研究会の行方も きちんと見ていく必要があるな。いや、それよりも検討結果を政府が悪用しないか、か。この世界で表現活動をやってるネットワーカーなら、表現の自由を制限される虞があるとなれば黙っちゃいられまい?▲余談だけど、ポルノは解禁すべきじゃね? 全世界に繋がってるインターネット、今さら「わいせつ」も何もねぇだろう。世界中に厳然として存在してるものにアクセスしちゃイカン──ってのは おかしいし、防止不可能でしょ。ま、笑って読み飛ばしといてください。