みうらゆうのうらはてブ『ちょびっと試される。』 このページをアンテナに追加 RSSフィード

新聞・ブログ等の記事に対するファーストインプレッション。
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2005-08-25

日経記事からスピンオフ──作曲家は「搾取」されているのか?

http://cdvnet.jp/modules/news/article.php?storyid=615

http://www.amvox.co.jp/entrance/vision/

http://ohbentoh.blog16.fc2.com/blog-entry-18.html

http://xtc.bz/index.php?ID=184

 私的録音補償金の iPod 課金で注目された日経記事だが、この記事でコメントを寄せていた JASRAC 評議員(そして作曲家)の穂口雄右氏の発言も話題になっている。日経記事での発言自体も(「悪の7団体」とは正反対の)ユーザー側に立ったものだったが、自身が関わる音楽学校・アムバックスのサイトで更に過激な意見を表明していた。私が読んだ中では『ふっかつ!れしのお探しモノげっき』が早く紹介していた穂口氏の主張は、要するに、CD販売から作曲家が得る収入が少なすぎるという話。

 「1枚のアルバムCDから一人の作曲家に分配される印税は契約によって、良くて定価の 約0.14%、 多くは 約0.1%、 許せないのはたったの 約0.05% しか支払われなケースが増えているという事実です。つまり音楽ファンが14曲入り3000円のCDを買っても、その作品を作った音楽家一人には、時にはわずか約1円60銭の収入にしかならないのです」。これだけ見るとかなりショッキングな話。

 もっとも、この話には反論が出ている。『著作権マニア』の記事によると、上の数字 (0.14%) はアルバム 14曲中 1曲だけに作曲で参加した場合の数字だという。「他の 13曲は 全く関係ないことを思えば、ケーススタディとしてはちょっと悪意を感じずにはいられません」と。ただ、この記事の主張は、現在の慣行を甘受しろという流れになってしまい、どうも納得しがたい。穂口氏の話にしても、『著作権マニア』の記事にしても、ここを足がかりに まず数字を具体的に洗い出さないと評価できなさそうだ。

 中間で関わってくる各種団体の取り分が本当に多いのか少ないのか。多すぎれば「搾取」と呼ばれても仕方ないわけで、議論の余地がある。まぁ、俺が関連書籍を買って読めば済む話か? こうした音楽ビジネスの実態がもっと明らかになって欲しいんだけどなぁ。今まで音楽ユーザーの目からは遠ざけられてきた部分な訳だし。それが積もり積もって、バカ高いCD(しかも再販制)があり、音楽活動の窮屈さがあり、音楽ユーザーへの抑圧があるのだから。少しずつでも、そのメカニズムを解明しないと。

 穂口氏の文章に戻ると、「作曲家が承諾していないにもかかわらず、契約しないまま自社の管理楽曲と偽って著作権料を横取りする」例としてテレビ朝日ミュージックの話にも触れている。これの詳しい話は後日に同サイトで展開されるのだろうが、それを補足する形で『音楽配信メモ津田大介氏(最近大活躍)も記事を上げている。「『ミュージックステーション』に出演する場合、音楽出版権をテレビ朝日ミュージックに預けるのとバーター」だそうだ。あと津田氏の考察の方も必読の内容。

zfyl さんには頭が上がりません

http://nirvana.blog1.fc2.com/blog-entry-45.html

さぁ、法制小委#7だ。 zfyl さんの所で記事が上がった。現在は配付資料を掲載。議事概要(メモ)は作成中。この間に、資料に目を通すとしよう。

法制小委「審議の経過(案)」

http://nirvana.blog1.fc2.com/blog-entry-45.html

http://zfyl.shacknet.nu/050825_mat1.pdf

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/05072901/001.htm

 ちょっと速報がてら。 『zfyl』 で掲載された配付資料のうち、話題の私的録音録画補償金に関する部分だけをちょっとご紹介。配付資料1の「審議の経過(案)」である。まず注目なのは、ノンブルで言う2ページ。権利制限の見直しについて「基本的考え方(検討の進め方)」をこのように書いている(文章表現が若干おかしいかなぁとは思うけれど‥‥その言わんとしてるところを読んでくださいまし)。

 「著作権制度は文化の発展に重要な役割を果たしているが、社会における他の価値や制度との調和の上に成り立っていることを忘れてはならない。著作者が正当な利益を不当に害される場合又は著作物の通常の利用を妨げない場合は別として、時代によって変転していく社会的必要性に応じて一定の場合に権利を制限されることは、著作権法がこれからも社会的認知を受けていくためには必要なことである」。

 これは、権利制限に対して強硬に反対する いわゆる権利者に対して釘を刺すものである。おそらく主査の中山教授の意向が強く反映されているのだと思われる(今までの委員意見でも同様の意見を表明していたから)。もちろん、我々消費者に対しても著作権法の「社会的認知」をするという責務の存在が暗に示されているのだけれど。さてさて、本題は私的録音録画補償金 (iPod 課金)の話。資料1、ノンブルでは 35ページ から 40ページ。

 言われていたとおり、賛否の両論併記である。前回の小委員会で配布された意見のまとめより数項目追加されている。賛成意見としては、専ら録音に供する機器であること、MDの代替品であること、個別課金がまだ大勢でないこと、利用実態に応じた割合の課金も可能なこと(これが追加分)、 DRM 等の導入は消費者にも負担であること(そして国際条約との兼ね合いもあること)──を列挙している。賛否の意見を個別に検討して、パブコメ提出ってトコだね。

 そして反対意見としては、個別課金が可能な分は補償金の正当性がないこと(追加分)、補償金制度自体に問題点が多いのにこれ以上肥大させられないこと、ダウンロード音源への二重課金、 iPod 等は汎用機器であること、 DRM 等は消費者によって選択されるために「負担となる」との意見は根拠が無いということ(追加分)、そもそも害されるという権利者の「正当な利益」が無いのだから補償金を課さなくても条約違反とはならない(追加分)──が挙がっている。

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