やねうら王について知っていること

私は昨年11月の将棋電王トーナメント後、やねうらおさんとコンピュータ将棋の勉強会をしたり、メールでやりとりしていた関係で知っていることがあります。
そして、私はそれを公にした方が良いと判断しました。
佐藤六段の対局を直近に控えたこのタイミングで公にすることが良いのか悩みましたが、
ファンにとっても大切な対局ですし、もし佐藤六段にこの内容が伝わって気持ちの整理に繋がるなら
公にすべきと思いました。
公にするにあたり、やねうらおさんには事実関係の確認のメールを何通かしました。
公にすることの許可は取っていません。
とりあえずここでは事実だけを箇条書きすることにします。


・やねうら王は11月の将棋電王トーナメント後、ほぼ一から作り直されており、それが2月2日にようやく正常に動作するようになりました。
(↓のように訂正します。訂正日3月18日)
・やねうら王は11月の将棋電王トーナメント後、1月中旬からほぼ一から作り直されており、それが2月2日にようやく正常に動作するようになりました。
 この時点では、Bonanza6.0との対局は76-3-61で勝率55%。
 将棋電王トーナメントバージョン(以下旧バージョン)が定跡込みでBonanza6.0に勝率65%であるので、まだ旧バージョンよりは弱かったです。


・旧バージョンはBonanzaを参考に作られていましたが、新バージョンはチェスソフトのStockfishを参考にして作られており、
 旧バージョンとは探索部が全く異なります。


・2月19日の時点で、Bonanza6.0に92.8%の勝率となっています。
 ただし、この時点では定跡非搭載の為に序盤が似た進行になり、実験結果の信頼性には問題があります。
 実際には少ないサンプルにおいて80%前後の勝率だったようです。(先程確認したメールによると)
(↓のように訂正します。訂正日3月18日)
 実際には少ないサンプルにおいてBonanza6.0に80%前後の勝率だったようです。(先程確認したメールによると)


・24点法の為のプログラム修正は、新バージョンに対して行われました。(先程確認したメールによると)
・3月1日に佐藤六段のPCに入れ替えられたソフトは、探索部がStockfishベースとなり、棋力が向上した新バージョンです。(先程確認したメールによると)
 ただし、やねうらおさんはそこまで大きく棋力が変わっているという認識はなかったと言っています。(先程確認したメールによると)
・局後学習を搭載しているやねうら王にとっては、24点法への対応は難しいとのことでしたが、
 局後学習結果をクリアすれば、技術的には旧バージョンでも新バージョンでも簡単です。(先程確認したメールによると)
 局後学習結果をクリアすることで、また一から局後学習することになり、
 指し手が変わることにクレームが付くことを懸念したとのことです。(先程確認したメールによると)


・新バージョンの評価関数は旧バージョンと同じです。(追記します。追記日3月18日)
・新バージョンと旧バージョンの対戦はさせていません。(定跡がないため同じ戦型になり勝率が偏るため)(追記します。追記日3月18日)




(以下、追記します。追記日3月19日)
将棋電王トーナメント後、やねうらおさんの仕事のスケジュールの関係で、年末までのプログラム修正期間の延長が認められました。(3月16日に確認したメールによると)
・その後、やねうらおさん、ドワンゴの電王戦担当者の間で連絡は無く、プログラムは修正されないまま2014年を迎えました。(3月16日に確認したメールによると)
 ルールというものがもし存在するなら、この時点で旧バージョンで電王戦を迎えることが決定します。
・電王戦担当者からやねうらおさんにプログラム修正についてのメールが届いたのが1月末です。(3月16日に確認したメール、3月19日の会見によると)
 その後、詳しい経緯は不明ですが、3月1日に佐藤六段のPCのプログラムの差し替えが行われました。
・私は、ドワンゴの電王戦担当者とやねうらおさんとのメールを転送して頂けないか、3月17日にやねうらおさんにお願いしましたが、
 まだ頂けていません。