天井


いつも窓の外を眺めていた老人は、ある時からもっぱら天井を凝視するようになった。空の色は、いつも何かの終わりを告げるようで、天井の白は何かの始まりを予感させたからだ。

枯葉

部屋に帰ってソファに腰をおろすと、髪にからみついていた枯葉がはらりと落ちるみたいにこんなことを思った。「あなたのことが大好き。ぜったいに何があっても。」