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ばらいろのウェブログ(その2) このページをアンテナに追加 RSSフィード

フツウを求めない、
ワタシの、ボクの、
バラ色の人生を創り出すために!

2011-11-23

【再掲】徳島大学で映画『あっそう』上映とトークの会

11/29に、徳島大学に行きます!

いつも「映画祭の作り方」の時にお話ししているような内容でお話する予定。

お近くの方はどうぞ。



『関西クイア映画祭とは何か。 字幕を入れるとはどういう作業か。』

映画上映付き)

日時:2011 年 11 月 29 日(火曜日) 10:25~11:55

場所 : 徳島大学常三島キャンパス全学共通教育棟4号館205号室(66人部屋)

講師:ひびのまこと氏

内容 : 毎年秋に行われる関西クイア映画祭について、映画祭の意図、目的、意義について解説し、映画祭の実務(どうやって映画を見つけてきて、選んで、上映するのか)をご説明いただきます。また字幕の付け方(技術講習編)も行います。

上映作品:『あっそう(I don't care who you are)』(10分) 監督=イノエウ イゾー、2010 年作品

インターセックスとトランスジェンダーの二人の恋愛ストーリー。

関連サイト

参加費 : 無料 (予約不要。飛び込み参加可。ただし、満席の場合、立ち見になります。)


連絡先:徳島大学樫田研究室


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チラシはこちらPDFです。246KB)

2011-08-27

関西クィア映画祭2011 前売券は9/11まで


性をテーマにした西日本最大の映画祭「関西クィア映画祭2011」まで、あと3週間に迫りました。

お得な前売券は9/11(日)までの発売ですので、お忘れなく!

お友達/お知り合い/ブログ/Twitter/各種MLなどで、映画祭のことを広めていただけると助かります。

プログラム公式パンフレットの配付にご協力頂ける場合は、ご連絡頂ければお送りします。

よろしくお願いします(^^)v


※ベルリンのイスラム教徒のコミュニティーにおける中絶やゲイをテーマにした『シャハーダ わたしの祈り』や、両親が移民で家庭の中で使う言語も複数ある状況でのゲイの家族ドラマ『サーシャ』など、性/セクシュアリティーと、民族/文化との交差するところをテーマにした映画も上映します。


ひびの まこと

関西クィア映画祭

http://kansai-qff.org/


※転送転載歓迎




扉を開けよう!関西クィア映画祭2011 今年もやるよ!


 世界中の様々な性と愛のあり方に出会える関西最大の映画祭「関西クィア映画祭2011」が、今年も大阪(9月)と京都(10月)で開催です。

 同性愛をテーマにした作品に留まらず、トランスジェンダーやバイセクシュアル、インターセックス(あるいは、性分化疾患)などを扱った映画を日本で最も多く上映してきた映画祭でもあります。

 6回目となる今年は【扉を開けよう】と銘打って、全29作品・全25プログラムを世界11カ国から用意しました。【無料プログラム】もあります!

 日本プレミア(日本初上映)となる作品も16作品。国内ではここでしか観ることができない貴重な作品も多数用意しています。この機会をお見逃しなく!


◆いつ?どこで?

【大阪】ヘップホール 9/17(土)18(日)19(月+休)

   http://www.hephall.com/

   梅田ど真ん中!直通エレベーターがあり、車椅子でのアクセスが可能

【京都】京大西部講堂 10/21(金)22(土)23(日)

   http://bit.ly/nL6c6y

   22日にはオールナイト上映もあるよ!

※今年は二ヶ月に渡っての開催です。


◆どんな作品があるの?

世界11ヶ国(日本・韓国・ドイツ・フランス・ノルウェー・アルゼンチン・スペイン・インド・カナダ・米国・英国)から全29作品・全25プログラム。

ここでは、多すぎて書ききれません!

ウェブサイト http://kansai-qff.org/ で見てください。

「関西クィア通信 特大号」として発行した公式プログラムもあります。

http://kansai-qff.org/2011/kqt


◆「無料上映プログラム」やります!

 「クィアって何?」「クィア映画って、見たことない!」という方にも、まずとりあえず一度クィア映画に触れて頂くために、「無料上映プログラム」を設けました。「まさかの0円」です。


◆チケットは?

【1回券】1プログラムに有効 前売 1,200円 当日 1,600円

【3回券】3プログラム分に有効 前売 3,300円 当日 4,000円

【一日パス】一日の全プログラムに有効 前売 3,300円 当日 4,000円

【関西フリーパス】全プログラムに有効(限定50枚)

         前売 10,000円 当日 12,000円

※【重要】販売期間限定です8月1日(月)〜9月11日(日)[大阪・京都全プログラム]と、9月20日(火)〜10月16日(日)[京都分のみ]の期間のみ、販売します。

※「障害者割引」「非課税割引」「被災者・避難者割引」があります。詳しくはウェブで。


◆どこで買えるの?

映画祭ウェブサイトで、PayPalのクレジットカード払いで購入できます。

イープラス http://eplus.jp/ またはファミリーマート店頭「Famiポート」で購入できます。「関西クィア映画祭」で検索!

◎ショップ

・ココルーム(大阪市西成区)

  TEL 06-6636-1612 http://www.cocoroom.org/

・コロリカフェ(京都市上京区)

  TEL 075-801-5634 http://www.coloricaffe.com/

・ルミエール京都店(京都市下京区)

  TEL 075-341-0213 http://lumiblog.blog89.fc2.com/

コンボイ京都店(京都市下京区)

  TEL 075-341-5081 http://convoy-kyoto.com/


◆「クィア」ってなんですか?

 ヘンタイに生きるー

 ひとりひとりが自分の性や生き方を選び決めていこうというありかたです。

 これまではレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー(LGBT)など、性の領域で「ふつう」ではないと考えられている人々への蔑称でした。これを逆手にとって使うことで、様々な少数派を肯定し、LGBTだけでなく「普通ではない」生き方をポジティブにとらえ直す意図があります。


◆「トランスジェンダー(TG)」ってなんですか?

 出生時に振り分けられた性別とは異なる性別で生きようとする人。性同一性障害の人も含む幅広い言葉。


◆参加資格ってあるの?ひとりでも大丈夫?

 私たちは、「異性愛者だけ」「シスジェンダーだけ」「ゲイだけ」「女子だけ」で集まるのではなく、また「日本人だけ」「健全者だけ」でもなく、様々な性や生き方をもった人たちが参加するミックスな映画祭を作りたいと思っています。ですので、参加資格はありません。また、一人で見に来られる方も、毎年たくさんおられます。


映画祭の当日スタッフをしたいんだけど、まだ間にあう?

 間に合います!9月3日(土)に京都で開催する「当日スタッフ説明会」に来て下さい! http://bit.ly/olu364

 関西クィア映画祭はオープンな実行委員会形式で運営され、すべての作業は無報酬のボランティアスタッフによって担われています。映画祭当日にスタッフとして一緒に映画祭を作り盛り上げる仲間も、募集中です!


映画祭の最新情報はどこで手に入る?

インターネット上の情報源はこちら。

・公式ウェブサイト http://kansai-qff.org/

ブログ映画祭の作り方」 http://blog.livedoor.jp/kansai_qff/

映画祭ニュース http://groups.yahoo.co.jp/group/kqffnews/

mixi http://mixi.jp/view_community.pl?id=562785

Twitter http://twitter.jp/kqff_official

Facebook http://on.fb.me/prmGtL


◆カンパのお願いm(__)m

映画祭は無報酬のボランティアで運営していますが、財政的にはとても厳しい状況にあります。

少額で構いませんので、カンパの形で映画祭をご支援頂けないでしょうか。

また前売券をご購入頂いて、お友達などにプレゼントして頂くことも、カンパのかわりになります。

◎三菱東京UFJ銀行 西陣支店(店番441)

 普通 0014049 カンサイクイアエイガサイ


◆概要

主催:関西クィア映画祭 実行委員会

共催:HEP FIVE

協力:西部講堂連絡協議会

助成:Goethe-Institut Villa Kamogawa

(ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川)

後援:カナダ大使館・アルゼンチン大使館


◆お問い合わせ

ウェブ http://kansai-qff.org/

メール info【アットマーク】kansai-qff.org

電 話 080-3820-2731

FAX 020-4624-4707

2008-01-05

トランスアメリカ

 年越しは「トランスアメリカ」を見ました。とてもよかったです。これを関西クィア映画祭で上映できなかったのは、残念!というくらい。

 SRS(性再指定手術)を間近に控えたMtFのブリー。でも急にNY警察から電話が。ブリーが男性として暮らしていた時代につくった子ども・トビーの保釈金を払い身元引受人に、という連絡だった。SRSをしたいのなら子どもとの関係をきっちりしろとカウンセラーに言われ(そうでないと同意書にサインをくれない!)、しぶしぶ迎えに行くブリー。結局二人でアメリカ大陸横断の旅をするというロードムービー。この映画、実は「家族関係」がテーマですね。だからメジャーでも売れやすかったのかもしれない(笑)。最後の、ブリーとトビーとがお互いの持つ文化圏の違いをさや当てしているところとかは、確かにいい感じがして、私は好きです。

 ブリーが結構カウンセラーに嘘をついているとか、先住民の文化を利用主義的に認識しているところとか、TS(トランスセクシュアル)であるブリーがTV(トランスベスタイト・異性装者)を若干差別的に見ているところとか、トビーが「赤の他人」のトランスジェンダーを結構受け入れているのに「自分の父親」がTS女性であることは受け入れられないこととか、なかなか実際にありそうな感じがして、楽しかったです。

 あと、トビーカワイイです!!萌え(ハート)


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2007-12-09 『現実を見よう』シリーズ

「イラクー狼の谷ー」

 見たくないから、見ないで済ましているもの。それを、敢えて目の前に突きつけられた感じです。

 「Bar際」で城川さんが言っていた「イラクー狼の谷ーDVDもあります)」は、いまイラクで米軍がやっていることを描いたドラマ。ドキュメンタリーではさすがに撮ることができない場面を、ドラマだからちゃんと描いている。ドラマだから、厳密には史実ではないし、明らかにトルコをよく描いていたり(主人公のトルコの元情報部員のかっこいいこと!)、クルドを悪く描いていたり、結局男女関係を映画のオチにするあたりが異性愛主義的だったりと、真面目に批判をすればきりがないのは事実だと思います。でも、このドラマに込められた意図は、しっかりと伝わってきた。

 日常生活の中に占領者・支配者として米軍がいること、圧倒的な軍事力の中でどれほどの無茶が行われているか、そういう状況の中で「闘う」とはどういう事なのか。「米軍と同じ事をしてはいけない、それではあいつらと同じになってしまう」という、監督の強い意志が感じられました。イラクのアブグレイブ刑務所で行われていた拷問の写真を見た時の衝撃など「忘れたことにして」毎日を送っている私に、「今でもアブグレイブが日常的に続いている人達」のことを、強引に思い出させてくれました。

 ネットとかメジャー系の評論を見ると、この映画がまるで「反米映画」であるかのように言っている人が多いけど、そういう印象は全く持ちませんでした。そうではなく、実際に米軍がやっていることを描いているに過ぎない。日米欧のメディアではごくたまにしか流れない、そのため「ないこと」になっている(不可視化されている)、でも実際に起きている現実を、アラブの人達の実感に基づいて描いている映画だと思いました

 例えばクルドの描き方など、ちゃんと検討するのならいろいろと問題はあるかもしれない。でも少なくとも、これを見て「反米映画」だと言う人は、米国のしていることを本当に知らないか、もしくは見て見ぬふりをしているか、もしくは本当に人種差別主義者なんだと思います。

 ちなみにこの映画を見たのは、ちょうど届いた「あなたがもし奴隷だったら…」を見た数時間後でした。絵本の6ページに掲載の絵が私には一番強烈で、「何百万人ものアフリカ人が、奴隷としてアフリカから運ばれました」と言葉で分かった風に言うのとは段違いの迫力でした。

 関西クィア映画祭でも、映画祭本番で上映する作品はほんの一部でしかなく、上映作品以外にも膨大な数の作品の試写をします。昨年度で言うなら、例えば刑務所の中でトランスジェンダーの人達がどういう目にあっているかを描いたドキュメンタリー「CRUEL AND UNUSUAL」等も候補には挙がったのですが、本当に現実を描いて見せつける作品は、厳しいです。辛いです。「この作品は『現実を見よう』シリーズだね」と当時言い合って、結局、辛い話はこれ以上見たくないということで、この作品は上映しなかったのです。


あなたがもし奴隷だったら…
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あなたがもし奴隷だったら…

2007-10-23 山形国際ドキュメンタリー映画祭から帰りました

OUT: ホモフォビアを叩きのめす!プロジェクト

OUT: ホモフォビアを叩きのめす!プロジェクト

OUT: Smashing Homophobia Project

韓国/2007/韓国語/カラー/ビデオ/110分

監督:ウム・フェミニスト・ビデオ・アクティヴィズム Feminist Video Activism WOM

ソウル在住、恋に悩むレズビアン高校生3人が自分に、恋人に、家族に、世の中に何か言わせて!と自らカメラを手にして語り、歌いだす、痛快プロジェクト。

http://www.yidff.jp/2007/program/07p2.html#t16

 作品タイトルはとても元気そうな感じですが、実際は若いクィア女子(作品中では「レズビアン」と描写)の心の動きや内面を丁寧に追った(言い換えると、「あぁでもない・こうでもない」といろいろと思い悩む姿を追った)ドキュメンタリーでした。その意味で、作品名の「外向きで元気のいい感じ」と作品の内容にはズレがあると思いました。

 最初に登場する出演者が、以前(中学時代?)にレズビアンとして映像でカムアウトしたけど、今は男の恋人ができた、その男の恋人が「レズビアンであること」をあんまり肯定的には受け入れようとはしない事と、それに呼応する形で「レズビアン」として出演者がカレシに対して自己主張する姿、でもその出演者がレズビアンだと言っていながら、はた目に見ても明らかにその男子にホントに恋している様子が手に取るように分かったりと、そんな青春の姿でした。

 わたしから見ると、若い頃にいろんな人に恋したり性的指向が揺れたりすることはよくあることだし、バイセクシュアルな人もいくらでもいることなので、そういう自己探求(敢えて言うなら「クエスチョニング」というラベルを使うこともできるけど)をする姿を正直に捉えていて面白いな、という感じなんです。映画の監督も、少なくとも映画の中ではその出演者の話をひたすら丁寧に聞くというスタイルで徹底していて、男子を好きになったことを否定したりしないし、「本当はあなたはレズビアンなんでしょ」というような誘導もしていません。理想的/模範的な聞き役として登場していました。同性愛者がバイセクシュアルのあり方や存在を否定や非難することは珍しくないのですが、レズビアンである監督の態度にはそういった「バイフォビア」が見られなかったということも、よかったです。

 でも、でも、にもかかわらず、最終的にはこの映画は「レズビアンのお話」としてまとめられていたのが、わたしにはよくわからなくて、その辺の所を二晩にわたってWOMの人達につっこんで聞いてみました。

 お互いが下手な英語だったので、今ひとつ話が通じていない可能性もあるのですが、面白かったです。

 少なくとも、監督たち自身のアイデンティティーは「レズビアン」だし、「レズビアンとして」表現をしていきたい、という路線が、本人たちには明確で確固としたものとしてあるようでした。まぁなんというか、とてもはっきりとした「アイデンティティーの政治(アイデンティティー・ポリティクス)」でした。でも、日本でこれまでわたしが出会ったことのある「アイデンティティーの政治」の人と全く異なるのは、卑怯なところが全然感じられなかったことです。

 「私たちは、レズビアン以外の人を全く否定しないし、レズビアンになれとも言わない」とWOMの人達は言っていたし、実際そのようでした。また「東京レズビアン&ゲイ・パレード」の名称問題の話をしたら、「名称を『レズビアン&ゲイ』にするのは間違っている。それは間違った権力だ」とはっきりと即座に返答してきたし、それはリップサービスや形だけのPCではなく、本当にそう思っているようでした。つまり、同性愛者のコミュニティーの中でも女性は男性に比べて権力を持たない側の「少数派の中の少数派」であり、レズビアンであるということが(異性愛中心の)フェミニズム運動の中でないがしろに扱われてきたという歴史と現実があるということ、それは「私たち」の内部にある不適切な権力関係であること、そういう不当な権力関係にはちゃんと明確に反対しないといけないこと、そういう認識を踏まえた上で、そういった不当な権力には反対する必要があるという話の延長線にある同じ問題として、明確に、即座に、「レズビアン&ゲイ・パレード」という名称は間違っている、と返すことができる人達だったんです。日本で「アイデンティティーの政治」の路線でモノを言う人達からはこんなにはっきりと適切な返事をもらったことが極めて少なかったので、とても新鮮でした。それと共に、こういう「質の良い」アイデンティティーの政治路線の人が出てくると、「アイデンティティーの政治」それ自体を批判しにくいなという事を発見する、面白い体験でもありました。

 もちろん「なんでわざわざ『レズビアン』という看板を掲げるのか、それ自体が排他的ではないのか」などと(私だけではなくFAVの人も交えて)何度も聞いては見ましたが、なかなか話自体がかみ合わない感じを含めて、面白かったです。WOMの人達にとっては外向けに分かりやすく主張するということがまず必要で、そのために「レズビアン」と言っているという感じでした。そういった特定の・分かり易い・一貫した普遍のアイデンティティーを持たされるという社会の仕組みにこそわたしは反対だ、と言っても、なかなか分かってもらえませんでした(>_<)。

 以前アジアクィア学会でタイに行った時にも、あまりに極端なまでに「バイセクシュアルが見えない/いない」という状況があったのでちょっとびっくりしていたんですが、もしかしたら韓国もそれに近いのかも、と思いました。自分をどう認識するか、どういうアイデンティティーを持つか、対外的にどう名乗るかということは、その地域の文化的背景に深く関わっているので、どうも日本とは状況が違う面があるのかも、という予感もしましたが、いかんせんよその国の話なのでよく分かりません。

 WOMの人達からは、広報宣伝用に朝鮮語+英語字幕付きの「OUT」のDVDを頂きましたので、試写したい方にはお見せできると思います(「レズビアン検閲」という作品のDVDも併せて頂きました)。ご希望の方はお声をおかけ下さいませ。

2007-10-06 山形国際ドキュメンタリー映画祭(10/5)

鳳鳴 ー 中国の記憶

鳳鳴(フォンミン) ー中国の記憶

FENGMING A Chinese Memoir

中国/2007/中国語/カラー/ビデオ/183分

監督:王兵(ワン・ビン) Wang Bing

ひとりの老女が雪道を歩きアパートへ向かう。赤い服を身にまといソファーに腰を掛けた彼女の名は、和鳳鳴(ホー・フォンミン)。地方の新聞記者として働いて結婚したが、同じく記者である夫の執筆した記事が原因で、反革命分子のレッテルを貼られ、ふたりは別々の強制収容所へ送られてしまった……。1950年代以降の中国で起きたふたつの粛正運動で数々の迫害を受け、1974年に名誉回復するまでの、約30年にわたるひとりの女性の壮大な物語が綴られていく。9時間の超大作『鉄西区』で本映画祭2003大賞を受賞した王兵(ワン・ビン)監督の最新作。

http://www.yidff.jp/2007/program/07p1.html#t2

 ほとんどの画面がカメラ固定で、ひたすらソファーに座った和鳳鳴さんがしゃべり続ける映像。映像技術的にはおそらく最悪で冗長以外の何者でもないのだけれど、でも(時々寝たりすることがあるとはいえ)その話にずっと引き込まれていくから不思議。要は、帰省して親や祖父母の長話を聞かされているのと同じ構図なんだけど、その話のうまさというか、内容の濃さ・ダイナミックさというか、話し手の和鳳鳴さんのリアルさを見せつけられる感じ。

 中国というと「一党独裁」とかのイメージもあるけど、実際には各現場・各個人ごとでそれぞれの判断や選択や行動があることや、でも共産党の方針が実際に個々人の生活に影響していることや、最終的にはコネと人脈で生きていかざるを得ないことや、そんな、実際の人々の暮らしが分かる感じがよかった。あと何より社会なり都市なりといった範囲に置いて「食べるものがないこと」「飢餓」という事が実際にあり得ること、そういう問題を一切考えずに生きていられる今のわたしの生活が実はものすごく例外的で恵まれた状況なんではないかということに、改めて思いを至りました。




主人公

主人公

Protagonist

アメリカ/2006/英語/カラー/35mm/90分

監督:ジェシカ・ユー Jessica Yu

元ゲイの伝導師、ドイツ人テロリスト、カンフーオタク、銀行強盗という極端な過去を持つ4人が語る波乱万丈な「人生」という長い放浪旅。それぞれ小さな頃から「真理」を極端に追求して生きてきたが、やがてその限界を悟っていく。エウリピデスの描いたギリシャ悲劇の世界観から生み出された本作。古代ギリシャ演劇の仮面人形劇を交差させた趣向を凝らした構成で、一見バラバラの4人の話を共鳴させ、言葉の躍動感を見事に描く。1997年アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画受賞監督による最新作。

http://www.yidff.jp/2007/program/07p1.html#t10

 要するに「男性ジェンダー」内部の問題点というか、攻撃性や暴力、自己コントロールの感覚、親からの暴力、社会正義と暴力、そしてそれを行っている人個人の内面の心の動きや迷い、弱さ、など、そういったものを扱った映画だったんだけど、そういう映画だということが説明文から全然読み取れなかったので、その意味で、男性ジェンダーを持たない人にとっては不親切な説明文だったと思った。

 そして、そういった内容を考察する映画としてみた時、内容的には詰めが甘い気がします。4人の話を交差させるのではなく、それぞれ独立した話として扱った方が、内容的に充実したような気がします。




名もなき兵士

A 戦争の記憶と記録

敗戦後ドイツは、甚大な被害をもたらした戦争に対峙する数多くの映像作品を生み出してきた。そして今、戦後から60年余を経て戦争を直接知る生存者が減少している事実を前に、ナチズムや第二次大戦に対して、映画はどう向き合うのか? 近年のドイツ・ドキュメンタリーが提示する戦争の記憶と記録をめぐる様々な視点やアプローチに光を当てる。

http://www.yidff.jp/2007/program/07p3.html

日本で、天皇の戦争責任を日本の市民・人民が追及した歴史を持たないことが、今の日本の「集団無責任体制」というか、主体的に責任を引き受けることができなくなっている状況というか、それを創りだしていることを改めて思い起こさせてくれる映画でした。

2007-10-04 山形国際ドキュメンタリー映画祭+ビルマのこと

今日の作品「刑法175条」

「刑法175条」
http://www.yidff.jp/2001/cat021/01c034.html

 ナチスによる迫害が、ユダヤ人だけではなく同性愛者にもおよんでいたことはあまり知られていない。この映画は同性愛者を差別するドイツの“刑法175条”によって迫害を受けたゲイ男性たちとひとりのレズビアンについて、歴史に隠された一面を聞き出している。ハインツは強制収容所での体験を告白し、フランス人ピエールは自分のボーイフレンドが虐殺されるのを目撃し、ユダヤ人のガドは地下抵抗組織の指導者としての経験を語る。


 よい作品でした。

 最近のわたしの関心事は、暴力や差別が行われている現場における、各個人の振る舞いや、その社会的責任というようなことですが、ナチスが政権を取り、ユダヤ人やゲイが迫害されていく過程において、各自が家族を見捨てて自分だけ亡命したり、逆に逃げずに自ら強制収容所送りになったり、その周りの人がいろんな事をしたりしなかったり、各個人の人生上の選択について、そんな具体的な話がいっぱい出てきます。

 また、性的な拷問を受けた一人のゲイの、その経験を語る話し方が、これも印象的でした。性的な暴力を受けた人の、「自身の経験を語ることの困難さ」が、切実に伝わってきました。

 「差別される同性愛者」を単純化して描いた作品ではなく、1人1人の生き方と選択を問う、考えさせられるいい映画だと思います。