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2006-05-30

脳の成長過程

  • 新生児は脳に1000億の神経細胞を持つが、神経細胞間の接続はまだ少なく、ミエリン鞘を持つものも少ない。ミエリン鞘を持つ神経細胞は信号をより早く伝え、効率よく情報処理をおこなえる。
  • 10歳までに何兆もの新たな接続が形成される。小さい頃の経験は発達や学習の基礎となるだけでなく、脳の配線に直接影響を与える。そして、その配線は感覚、言語、思考に深く影響を与える。経験は子供の発達に影響を与えるだけでなく、脳の形成の仕上げをおこなう。
  • 脳の形成の約4分の3は出生後におこなわれ、環境と経験に呼応している。持って生まれたものと、環境の両方が脳を形作る。
  • 出生後1年間は特に脳の発達が顕著である。画像診断によれば生後12ヶ月までに健康な青年の脳と似たものになる。
  • 3歳までに約1000兆の接続を持つようになる。これは大人の約2倍である。
  • 3歳から10歳までは社会的、知的、感情的、肉体的に急速に発達する時期である。この時期の脳の活動は大人の2倍以上である。神経細胞間の新たな接続は生涯形成され続けるが、脳がこの時期ほど、新たな技能を身につけたり、逆境に対応する能力を持つことはない。
  • 11歳になると脳の不要な接続が急速に取り除かれ始める。残った神経回路は特化され効率的になっている。脳は「使わなければ衰える」の典型例である。小さい頃に繰り返し使われた接続は残り、使われなかったものは取り除かれる。
  • 脳の前部3分の1にあたる前頭前野は思春期の後半から20歳代中盤まで発達し続ける。18歳は大人とも考えられるが、脳は完成とは程遠い。前頭前野のミエリン形成は25・6歳まで続き、司令塔であるその部分をより高度で効率的にする。

先日、このブログにダニエル・エーメン氏(Daniel Amen)の講演を基に脳の三次元画像の精神科医療への応用と題する記事を書いた。上記は、そのエーメン氏の著作「Making a Good Brain Great」の一節である。この本は一般向けに平易に書かれていて読みやすい。大人向けのものとしては英語の新聞や雑誌、小説よりずっと読みやすいので、興味のある方は読んでみてはどうだろうか。

2009-10-17追記

私は原書のハードカバーで読んだが今はペーパーバック版が出ている。

原書のペーパーバック版と同時に日本語版も出ている。

元気な脳をとりもどす

元気な脳をとりもどす

最初にこのエントリーを書いた時点では、この本は読む価値があるものと思ったが、今は価値がないとは言えないが、あまりお勧めしない。

上記の脳の成長に関する記述は脳科学の世界で広く受け入れられているのだと思うが、エーメン氏の脳画像診断は現時点で他の脳学者科学者に受け入れられていない。氏はこの本の他何冊もベストセラーを出しているが、それらの本の内容には脳科学者に受け入れられていない内容も多く含まれると思われる。

2006-05-28

CygwinのOpenSSHの使い方の解説

Windows上で安価に安全に遠隔接続をおこないたい場合にCygwin上でOpenSSHを使うことが考えられる。そのためのもろもろの設定と使い方の例を書いて、ここに載せた。

ちなみにこれはUNIXマガジン2004年8月号に吉田昌英のペンネームで書いた記事を再構成したものである。

2006-05-26

メールの表示順序を新しいものからにした

メールを使い始めてから20年以上、メールは古いものから順に表示し、古いものから順に読んでいた。それが自然だと思っていた。

会社のメールアドレスには毎日数百通のメールが来る。大量のメールをいかに効率良く処理するかは切実な問題である。あるメールに返事を書いてから、そのメールに対する修正やフォローがあることに気付き、書いた返事がちょっと外したことになることが間々あった。しかし、すぐに返事を書かないと書き忘れてしまうかも知れず、ある程度はしかたがないとあきらめていた。

最近、ずっと続けてきた古いものから順に表示するというやりかたを、新しいものから順に表示するように変更した。これで上記のような外した返事を書くことが防げる。そして、メールを処理する効率が多少上がったように思う。

この様に表示順を変えたことには、メールの引用のやり方が変化したことが関係している。以前は、引用は最低限にすることが推奨され、多くの人はそうしていたと思う。しかし、今はメールに返事を書くときに全体を引用することが普通になった。なので、ある話題に関する一連のメールについて、最新のメールを読めば、過去の分も全体が引用されていることが多い。Outlookの挙動はこういった使い方を想定しているように思える。

2006-05-24

ブログのいろいろな使い方

私のブログの使い方を紹介してみよう。頻度の多寡はあるが更新を続けているブログを私は6つ持っている。その内訳は:

  • 一般公開ブログ4つ。このブログの他に3つあり、それらはこのブログのページの左側にリンクがある
    • 自分の公式ブログ(このブログ)
    • 単なる思いつきや、ニッチな内容等、公式ブログに載せるほどの内容でないものを載せるメモブログ(himazu memo 2.0)。ブログに関する実験をすることもある。
    • 主に英語の単語をメモしておく単語帳ブログ(himazu words)
    • 英語で書くのが適切な記事を書いている英語ブログ(himazu on Japan and Japanese)
  • 自分だけしか見られないようにしている、プライベートブログ
  • 会社内で使っているイントラネットブログ

一般公開のブログを4つ持っている理由は以下のとおりである。

  • 内容別にブログがあったほうが、読み手にとって便利だろうと考えた。使っているブログではどれも、カテゴリごとのRSS配信を作ることはできないことも関係している。
    • 英単語のメモは最初はメモブログに書いていたが、他のメモと性格が違うので、別のブログにした。
    • 英語の記事が日本語の記事*1に混じっているのは、日本語を読めない人にはいやだろうと思い、英語ブログを作った。
  • 技術的な興味から、メインで使っているはてなダイアリー以外にBloggerも使ってみたかった。

プライベートブログを作ったのは、日々起こる雑多なことで公開するのに適さないことを書いておく場所が欲しかったからである。ブログならインターネットに繋がっていれば場所を問わず読み書きできて嬉しい。またブログ内の文字列検索や、カテゴリー分け、書いた時期、などを基に以前書いた内容を比較的簡単に探し出せる。最近、勉強をすることがあるのだが、勉強の際に紙にノートを取る代わりに、プライベートブログに書き込んでいる。

イントラネットブログは、主に自分のメモとして、作業の経過や、イントラネットのブックマーク、仕事上で思いついたことなどを書いている。必要に応じて記事のURLを社内の人に知らせる。

*1:ブログのエントリのこと

2006-05-20

アメリカでフィットやヴィッツが売れ始め、より小型な車への模索も

アメリカでコンパクト・カーと言えば、カローラやシビックのサイズの車を指し、それより小型の車、ホンダのフィット、トヨタのヴィッツ(日本国外ではYarisという名前)、ミニクーパーなどはほとんど見かけなかった。しかし、昨今の石油高や環境への配慮の動きから、日本やヨーロッパで言うコンパクト・カーがアメリカでもマーケティングされるようになり、売れ始めている。そして、それらよりずっと小型な車がマサシューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボやベンチャー企業から提案されている。

On Pointというラジオ番組2006年5月17日に放送されたTiny Carsという回はそんな内容だった。番組のその回のウェブページで番組のストリーミングを聞けるほか、ここでMP3のファイルがダウンロードできる。番組のウェブサイトには番組中で取り上げられた車の画像ギャラリーも掲載されている。

印象に残ったのは以下の点である。

  • 出演者の自動車評論家はホンダのフィットを高く評価していた。そしてトヨタのヴィッツは一段落ちるという評価を下していた。*1
  • 番組が取り上げているような車は通勤や買い物向けが主で、長距離ドライブをしようとする人はやはり稀なようだ。
  • MITのメディアラボは折りたたんで横に並べることができる(stackable)な電気駆動のコンセプトカーの研究を進めている。プロジェクトの公式ページはここで、私が最もインパクトがあると思ったイメージは上記の画像ギャラリー中のこれである。
  • Commuter Carsという会社がタンゴ(Tango)という名前の超小型車を発表している。これは通常の車の半分の幅で、座席が前後に2つ並んでいる。道路の1車線に2台並んで走ることができる。幅は狭いが重心が低く通常の小型車と同程度の重さがあるので高速走行も可能である。*2

*1:基本品質にはそれほど差はないと思うので、ブランドイメージ作りを含めたマーケティングについてホンダのほうがうまくやっているということなのではないかと私は思う。

*2:会社のウェブサイトを見たところ、タンゴは試作段階で、予約を募っている。販売は2・3年あるいはそれ以降になりそうだ。

2006-05-17

Frankenfeedを使ってみる

mixiに日記として、himazu memo 2.0を登録していたのだが、このブログの記事も併せてそこに載せられたらいいのにと思っていた。

ふと、少し前にポッドキャストInside the NetBig in JapanというWeb 2.0な会社(日本とは関係ない)を紹介していたことを思い出した。その会社のサービスにFrankenfeedというのがあった。これは複数のRSS配信を合わせて1つのRSS配信にしてくれるサービスである。

無料のサービスなので、2つのブログのRSS配信を合わせたRSS配信を登録してみた。登録した直後は1つのブログの分しか現われなかったが、今見たら、ちゃんと2つを合わせた配信になっている。

2006-05-19追記

Frankenfeedはアルファ版であることもあって、動作が若干変な気がする。詳しく調べていないが。新しい配信を定義した直後は想定したものが出力されない。そして、その出力はmixiが想定している形式とは違うようで、その配信の最初に現われる記事しかmixi上には表示されない。しかたがないので、元通りhimazu memo 2.0のAtom配信をmixiに登録するように戻した。

2006-05-16

医食同源の科学的検証

食生活を改善することで、病気を避けることはもとより、病気の進行を食い止め、更に病気を治すこともできる。コーネル大学教授で菜食主義者で、米国政府の栄養政策にも長年関わっているのコリン・キャンベルがその科学的根拠を講演で述べている。IT Conversationsでその講演が配信されており、ここで聞ける。講演最後で述べている中国での調査についてはキャンベルがこのページで紹介している。

酪農家の家で育ったキャンベルは動物性タンパク質が最も優れた栄養素だと考え、最初は牛の効率的な肥育方法を研究していた。しかし研究を続けるうちに植物主体の食生活により健康が維持・増進されることが科学的に検証でき、現在では菜食主義者となっている。講演の中で印象に残った点は以下の通りである。

  • 以下の食生活を推奨する。これは子供を含めて年齢を問わず適用でき、一流スポーツ選手の体を支えることもできる。
    • 様々な野菜・果物・穀物の全体を摂取する。穀物の場合は白米や精白小麦ではなく、玄米、全粒粉である。
    • 加工食品や動物性食品、特に乳製品を避ける。
    • 脂肪・油・砂糖・塩・精白小麦粉が加わった食品を避ける。
    • 水を飲む。
    • 特定の物質が含まれているか否かといった細かい点を気にするのを止める。
  • 栄養について、細かな成分に分けて、特定の物質の効能や害を考える還元主義(reductionism)が蔓延しているが、それは間違っている。食物全体・食生活全体を考えるべきである。
  • 害を及ぼす遺伝子の働きを食生活によって抑えることができる。害を及ぼす遺伝子があっても、それが働かなければ問題はない。
  • フィリピンで子供の栄養状態改善の国家プロジェクトに関わった際に、動物性タンパク質を多く摂取した子供にガンの発症が多く見られた。
  • ラットによる動物実験で、発ガン物質によって肝臓ガンを起こし、腫瘍の成長と餌の内容との関係を調べた。通常の餌であるカロリーの20%がタンパク質の場合、腫瘍の拡大が見られた。一方、タンパク質の割合を10%以下にしたところ、腫瘍の拡大速度が遅くなった。別の実験で通常の餌を与え続けた場合と低タンパクの餌を与え続けた場合で生涯の健康状態の比較をしたところ、低タンパクの餌のラットのほうが健康状態が目立ってよく、ガンの発症もなかった。
  • あとで気がついたのだが、上記の実験で与えられたタンパク質はカゼイン(casein)だった。牛乳のタンパク質の87%はカゼインである。カゼインを大豆のタンパク質や小麦のタンパク質で置き換えたところ、カゼインを減らした場合と同様の効果があった。
  • タンパク質は重要だが、カロリーの10%をタンパク質で摂取すれば十分である。これはラットでも人間でも同じで、1940年代に確立されている。
  • 中国では地域によってガンの種類や発症の割合が大きく異なる。中国本土と台湾の170の地域の食生活とガンなどの病気の発症との関係を調べる調査をおこなった。動物性の食品の摂取とそれらの病気の発症には相関が見られた。動物性食品をほとんど摂らない地域ではそれらの病気が非常に少なかった。
  • 研究の結果、栄養補助食品にはどれも効果がないことが分かっている。

2006-05-23追記

言うまでもないかも知れないが、栄養補助食品に効果がないというのは栄養学者の共通認識にはなっていない。むしろ、多くの栄養学者はビタミン剤の服用を推奨しているように思える。5月18日に、NPRのMorning Editionで放送された「Tailored Vitamins Better than Multivitamins」と題する部分では、以下のように述べていた。

米国国立衛生研究所(NIH)に今週はじめに集まった栄養の専門家は、総合ビタミン剤を毎日服用することが慢性病の発生を押さえるとする科学的根拠は乏しいという点では一致した。どのようなビタミン剤を組み合わせて服用すべきかは専門家によって意見が分かれている。

2006-05-14

脳の三次元画像の精神科医療への応用

精神病患者は脳に目に見える形で変化をきたしていることがある。画像診断をおこなうことでより適切な治療が可能となる。SPECT (Single Photon Emission Computer Tomography) 技術による脳の三次元画像が一般化すれば精神科医療に大きな変革が訪れる。IT Conversationで配信されているSPECT and the Future of Mental Healthと題する講演の中でダニエル・エーメン氏(Daniel Amen)はそのように述べている。

  • 長年夫婦カウンセリングを受けていて改善されなかった夫婦のSPECT画像を見たところ、夫に薬物による脳の障害が見受けられた。夫に聞いても妻に聞いても夫は薬物乱用はしていないという。夫の仕事は家具の仕上げだった。そこで有機溶剤を長年吸っていたのである。夫婦仲が悪くなったのは夫がその仕事に就いて1年ほど経ってからだった。
  • 注意欠陥障害(ADD: Attension Deficit Disorder)の治療を受けていたが改善されない患者のSPECT画像を見たところ小脳(cerebellum)にメロン大の腫瘍が見つかった。腫瘍に有効な治療を施したところ症状は改善され、画像で見ても脳の状態は大きく改善された。
  • 脳の成長は25歳まで続く。神経線維はミエリン鞘を持つことで信号の伝達が早くなるが、前頭葉のミエリン形成(myelinazationと講演中では言っているが、通常はmyelinationと言うようだ)は25歳まで続くのである。保険会社はそのことをずっと以前から知っており、25歳から保険料が安くなる。
  • アルツハイマー病は症状が表れる9年前から画像診断で兆候を見ることができる。早期に兆候を見つけて治療を施すことで大きな効果が期待できる。
  • 脳は豆腐のようなやわらかさで、それが頭蓋骨という硬い殻に覆われているので、怪我で脳が傷つくことは稀ではない。子供にサッカーのヘディングや、フットボールは問題である。
  • 子供は、フットボールで3.5ゲームに1回の割合で脳震盪(concussion)を起こしている。1ゲーム中に30回頭を打ち、中には交通事故並みの衝撃を受けていることもある。
  • 多くの場合、患者は頭部に衝撃を受けたことを忘れている。脳に損傷が見られるトゥーレット症候群(Tourette syndrome)の患者に、損傷を受けるようなことをしていないか聞いても、そういうことはないという。スポーツをしていないか、交通事故に遭っていないか、など何度も繰り返し聞いたところ、やっと、オートバイ事故のことを思い出したことがあった。
  • 講演者の病院では、SPECT画像撮影には1000ドルかかる。画像をもとに診断を行うと合計で3200ドルかかる。

2009-10-17追記

脳の成長過程の追記でも書いた通り、エーメン氏の脳の画像診断は他の脳科学者に受け入れられていないことを指摘しておく。

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