ニューヨークタイムズによるGoogleの広告手法の解説

10月30日のニューヨークタイムズに「Google Wants to Dominate Madison Avenue, Too」と題するGoogleの広告手法の解説記事があった。Googleの広告のこれまでの歩みを解説していてとても面白かった。現在同記事はInternational Herald Tribuneのウェブサイトで同名の記事として公開されていて、表題のリンク先で読める。Webサイト上で全10ページのうちの最初4ページ半の概要は以下の通り。



検索結果と共に表示される広告は単純に選ばれているわけではなく、様々な要素を加味して選ばれており、その結果、広告がクリックされる割合がYahoo!に比べて50%から100%高いと見積もられている。
検索技術から収入を得る方法については、Netscapeから転職した社員が1999年に検討を開始し2000年から検索結果ページの最初に数行の広告を表示するようになった。そして後にページの右側に表示するように変更された。
Goto.comから転職した社員の提案により2002年から広告の料金設定にオークションが使われるようになった。Goto.comはOvertureと名前を変え、更にYahoo!に買収された会社である。
更に同社員はGoto.comのように単純にクリック単価の高い順に広告を表示するのではなく、広告収入の高い順に表示するようにした。クリック数が表示順位に反映されるようにしたのである。この結果広告収入は増え、また、検索結果と関連がより高い広告が最初に表示されるようになった。
続いて同社員は広告料金のオークションにVickreyオークションと呼ばれるものを導入した。最高値を付けた人が、2番目の値段を付けた人より1セントだけ多く払うことにしたのである。他の入札者より極端に高い値段で入札してもそのままの料金を払わされるのではないため、これは高値での入札を促す。
オークションに完全に移行することにCEOは懐疑的だったが、ほどなく広告収入は10倍になった。
Googleの強みは多数の小規模な広告主を持っていることである。Yahoo!の2倍から3倍の広告主が付いていると見積もられている。この結果、他の検索サイトでは広告が付いていない、あまり使われない言葉にも広告が付いている。*1
Googleの最大の広告主はeBayである*2。eBayは扱っている商品を表すほとんどすべて言葉についてずっとGoogleに広告を出している。

本エントリの経緯

上記の内容はもともとは「Googleによる検索と広告への飽くなき挑戦」と題する11月4日のエントリの後半部分だったのだが、この内容をより見つけやすくするために独立させることとした。その11月4日のエントリは現在は「Googleのサーゲイ・ブリンへのインタビュー」という表題になっている。

*1:これはロングテールの1つだと言われている。

*2:多数の小規模小売業者がeBayを販売チャネルとして使っている。