火星に取り残されて
The Martian: A Novel (English Edition)
- 作者: Andy Weir
- 出版社/メーカー: Broadway Books
- 発売日: 2014/02/11
- メディア: Kindle版
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この本は、出版社に原稿を持ち込んだけど相手にしてもらえなかったので自分のウェブサイトで無料で公開したら評判になって、出版社から声がかかり売り出されたものです。無料版がないか少し探しましたが見つからないのでKindle版を買いました。ウィキペディアの記事によれば、20世紀フォックスが映画化の権利を買っているとのこと。
私にとっては楽しい小説でした。科学的・技術的な考証がちゃんとなされている印象です。映画が公開されたら見に行きたいと思います。映画よりテレビシリーズのほうが見てみたい気がしますが。
私は英語の本はノンフィクションばかり読んでまして、長編小説を読むのは初めてなのですが、読み易い本だったと思います。
コンテナによる輸送革命
The Box: How the Shipping Container Made the World Smaller and the World Economy Bigger
- 作者: Marc Levinson
- 出版社/メーカー: Princeton University Press
- 発売日: 2010/05/20
- メディア: Kindle版
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- ここで言うコンテナとは、幅・高さ8フィート以上、長さ20フィート以上で、船・トレーラー・専用の貨車に乗せて運ばれるものを指している。配送元で荷物が積み込まれたコンテナは、基本的に最終目的地までまで開けられることはなく、その間、例えばトレーラー・船・トレーラーと積み替えられて運ばれる。
- コンテナ以前は箱詰めされた荷物を積み込んだり、運び出したりの労働集約的作業が必要で、それは船での輸送で顕著であった。そして、しばしば荷物が目的地に着くまでに何回か積み替え作業が発生した。更に積み降ろし作業の過程での盗難・破損も多かった。
- 1956年にアメリカ東海岸の国内運送でコンテナ船とコンテナ用トレーラーが使われはじめ、徐々に他の船会社、道路運送会社、国際航路、各国の鉄道へと広がっていった。しかし、その道のりは平坦ではなく、港湾労働者のストライキ、港を管理する自治体の無理解、鉄道会社の無関心を乗り越え、コンテナの国際規格の策定、従来の港湾都市の没落・新たな港湾都市の台頭、海上運送会社の倒産・世界規模での再編を経て、開始から40年ほどをかけて、現在のような姿になった。
- コンテナにより輸送コスト、特に長距離の輸送コストが劇的に下がった。その結果、付加価値の低い種類の工場生産は、労働力などが安い地域・国へと移動した。また、世界中のいろいろな場所で生産された部品や中間製品を労働力の安価な最終組み立て地に集めて最終製品にし、それを世界中に売る、という国際分業が可能になった。
少し気になった点として、誤植というか電子化の際の誤りがある。例えば「ペーパバック版への序」に「con tainers」「be cause」「re counted」といった部分があった。読む上で大きな障害にはならないが、あれ、と思わされる。Kindleで英語の本を何冊か読んでいるが、このようなことはなかった。
Googleのサービスで同窓会の準備とフォロー
1979年3月に地方都市の公立中学校を卒業してもうすぐ35年。初めて学年全体267人を対象とする同窓会を開催することになった。その準備(20名の幹事が幹事会を構成し、幹事会が同窓生名簿の整備をし、同窓会開催を通知し、出欠をとる)とフォロー(主に写真の共有)を今風にやろうと思い、考え・若干試行錯誤した結果を書いておく。これは、1回の同窓会のためではなく、何回もの同窓会で継続して使うことを意図している。
以下のサービスを使うことにした。
- Google Groups
- Google Drive(スプレッドシート、ドキュメント)
- Google+ (コミュニティー機能)
Googleありきで考えたわけではないのだが、自分の知識と同窓生の状況からこうなった。例えば多くの同窓生がFacebookを使っていたり、自分がFacebookに詳しかったらFacebookを中心に据えたかも知れない。
具体的には各サービスを以下のように使う。
- 幹事会のGoogle Groupを作り、幹事全員への連絡は、そのグループへメールを送ることで行なう。
- 同窓生名簿はGoogle Drive上の1つのスプレッドシートとし、それを幹事で手分けして埋めていく。
- 幹事会で話し合った内容や決定事項はGoogle Drive上のドキュメントとして保存する。
- それらスプレッドシートやドキュメントを入れる場所として幹事会フォルダーを作り、それを幹事会グループのメンバーだけが見えるようにする。
- Google+で非公開招待制の同窓生コミュニティーを作り、そこで同窓会の写真を共有する。
Google Driveの共有フォルダーの落とし穴
新たなメンバーを幹事会Google Groupに加えたあとで http://drive.google.com を見てもらっても、幹事会フォルダーが見えない。幹事会フォルダーのURLを新たなメンバーにメールで送り、そのURLを新たなメンバーが開き、「フォルダーに追加する」をクリックと、「マイフォルダー」に現れる。
Internet Explorerの呪縛
同窓生名簿を手分けしてで埋めていくには幹事が各自Googleスプレッドシートを操作することになる。ところでGoogleスプレッドシートは主要ウェブブラウザーの最新版とその一世代前でのみ動作を保証されている。執筆時点でInternet Explorer(IE)の最新版は11で、それと一世代前の10しかサポート対象ではない。Windows XPではIE8までしか使えないので、XPを使っている人にはGoogle Chromeをインストールして使ってもらうことになる。FirefoxやSafariも使えるがChromeが無難であろう。IE11やIE10がサポートされている版のWindowsでも何らかの事情でより古い版が入っていることがあり、そういう場合もChromeをインストールしてもらうことになる。
Google+のコミュニティーの落とし穴
少なくとも非公開招待制コミュニティーの場合、コミュニティーへの招待を送っても送られた側には招待が見えない。招待が見えるためには、招待主が自分のサークルのどれかに入っている必要がある。招待が送られた後で招待主をサークリに入れてもよい。招待を受諾すればそのコミュニティーが見えるようになる。
連絡先集めはメールで
メールアドレスは間違い易い。一方でメールは連絡の要になる。メールアドレスを間違いなく知るためには、短く間違えにくいアドレスを持つ幹事にメールを送ってもらうのが確実である。携帯番号や住所もメールで送ってもらえば、手入力による間違いも避けられる。
取得したメールアドレスはすぐにGoogle Groupに登録
Google Groupsの「直接登録」の機能は、1度に10アドレスまでしか登録できないが、メールアドレスが分かるたびに登録を行なっていればそれほど困らない。取得したメールアドレスが間違っている場合は、Google Groupsからの登録通知が不達になり、それがGoogle Groups上で分かるので、メールアドレス確認作業が若干楽にできる。
ただし、Google Groupsから送信される以下の登録通知には注意が必要である。
From: "自分のGoogle IDの@の前 (Google Groups)"
To: 登録されたメールアドレス
Subject: Google Groups: You've been added to グループ名
Reply-To: 自分のGoogle ID
登録時に入力したメッセージ
About this group:
グループの説明
The owner of the group has set your subscription type as "Email", meaning that you'll receive a copy of every message posted to the group as they are posted.
グループのページへのリンク
私はいろいろな設定を英語にしているためか、当該Google Groupの言語を日本語にしても、登録通知は英語になっている。まあ、それはいい。問題はこのメールの最後にあるリンクで、そのリンクを開くことを勧めているようにも見える。そのリンクを開くとGoogle IDの入力を求められ、Google IDを持たない人が意図せずに新たな @gmail.com のメールアドレスを取得し、そのアドレスで当該のグループへの参加を申し込む形になることが起こる。そういう誤解を減らすために、登録時に入力するメッセージでメールの最後のリンクを開く必要がないことを言及することが必要だろう。
Google Groupに登録できないメールアドレス
Google Groupには、@の直前が.のメールアドレスは登録できない。少なくともグループの管理者が「直接グループに登録」することはできない。そういう人に対してはGoogle Groupを経由せず直接メールを送るしかない。
プレ同窓会の効用
卒業後長期間経ってから大人数の同窓生の連絡先を調べるのはかなりの作業量になる。そこで、簡単に集まれる範囲でプレ同窓会を行い、その参加者から幹事を募るのは有効だと感じた。プレ同窓会で幹事会活動に勢いが付いたと私は思う。更に、プレ同窓会の写真をGoogle+で共有することは、本番同窓会での写真共有に向けての良い準備になる。
実験用ID
自分の本来のIDとは別に実験用IDを取得しておくとサービスについて調べるのに便利である。また、他の幹事から報告された状況を再現するためにも実験用IDは必要である。
Google+のアルバムをGoogle Groupで共有するのではだめか
最初はGoogle+でアルバムを作って、それを同窓生のGoogle Groupで共有すればいいのではないかと思った。それも一応可能だが、アルバムが加わるごとにアルバムのURLを知らせる必要がある。そのためにアルバムのURLが列挙してある同窓生だけが見える場所を用意しなければならない。Google Sitesでそれは可能だが、スマートとは言えない。Google+の非公開招待制コミュニティーなら同窓生だけでの写真の共有を自然に実現できる。ただし、同窓生Google+コミュニティーと同窓生Google Groupの両方を管理しなければならない。
写真共有に関してGoogle+がFacebookに勝ると思われる点
2014年1月の時点では、Facebookには1辺2000画素(2048かも)を超える写真は置けないようだ。置こうとすると縮小される。それに対してGoogle+はデフォルトではFacebook同様縮小されるが、設定をすればそのまま置ける。ただし、1辺2000画素以下の写真は自分の記憶容量割当を消費しないのに対して、2000画素を超える写真は消費する。
アルバム全体のダウンロードはGoogle+でもFacebookでも可能だが、Google+は極自然にできるのに対して、Facebookではその操作が若干煩雑な気がする。これは私がFacebookに詳しくないことにも起因しているが、私のGoogle+の知識はたぶんFacebookの知識より更に少ないとも思う。
ダビデとゴリアテ
David and Goliath: Underdogs, Misfits and the Art of Battling Giants (English Edition)
- 作者: Malcolm Gladwell
- 出版社/メーカー: Penguin
- 発売日: 2013/10/03
- メディア: Kindle版
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導入の章は、聖書にあるダビデとゴリアテの物語の紹介と解説である。その物語では、大男の兵士ゴリアテを羊飼いの少年ダビデが倒す。その時代の武器に投石器があり、それは元々 羊飼いが羊の群れを誘導したり害獣を追い払うのに使う道具で、羊飼いのダビデその名手であった。一方、ゴリアテは視覚に障害があって投石器に狙われている状況をすぐには把握できず、その上 重い鎧を身に付けていて身軽には動けず、投石器の名手との戦いで負けるのは必然だった。
続く各章では、一見有利な状況が実は有利ではない事例や、不利な状況が有利な状況を生み出す事例、絶対的とも言える強さを持つ側が弱い側に勝てない事例などが紹介される。たとえば読書障害(dyslexia)を押して法律を学ぶことを通じて、非常に優秀な弁護士になった事例が紹介されている。もちろん、読書障害が必ず優秀な人を生み出すはずはなく、受刑者の中で読書障害を持つ人の割合は一般よりもずっと高い。一方で、成功した起業家の中で読書障害を持つ人の割合は一般よりもずっと高い。
ということで、この本は、自分が不利な状況にあるとき、これを乗り越えることで、自分の強みが生まれるかも、と思わせてくれる。そのように力付けてくれる。そして、圧倒的に有利な状況にあるときでも、油断しないように注意を喚起してもくれる。
iTunesとiOS 7でのポッドキャストの設定
iTunesを更新して、iOS 7にしてからポッドキャストが不調だった。やっとちゃんとしたっぽいので、その覚書。
- ダウンロードはiTunesで行い、それをiOS機器に同期する。そうしないと3G/4Gのデータ通信を無駄遣いしてしまうかも知れないから。
- 再生したポッドキャストの回は自動削除。ためておくときりがないと思うから。
- 各ポッドキャストともにsubscriptionはoffにする。keepするのはall unplayed。auto-downloadsはoff
Windows版のiTunes 11.1.1はScience FridayやOn the Mediaなど一部のポッドキャストで再生済みにしても全エピソード、ダウンロードされ続ける問題があったが、11.1.2で解消された。
量子論はいかに生み出されたか
Quantum: Einstein, Bohr and the Great Debate About the Nature of Reality (English Edition)
- 作者: Manjit Kumar
- 出版社/メーカー: Icon Books Ltd
- 発売日: 2008/10/02
- メディア: Kindle版
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私には、19世紀終わりから20世紀初頭にかけて、量子論が誕生し確立して行く過程が、プランク、ボーア、アインシュタイン、パウリ、ド=ブロイ、ハイゼンベルク、シュレディンガーなど高校の物理の教科書にも出てくる物理学者たちの経歴や活動を通じて、2度の世界大戦やナチスの台頭などの社会情勢とともに描かれているのが興味深かった。少なくとも高校の物理ではそれらの人々の研究の結果を学ぶだけで、理論が生まれる過程は学ばないから。
予知や予測の科学ーー選挙、プロスポーツ、経済、ギャンブル、天気、気候、地震、テロ活動などの
The Signal and the Noise: Why So Many Predictions Fail-but Some Don't
- 作者: Nate Silver
- 出版社/メーカー: Penguin Press
- 発売日: 2012/09/27
- メディア: ハードカバー
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地震に関する章で、地震の規模と頻度について触れている。小さな地震の頻度が高く、大きな地震の頻度は低いのは常識だが、頻度と規模の間には法則がある。ある地域で起こる地震のマグニチュードと頻度を横軸縦軸とも対数のグラフにプロットすると直線状に並ぶのだ。そのグラフから考えると、これまでマグニチュード9の地震が起こった記録がない地域でも、それが起こる頻度を推定できる。そして、地震について分かるのはどの地域ではどの規模の地震がどれくらいの頻度で起こるかだけで、いつ起こるかは予測できたためしがないことを、実例を挙げて述べている。
テロ活動に関する説明では、テロ事件の規模と頻度に地震と同様の傾向を見出している。NATO加盟国で起こった各テロ事件ごとの犠牲者の数と、その規模のテロ事件の起こる頻度とを、両対数のグラフにプロットすると、直線状に並ぶ。
本全体を通してベイズ理論(新たな事実・観測により予測とか確率を変更していく)が底流にある。そして、筆者の統計学の素養も。それらの基本は常識として身に付けなければなあと思わされた。