やっぱり『やもり通信』

海外生活一区切り。これからは日本の生活メインの内容になりそうだけど、タイトルはやっぱり『やもり通信』・・・で、いいかなっと。

行ってみたケニア −2011 Nov.−

 2011年11月6日〜10日まで、ついにケニアに行ってきました。













《ライオン・キング》 の世界です。
《Out of Africa 〜愛と哀しみの果て〜》 の世界です。

『キリンとゾウが夕陽をバックに草原を走る姿を見る』 という私のをかなえてくれる世界です。

♪100万羽のフラミンゴが一斉に翔び発つ時、空が暗くなる・・・そんな世界です。


 4泊5日という短い日程ではありましたが、
また「小雨期」という、時にはスコールに見舞われる時期ではありましたが、年中「晴れた空」の下で生活し、雨の存在を忘れかけているような私たちにとっては、土砂降りの雨もケニアの日々をより思い出深いものとする「小道具」となってくれた・・・そんな旅でした。(ものは考えよう、ということで^^)


 さて、今回の私たちの旅を簡単にご紹介すると、
1.マサイ・マラ国立保護区: だれもがイメージする「アフリカの動物たち」がたくさん。
2.ナイバシャ湖:ボート・サファリでカバさん惜しげもなく登場。 ウォーキング・サファリも体験。
3.ボゴリア湖: 100万羽・・・とまではいかなかったけれど、とにかく心洗われるフラミンゴたちの姿、そして温泉卵。

 こんな感じでした。

 それでは、これからもう少し詳しくお話ししていきたいと思います。


 
でも、その前に。


  ご存じの通り、ケニア旅行をする人は「事前準備」が必要です。
その一つが「黄熱病」の予防接種 

 そうです。かの野口英世大先生がアフリカはガーナの地で命を落とした時にかかった病気が「黄熱病」。この「黄熱病」の予防接種を受け、その際に発行してもらえるYellow Card(予防接種済み証明書)をパスポートと一緒に大切に持っていかなければなりません。
 実はこれについては色々耳にしました。「Yellow Card、ホントは無くても大丈夫」とか、「すり抜けられる方法はある」とか。でも一度打ってしまえば10年間有効ということなので、我が家ではとりあえず打っていくことにしました。

 ということで、まずは


<打ってみた「黄熱病予防接種」@カイロの不思議なワクチン・センター>

 さて、この「黄熱病」の予防接種ですが、どうも敬遠する人が多いようです。
その理由としては
1.接種後に軽い副作用とみられる症状(発熱、腕の腫れ、倦怠感等)を訴える人が多い。
2.接種可能な場所が限られている。そしてその場所のひとつ、市内中心部にある『Travellers' vaccination center』※は場所が非常に分かりにくいだけでなく、「ホントにここ、医療機関?」という雰囲気でなんとなく不安に思う人多数、との報告あり。


 予防接種後2週間ぐらいずっとだるかったという人も身近にいたため、この「黄熱病」は日々のスケジュールとにらめっこしながらうまいタイミングで打ちに行かないと日常生活(学校や仕事)に支障を来すことになるかも・・・ということで、日程は慎重に選びました。

 その結果、まず草太とパパが10月1日(土)に、そしてみどりと私は10月16日(日)に打ちに行くことにしました。

 10月16日(日) この日はみどりが通うカイロ日本人学校は運動会の振替休日。
2週間ほど前にすでにイエローカード所持者となった夫より場所の詳細な説明を受け、Google Mapの航空写真までも使って事前チェックを済ませていざ出発!!
 
 でも本当にわかりにくいところですね。この『Travellers' vaccination center』

 まず、一番の目印とされているこの『コンチネンタル・ホテル』が、実際にはもうホテルではないただの廃墟。なぜかとにかくずら〜〜〜っと洋服屋さんや仕立て屋さんばかりが並んでいるような道にポツンと場違いな感じで建っているのですが、その地味さ故によく気をつけて見ていないと見落としてしまいそうな旧ホテル。
これがウワサのコンチネンタル・ホテル
これがウワサのコンチネンタル・ホテル posted by (C)Makie

すでにもう「ホテル」ではないわけで・・・・
すでにもう「ホテル」ではないわけで・・・・ posted by (C)Makie

 「ほんとにここでいいの?」と思いながら中に入ってみると、そこはできの悪いお化け屋敷か予算の関係でここまでしか作れませんでした、といった感じの映画のセットのよう。

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DSC00052 posted by (C)Makie
 たぶんホテル時代はフロントだったであろう場所に数名の男性がいて、私たちに気づくと、
「あっちだ、あっちだ。」と奥を指さします。

「ワクチン?」と聞くと、さらに自信を持ったように「そうだ、あっちだ、あっち。ずーっと奥に行って右!」。


おずおずと進む私たち。
「このへんで右・・?」と思って曲がろうとすると

「違う、違う! もっと進め!」と、私たちのことをずっと見守ってくれていたらしいフロントの男性が、背後から教えてくれます。

 結局、建物の一番突き当りまで行ってふと右を見ると
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DSC00050 posted by (C)Makie
ん?? ここかな?

近づいてみると
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DSC00049 posted by (C)Makie
 「いらっしゃ〜〜〜い。」という雰囲気で、和やかなお出迎え。

「ケニアに行くので黄熱病をお願いします。」と(英語で)言うと
「ケニア? じゃあ、マラリアも必要だね。」

来た!

 前回、夫と息子が「ケニアに行くなら髄膜炎も必要だ。」と強く勧められた話を聞いていたので、さほど驚かず、「いや、私たち日本人は黄熱病だけでいいと言われました。ボスがそう言っていたので今日は黄熱病だけ。」とさらりと、でもきっぱりと断りました。

 あとはサクサクと進み、

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DSC00048 posted by (C)Makie

 みどりも、がんだるまTシャツのおかげでなんとか泣かずにすみ・・・(?)

 無事Yellow Cardももらって、70×2人分で140エジプト・ポンド(約1800円)を支払い、この不思議な「ワクチン・センター」を後にしました。

 それにしても、【カイロで黄熱病の予防接種が可能な場所】として大使館の医療情報ページ※※でも紹介されているところが、こんな「村の学校の保健室」のようなところとは・・・エジプトの医療事情の奥の深さを示唆しているかのようにも思えました。

 ちなみに、先日友人から聞かれて思い出したのですが、黄熱病ワクチンの「接種量」は、大人も子どもも同じ「0.5cc」でした。冷静に考えると体重70キロの成人男性と10キロそこそこの幼児が同じ量って、あり得ないような気がするんですけど・・・・でも、ここではそうでした
 その友人の話によると、別の予防接種センターでインフルエンザの予防接種を受けた際も大人と子どもと同じ量を打たれそうになったそうですが、その時はその場でお願いしたら子どもの接種量は半分に減らしてくれたそうです。

その場の交渉でなんとでもなるのか??
でもそれも担当した医師によって違ってくるのか??

 これ以上のことは誰にもわからないような気がするので「ノーコメント」ということで。


※『Travellers' vaccination center』(住所:El Gomohoria Street,Opera Square, Continental Hotel Grand Floor)
※※ 在エジプト日本国大使館のホームページ 【黄熱病、狂犬病の予防接種を受けられる施設】http://bit.ly/uqhyxI



 
<ところでVISAって必要??>
 次はVISAのお話です。

 VISAに関しては“ケニアへ行く前に誰もが必ずしなければならないこと”ではなく
基本的には、ケニア入国時に空港で取得できるとは聞いていました。

 ただ、これまでに他国を旅行した人たちの話から
・一般旅券では簡単にその場でもらえるのに、なぜか妙に時間がかかった 
・一般旅券なら簡単にその場でもらえるのに、実は事前申請(事前取得)が必要だったため入国できなかった
・一般的に、公用旅券の場合は事前にVISAを取得していくのがルールになっているらしい

 などなど色々なことが聞こえてきていたので、その場で面倒くさいことになるくらいなら出発前の時間があるうちに事前取得していったほうが楽かも、と思い、とりあえずケニア大使館※を訪ねてみました。

 結果。
公用旅券でも、現地で取得したほうがずっと楽らしい。
ということが判明しました。

 なんと大使館の窓口でビサ申請のために必要だと言われた書類は

・記入済み申請用紙(申請者の人数分)+申請用の写真
・往復航空券の予約証明
・ケニアでの滞在予定ホテルの予約証明
・エジプトの日本大使館からのレター
・所属先(夫の勤務先)からのレター
・銀行の残高証明


・・・なぜに残高証明までが必要???
 と、目が点になっている私に、窓口の担当者はすかさず

「でも、現地で取ればこういう書類は不要よ。その場ですぐにもらえるから。」

 明らかに「仕事を増やしたくないから言ってるんじゃないですかぁ??」という態度だったのでかなりの不安を感じ、公用旅券での旅行であることなどを訴えましたが、「だーいじょうぶ。一般も公用も同じ!」とあまりにもあっさりとした返事。これじゃ逆に不安になるよ・・・という感じだったのですが、それでもこれだけの書類をそろえて苦労して事前申請する必要が本当に100%あるのか・・・という思いも、また有り。

 結局、面倒くささに負け、「受付担当者の言葉を信じよう。」※※と決意した私たち。

 でも、ケニアの場合「入国時にすぐにもらえる」というのは確かだったようです。(少なくとも私達の旅行時は)

 ただし、公用旅券所有者はみんなが並んでいるブースの中の、一番左側のブース(上の方に確か『diplomat』とか書かれていたブースだったと思います)に並ばなければなりません。手続きが違うようです。どう違うのかはわかりませんでしたが、申請料が無料だった、ということだけは確かです。


・・・・と、ここに書いてしまったので、今後もこのルールが末永く変更なく続くことを祈っています。

※EMBASSY OF THE REPUBLIC OF KENYA 29, El kods El Sharif Str., Mohandeseen, Giza Cairo - Egypt
 http://kenemb-cairo.com/
※※↑この大使館のHPのVISA情報ページには『銀行の残高証明』なんてどこにも書いてやしないということに後日気づく・・・。




<おまけ>
黄熱病ワクチンの後日談(それぞれの副作用事情)
 患部が腫れる
 全身のだるさが続く
 熱が出る
 眠くなる・・・・

 いろいろと副作用と思われる症状を感じる人も多いワクチンと聞いています。

 実際、夫も予防接種から帰ってきたとたん猛烈な眠気に襲われたと言い、短時間ではありましたがひとり真昼間に爆睡しておりました。

 が、草太は特に異変なし。

 後日接種したみどりと私も全くなんの症状も出ず。
注射の跡さえもすぐに消えてしまい「あれ?どこに打ったんだっけ??」状態。あまりにも体調に変化が無いので

「もしかして、なんか別のワクチン打たれちゃったんじゃない?」と、ちょっと一瞬、まじめに心配したほどでした。
 
 そんなわけで、誰もが副作用を体験するわけではないようですので、ご参考までにご報告。