フェイヴァリットリスト(海外小説編)
K:カイエ姫たまからフェイヴァリットリスト海外小説編を頂きました。以下に紹介を。なお、コメントはカイエ姫たまから頂いたものを掲載いたします。
- 『城』フランツ・カフカ
- 作者: フランツ・カフカ,Franz Kafka,前田敬作
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1971/05/04
- メディア: 文庫
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- 僕のリストアップ作品中、いわゆる「古典名作文学」に相当するのが本作と『八月の光』かな?Kは「永遠の到着者」なのです。池内紀氏による新訳版の『城』(ISBN:4560047030)が読みたくて仕方ありません。
- 『白の闇』ジョゼ・サラマーゴ
- 作者: ジョゼサラマーゴ,Jos´e Saramago,雨沢泰
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2001/02
- メディア: 単行本
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- 極限状況下、剥き出しになる本性。
- 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,入江真佐子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
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- イシグロによる「探偵小説」。闇のそのさらなる最深部へと分け入っていく道程に圧倒されました。イシグロが以前、探偵小説の構造について「謎がひとつ解けたときに世界の緊張も同時に緩和される」(曖昧)みたいなことを述べていたんだけど、本作では「謎」が解明されても、混沌と闇は深化するばかりです。
- 作者: フォークナー,加島祥造
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1967/09/01
- メディア: 文庫
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- 出ました、フォークナーです(笑)。フォークナーの名言に「矛盾は辺境に集約される」というものがあるのね。アメリカにおいて「矛盾」が最も顕わに集約された「辺境」=「南部」を描き続けた作家です。一人の男が背負わされた、自らではどうすることもできない「血」という矛盾をあらゆる小説技法を駆使して抉出します。
- 『酔いどれ草の仲買人』ジョン・バース
- 『エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死』スティーヴン・ミルハウザー
- 作者: スティーヴンミルハウザー,Steven Millhauser,岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2003/08
- メディア: 単行本
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- 子どもの頃を思い出してみて。何があるわけでもないのに、「世界」に接するとき得体の知れない恐怖を覚えたよね。と同時に、根拠のない万能感もあって。恐怖と万能感ゆえの輝きに満ちた子どもの目にだけ映る世界を細緻・精密に描写していきます。この作家の描写力ってすごいよ。
- 『ビッグ・ノーウェア』ジェイムズ・エルロイ
- 作者: ジェイムズエルロイ,James Ellroy,二宮磬
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/11/10
- メディア: 文庫
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- 作者: ジェイムズエルロイ,James Ellroy,二宮磬
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/11/10
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- もはや現代ノワールの古典とも呼びうるエルロイの連作「暗黒LA四部作」。その第二作目。プロットの構築性、衝撃度、救いのなさなど四部作中、最高の完成度だと思います。コロ姫は、『ブラック・ダリア』(ISBN:4167254042)は既読なんだよね?このシリーズ、コンプしましょうね?(笑)
- 『偶然の音楽』ポール・オースター
- 作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
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- 愛する作家の一人、オースター。僕にとってのベストは、現在までのところこの作品かな。
- 「バートルビー」(短編)ハーマン・メルヴィル
- 作者: ハーマン・メルヴィル,坂下昇
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1979/12/17
- メディア: 文庫
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- 「足もとに流れる深い川」(短編/『ぼくが電話をかけている場所』所収)レイモンド・カーヴァー
- 作者: レイモンド・カーヴァー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1986/01
- メディア: 文庫
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*1:頂いたテキストを拝読いたしました。
メルヴィル自体が未読の作家さんなのですが、姫たまのおっしゃるように本当に素晴らしい文章ね。流れ込んでくるような日常の小さな不幸。それが人知れずひっそりと処理される場所。全文を読んでみたくなりました。
*2:『地球をしばらく止めてくれ ぼくはゆっくり映画を観たい』(ISBN:4041315190)収録、「幸福論のすりかえ」参照のこと。