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2005-11-07

Googleのラリー・ページのミシガン大学卒業式でのスピーチ

表題のリンク先にGoogleの共同創業者ラリー・ページが2005年5月にミシガン大学の卒業式でおこなったスピーチの音声とビデオがあるのを見つけた。コメントの中に筆記録がある。スピーチの一部の筆記録がコメントとして投稿されたあとで全体のものが投稿されている。音声は聞き取りにくくネーティブスピーカーでも苦労したようで筆記録にも聞き取れていないところが多々ある。

ミシガン大学はページにとってスタンフォード大学の大学院に進む前に卒業した母校であり、スピーチは母校の工学系の学生に向けた内容になっている。

興味深いと思った部分

大きなことをするほうが小さなことをするより容易だ。変に聞こえるだろうが、本当に大きなことをしていると、他の人の助けが得られる。より多くの人が助けてくれる。必要な資源がより多く手に入る。だから、大きなことを世界を舞台に成し遂げることは考えるに値する。


12歳のとき発明家になりたいと思った。そしてあるとき、テスラーの伝記を読んだ。テスラーは言うまでもなく偉大な電気工学エンジニアだ。テスラーは変圧器やその他の現在使われている多くの物を発明した。テスラーは驚異的な発明家だったが研究に必要な資源を得ることができず、発明を世界に広めることができなかった。私はそれを読んで悲しい気持ちになった。なぜテスラーは大きな苦労を背負ったのか。そして自分は、単なる発明家ではなく、物事をすること通じて世界を変えるのに十分な資源を持った人物になりたいと思った。

エンジニアとはそういうものだと思う。エンジニアとは科学者と科学を実際の物に適用して現実世界で物事を起こす人との組み合わせだ。それは素晴らしいことだ。今、多くの人がエンジニアリングを使いっぱしりか収入を得る手段としか考えていない。しかし、エンジニアこそが巨大な変化をもたらすことができるのだ。ちょうどGoogleのコンピュータと何百万人の利用者のように、君たち2・3人で、世界中の誰もが使い始め、生活を向上させたり、大きな影響を受けたりする何かを作り出すことができるのだ。そのような職業は非常に稀だ。


世界は簡単にわき道にそれてしまう。君たちは公務員、会社経営、大学経営、その他何をやってもいい。なぜなら、そういった職業では、エンジニアリングの考え方を身に付けた人がとてもとても少ないからだ。シリコン・バレーでさえ、私のようにテクノロジストかつエンジニアの頭を持った企業幹部は稀だ。そのような人は非常に少ない。

我々はエリック・シュミットをCEOとして雇った。シュミットを探し当てるのに1年半ほどかかった。我々が面接した中で数少ない計算機科学の博士号を持つ人物だった。たぶん株式を公開している大企業のCEOを勤めた人物で計算機科学の博士号を持つのはシュミットだけでだろう。我々はそれが重要だと考えた。我々はGoogleがエンジニアリングの会社であって欲しい。ビジネスや販売の会社であって欲しくはない。君たちにこのことを考えることを強くお薦めする。世界を変えたいのなら、力のある立場、リーダーの立場に身を置くのが良い。世界は君たちを待っている。


リスクについて少し話しておこう。私はリスクを恐れてGoogleを始めるのを非常にためらった。ご存知の通り博士課程を中退しなければならなかったからだ。大いに悩んだ。中退したら戻れない。でも大したことじゃないと思うことにした。失業するのとは違う。Googleがうまくいかなくても上々の暮らしは送れるはずだ。

Googleではイノベーションとリスクを強く奨励している。でも、それはなかなか自然には起こらない。特に会社の中では。そこで従業員全員に20%の時間を与えている。その時間は何でも一番やりたいことを自由にやるのだ。その中からイノベーションが生まれている。GmailもGoogle Mapsもそうやって生まれた。

そして、チームの規模を非常に小さくしている。最初は1人だけのこともある。ほとんどのチームは2・3人だ。一旦軌道に乗ると、沢山の人がかかわり始める。イノベーションは小さなグループから起こるものだ。

また、我々は70-20-10と呼ばれる基準を使っている。会社の70%は主な収入源、つまり検索と広告に焦点を当てる、20%はそれに関連することがら、そして10%はその他である。


君たちは、ビジネスの分野に興味を持って多くの本を読む必要がある。私は本棚1つ分のビジネス書を読んだ。そして私にはそれが必要だった。多くの驚くべきビジネス上の洞察が、別のビジネス分野の人によってもたらされている。

その例の1つがバンク・オブ・アメリカの創業者A. P. Gianniniだ。Gianniniは別のビジネス分野で成功していて、ある銀行の社外取締役になった。そして取締役会の方針に怒りを覚えて、ある日取締役の会議から飛び出して自分の銀行を作ってしまった。怒りにまかせてのことである。Gianniniは貧しい人にお金を貸すべきだと考えた。そしてそれはうまく行った。その新しい銀行はサンフランシスコが地震のあといち早く復興する大きな助けになった。


私からのアドバイスはこうだ。自信を持て。頻繁に失敗しろ。不可能に対して健全な疑念を持て。君たちにはエンジニアリング、テクノロジー、ビジネスの能力を活用して世界を変える大いなるチャンスがある。重要なことをしろ。楽しめ。さもなければ成功は望めない。旅をしろ。中国・アフリカ・インドがお薦めだ。そこには驚くべきことが沢山ある。


最後に。今や君たちはミシガン大学卒のエンジニアだ。夢を実現することで世界を救って欲しい。

nakanakanakanaka 2005/11/07 07:05 なるほど。いい話ですね。
「エンジニアリングの会社であって欲しい。ビジネスや販売の会社であって欲しくはない」こういう方針の会社はなかなかないですよね。

himazubloghimazublog 2005/11/08 12:36 そう思います。そしてやっぱりGoogleはただならぬ会社なのだと思いました。

hamastahamasta 2005/11/12 22:49 日本がソフト産業でボロ負けしている理由がとてもよくわかりますた。

HiroHiro 2013/03/10 21:11 https://www.facebook.com/OopsStudy/posts/595940040434774 に転載されてますが、このブログへのリンクもなく、承諾があったのか気になります。

himazubloghimazublog 2013/03/11 06:09 ご報告ありがとうございます。コメントで無断転載を指摘しておきます。

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