Pixel Pedals of Tomakomai

北海道苫小牧市出身の初老の日常

相模湖と大垂水峠

いつものように朝 7 時の開店を待って、 モスバーガー和泉多摩川駅前店 に入店する。開店時間と場所がちょうどよいので、多摩川を上流に向かうときはいつもここで朝食を摂る。

先週は天候が悪くてほとんど自転車に乗れず、体重も 3Kg ほど増えてしまった。今日は曇りだが、雨は夜まで降らないようだ。この貴重な雨の隙間を逃すわけにはいかない。

今日は相模湖へ行く予定だ。いつもは素通りする府中四谷橋を渡って、野猿街道を八王子方面へ向かう。

野猿街道を進んでいくと、なにもないところに突然スターバックスが現れる。ここも目的地の1つだったのだが、朝食から時間があまり空いておらず、スイーツは食べられなさそうだったのでコーヒーだけ頂く。

まだまだ目的地は遠いので、引き続き無心で進んでいく。途中、曲がり角で見つけた樹木の案内に「八王子市」と書かれており、八王子市に入っていたことを知る。木は「トウカエデ」と言うらしいが、楓の季節でもないし、特に興味もなかった。

Google のナビに任せると、よくとんでもない道を通される。今日はただならぬ雰囲気の小さな陸橋に案内された。

さらに進んでいくと、いきなり城山ダムという看板に出くわした。全然意識していなかったのだが、津久井湖というところがあるらしい。

津久井湖観光センターなどというものもあったので、トイレ休憩。

山道が始まったように見えたので、この先何もなくなることを覚悟したのだが、そんなことはなくわりと建物が多い道路が続いた。近くに鉄道路線こそ無いものの、国道 413 号線沿いはそれなりに栄えているように見える。コンビニもファミレスもあり、補給に困ることもなさそうだった。

さらにしばらく進んで、ようやく最初の目的地の相模湖に到着した。

まだ何も食べていなかったので、湖畔にあった「ビーフカレーの店」を掲げているお店で昼食。入店して真ん中にあるテーブルが物置と化しており、やっているか不安になったのだがやっているとのこと。しばらく待っていると、「チーン」という音の後にカレーが現れた。空腹だったのでとても美味しく頂けたのだが、どうみてもレトルトカレーであった。そのせいで、通常サイズと大サイズがあるのだが、大サイズを頼んでもご飯が増えるだけで、カレールーの量は足りなくなってしまう。

数年前のレビューにはパスタなど他のメニューもあったので、店主が亡くなったなどの特殊な事情があるのではないかと勘ぐってしまう。

カレーを完食した後ほどなくして、相模湖駅に到着した。

ここからは本当の目的地、大垂水峠に向かって国道 20 号線を進む。・・・つもりだったのだが、 Google 先生は国道 20 号を外れて進めと仰っている。明らかに無駄な激坂に案内されているが、まあ、今日の目的はダイエットなので、それもいいだろう。言われるがままに激坂を登って、また激坂を降りて 20 号に戻って来るなどした。

肝心の国道 20 号線の方は、激坂好きな Google さんを他所に、斜度がゆるい終始平和な峠である。前評判も聞いていて知っていたので、のんびりと登っていたら、すぐに頂上にたどり着いた。

後はダウンヒルをずーっと行けば、すぐに高尾山口駅である。つい先日、会社の野外活動部の有志が高尾山を登りに来ており、無性に行きたくなったのだ。もっとも、自転車で高尾山を直接登ることはできないのだが。

これで目的はすべて達成したので、後は輪行して家に帰るだけだ。自走しても良かったのだが、あいにく夕方以降は雨の予報なので、早めに帰る必要がある。

順当に帰るとすれば、京王線高尾駅から乗って分倍河原駅で JR に乗り換えることになるが、輪行状態で乗り換えは面倒だ。多少時間もあるので、南武線まで自走することにする。地図で調べて、谷保(やほ)駅が一番近い南武線の駅のようだったので、そこを目指す。また初見では読めない駅だ。

ひたすら国道 20 号線を下っていくと、小さな橋に辿り着いた。多摩川も上流ではこんなささやかな橋で済むのかと、ちょっと感動する。

が、その感動もつかの間。また大きな橋が現れた。どうやら先程の橋は大和田橋と言って、浅川という多摩川の支流を渡す橋のようだ。通りで小さいと思った。

今度こそ、多摩川を渡る石田大橋を超えれば、目的の谷保駅はすぐそこだ。いつものように駅の看板の前で撮影して、そのままブロンプトンを畳んで南武線に乗り込んだ。

ブロンプトンヒルズ

ブロンプトンジャパン主催のライドに参加してきた。

www.instagram.com

BROMPTON OPEN RIDE というもので、公式のページがないようなので聞きかじった話だと、「brompton の販促のために行っているライドイベント」「ロード、ママチャリ含め、 任意の車種で参加可能 (が、まだ brompton の人しか来ていない)」「隔週程度の頻度で開催している?」ということらしい。募集は instagram でしかやっていないので、 instagram@brompton_jp をフォローしておくのが必須となる。前回の参加はこちら。

hiratara.hatenadiary.jp

今回は坂を巡るライドがテーマということで、頂いたプロファイルによると 21 個の坂を登るらしい。普段都内を走り回っているのでアップダウンが多いことは承知していたが、よくもまあこんなに集めたものだと感心する。

brompton japanさんから頂いたコースプロファイル

東京駅を朝 9:00 にスタートして、皇居の周りをグルっと回った後は、ひたすらアップダウンを繰り返して坂を登っていく。

楽しいのだけど、なにせ数が多くて、写真を撮っている暇はほとんどない。しかも一つ一つの坂は 10% 超えの激坂ではあるものの距離が短くて、あれよあれよといううちに坂が終わっていった。

公園での休憩も最小限に、どんどん次を目指す。

東京タワーの駐車場へ向かう坂もちゃっかりと登った。もう何枚も撮っているが、ここにきて写真を撮らないとちょっと損した気分になる。

最後の恵比寿にある行人坂は、道幅が狭い上に交通量も多くて、ラスボスに相応しい坂であった。が、車の邪魔になるとよくないので、ダンシングでそそくさと終了。

最後はオシャレなカフェである。サイクリストはカフェに行きがちだなあと思ったが、よく考えたら飲んだら乗れないので、カフェに行くくらいしか無いのである。もっとも、ミニベロに乗り慣れたおっさん達はこんなオシャレな店ではなく、居酒屋に入ってしこたま飲んだら、あとは輪行して帰るのだが。

カフェの TONER さんは、大変おいしくて素晴らしいお店だった。食後の後にちゃっかりデザートとコーヒーまで頼んで満喫してしまった。

最後に記念撮影。自転車のライドは両手が塞がっていて、みんなで真剣に走っていると写真を撮る暇がほとんどないので、休憩中に意識をして多めに写真を撮っておかないと、後から振り返ろうとしても記憶以外何も残っていないなあということがよくある。集合写真は大事。

終了後、花粉があまりにきつくて迷ったのだが、そんなに遠くもないので自走で帰宅した。本当は家に帰りたかったのだが、自宅は息子の学友達に占拠されているようだ。時間も 14:00 頃だったし、もう1本、いつもの鶴見川沿いを走ってくることにした。坂をたくさんの数登ったと言っても、のべで 350m UP 程度で、まだまだ余裕はたっぷりある。花粉さえなければ、だが。

詳解: staticmap

最近、 Rust の staticmap クレートにいくつか PR を送ったので、忘れないように staticmap についてメモっておく。

docs.rs

staticmap とは

事前知識なしに、簡単に地図画像を生成するためのライブラリである。例えば以下は、与えられた緯度経度の列を plot した画像を生成するためのプログラムである。

use std::{env::args, error::Error};

use staticmap::{tools::{CircleBuilder, Color}, StaticMapBuilder};

fn main() -> Result<(), Box<dyn Error>> {
    let mut args = args().skip(1);
    let mut map = StaticMapBuilder::new()
        .width(720)
        .height(480)
        .build()?;

    while let (Some(lat), Some(lon)) = (args.next(), args.next()) {
        let circle = CircleBuilder::new()
        .lat_coordinate(lat.parse::<f64>()?)
        .lon_coordinate(lon.parse::<f64>()?)
        .color(Color::new(true, 255, 0, 0, 255))
        .radius(5.)
        .build()?;
        map.add_tool(circle);
    }

    map.save_png("examples/results/plot_points.png")?;
    Ok(())
}

以下が実行結果である 1 。画像の大きさだけ指定し、生成した StaticMap 型の値 map に緯度経度をひたすらプロットするだけで、いい感じの縮尺で地図を作ってくれる。非常に便利だ。

> cargo run --example plot_points 43.07860134016368 141.34119085145716 33.59907205202905 130.22409863072042 35.71622219061979 139.76355588070456 35.129339438616675 136.09212718953398 35.154769245737306 136.97056270511507 38.27242398344753 141.000820278268 34.82219993583771 135.52507877778308

plot_points.png

OpenStreetMap

staticmapOpenStreetMap の地図データを使っている。地図は四角形の区域ごとに URL で指定される。以下が詳しい。

wiki.openstreetmap.org

結論だけ言ってしまえば、 https://tile.openstreetmap.org/zoom/x/y.png という形式の URL にアクセスすれば、 256×256 のサイズの地図の画像が手に入る。 zoom0 から 18 で、 0 の場合は一枚で世界地図となる。

https://tile.openstreetmap.org/0/0/0.png

xywiki に書かれている方法で計算可能で、メルカトル図法となっている。 0/0 は緯度経度で言えば 85.051100, -180.000000 の地図画像ということになる。地図で言えば、緯度経度の原点 Null Island を真ん中に書いた場合、左上を Slippy Map の (x, y) の原点 (0, 0) としてとることになる。

地図の取得は attohttpcrayon を使って並列に回している。 rayon は並行処理用のライブラリのはずなので、 http client に使うのはいかがなものかと思うのだけど、残念ながら現状の実装では密結合されているため、差し替えることはできない。

tiny-skia

画像の生成には tiny-skia というライブラリを使っている。こちらも密結合されており、差し替えられない。このライブラリは SKIA という Chrome で使われている画像ライブラリの移植らしいが、クラス名などは割と違うので、別途使い方を覚えたほうが良い。

tools

地図上への書き込みは、 tools::* 型を使って行う。 Circle Line などの型があり、これを StaticMapadd_tool 経由で追加することで円や線を書くことができる。 tools とはなっているが、実際は shape に近い概念となっている。

Builder pattern

Rust や Go では常套手段ではあるが、 staticmapBuilder Pattern が使われている。 StaticMaptools::Circle の値が欲しい場合は、対応する Builderbuild メソッドを経由して生成することになる。

座標系

ここから、内部実装の話となる。 staticmap は内部的には 3 つの座標系があり、 staticmap 本体の開発者はこれらを意識する必要がある。

  • lat , lon : 緯度経度
    • lat-90 から 90lon-180 から 180
    • 地図の右方向、 方向が正の方向
    • staticmap の利用者が意識するのはこれだけ
  • x , y : Slippy Map の x y
    • lat , lon だけでは決まらず、 zoom によって変わる
    • 地図の右方向、 方向が正の方向
    • メルカトル図法なので、 y 方向については lat線形ではない
    • f64 の任意の値で良い
      • 地図を得るときに i32 に変換 2 して使う
    • xy0 以上の値を想定するが、最大値も zoom によって決まる
  • px
    • tiny_skia の座標系
    • 左上が原点 (0, 0) で、値はピクセル単位(ただし、型は便利のため f64
    • 地図の右方向、 方向が正の方向
    • 最後の png 画像の描画処理でしか登場しないため、あまり意識しなくて良い

staticmap 開発者は lat, lonx, y の両方を使用するため、これらの違いをきちんと把握しておくことが必要となる。特に Y 座標については上下が逆転するので、例えば min を取る場合に lat では地図の下方側を取ればいいのに対して y については上方側を取らなければならない。

Bounds

bounds.rs に定義されており、このクレートの肝と言える部分である。地図の描画範囲を表す型であり、以下のフィールドで描画範囲は決定される。

  • height width : 生成される png 画像の高さと幅(ピクセル
  • x_center y_center : x, y 座標系における描画の中心点
  • tile_size : Slippy Map における 1 枚のタイルのサイズで、前述した通りほとんどの場合は 256 ピクセル

height widthtile_size で割ってやれば縦横何枚分のタイルが必要かがわかり、 x_center y_center からその枚数分までの範囲が描画されることになる。

Boundszoom も保持しており、これによって tools::* の各図形が持つ lat, lon の座標系を x y に変換することができる。 Slippy Map の tile を得るための URL にも必要である。

一方で、 x_min x_max y_min y_max は Slippy Map のどの範囲を get してくるべきかを表すフィールドだが、他の情報から簡単に計算可能なので、実は不要なフィールドであると言える。

Tool trait

tools/mod.rs に定義されている。 draw に関しては解説不要だろう。察しの通り、 tiny_skia を使って自身地図上に描画する。

問題は extent の方だ。このメソッドは、自身を完全に描画するための範囲を lat, lon の座標系で返す。この値は、地図の zoom や描画範囲を自動で決めるために必要となる。登録された tools::* がすべて画像内に収まるように、 Bounds を生成すればいいのである。

extent の呼び出しは zoom が引数となっていることには注意が必要だ。例えば、 tools.Circleradius は円の半径だが、この値はピクセル単位で指定をする。画像上の 3 pixel が lat lon でどの範囲になるのかは、 zoom によって大きく変わってしまうのだ。

Bounds の生成

save_png が呼び出されたタイミングで、すべての Tool が収まるような範囲 Bounds を生成する。

中心座標 x_center y_center を算出するのは簡単で、 add_tool によって追加されたすべての Toolextent を呼び出し、すべてを収めるための四角形の矩形を lat lon で算出した後に、 x y 座標系に変換してからその四角形の中心を求めれば良い。 lat は最終的に生成される画像に対して線形ではないため、 lat lon のまま中心を求めてはいけないということには注意が必要である 3

zoom を算出するには、総当りする必要がある。 zoom を大きい側 17 から 0 まで順に変化をさせていくと、すべての Tool について extent の呼び出しで求められる範囲を x y 座標で表した場合の四角形の一辺の長さは、逆に小さくなっていく 4 。これと画像の大きさ width height を比較して、四角形が画像内にすべて収まったところでズームアウトをやめると、最適な zoom を決定することができる。具体的には、以下の実装である。

github.com

この方法がうまくいくのは、 lat lon の座標が 2 個以上 add_tool で追加されている場合だけである。 lat lon の座標が 1 個の場合は、 zoom を変化させてもなんら状況は変化しない。極端な例として、半径 radius が 100 pixel の円を縦横 100x100 pixel の画像に描画しようとした場合は、 zoom をどんな値にしても入らないものは入らない。すべての試行に失敗して zoom = 0 を返す。逆に 10 pixel の場合は zoom に関係なく入るので、zoom = 17 だ。

やっかいなのが radius50 にした場合で、理論上はギリギリ画像内に書けるのだが、小数点以下の誤差によって画像内に入ると判定されたり入らないと判定されたり判定がランダムにブレる。その結果、決定される zoom は適当な任意の値となる。


  1. これがなんの plot かは読者への宿題とする。ドラゴンボールの位置ではない。
  2. Slippy Map では 0 ~ zoom によって決まる整数値の間の値しか取れないが、地球は丸いので、任意の実数の x y について、剰余を取るなどして所属する Slippy Map の tile を整数値として算出可能である。
  3. Fix center by hiratara · Pull Request #18 · danielalvsaaker/staticmap · GitHub
  4. Google Maps で北海道を表示してからズームアウトしていけば、ズームアウトすればするほど描画される北海道の大きさは小さくなるだろう。

伊豆大島(後編)

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大島ではゲストハウスに宿泊した。普段ホテルにしか泊まらないので、歯ブラシや洗顔用品が置かれたままの生活感あふれる洗面台に面食らった。人数に比較して部屋が狭く、無理矢理にこしらえたと思われる不安定で危険なはしごを登ってロフトで寝る必要もあった。それでも、宿の主人は気さくで色々と気が利く良い人だったし、前日の疲れもあって十分な睡眠を摂ることができた。多少値が張ったが、「 The 旅館の朝食」と言わんばかりの朝食には、大変満足した。

二日目は、三原山登山道路から山頂口展望台を目指した。本当は御神火スカイラインから登る予定だったのだが、こちらは斜度がかなりきつく、流石にミニベロでは無理ではというメンバーの意見で予定を変更した。三原山登山道路は緩やかな登りが延々と続く道で、平均斜度と獲得標高で言えばヤビツ峠に近いようだ。前日と打って変わって風がなく、談笑しながら楽しく走ることができた。

山の中腹には馬がいる。なぜこんなところに馬が??

途中には、何箇所か展望台が設けられている。山側には三原山の麓に広がる非日常的な火山地帯の風景、海側には静岡県の富士山が見える。どちらを見ても絶景である。

新火口展望台で撮った写真には、たまたまメンバーの一人が乗っていたブロンプトンとの2ショットが写っていた。なんとなく並んだだけで絵になってしまうのがブロンプトンのすごいところである。

この展望台にはバス停がある。バスで来るのはいいが、その後のプランはきちんと考えておかないと、次にバスが来るのは1時間以上後になる気がする。後ろに小さく写っている白い部分が、富士山である。

さらに登って、無事に三原山展望所まで辿り着いた。火山を眺めていると、子供の頃は毎日拝むことができた、樽前山を思い出す。

下りは御神火スカイラインを利用した。新しい道で、めちゃくちゃ見晴らしが良い。三原山登山道路はほとんどが森林で、時折展望台から絶景が見えるという雰囲気だったのだが、御神火スカイラインは常に見晴らしが良く、延々と真っ青な海を望む絶景が続く。ただ、やはり勾配がかなり急なので、細心の注意で下る必要がある。

下った後は町中華で昼食を摂った。量も味も最高で文句なし。地元の人が集まるお店は、やはり素晴らしい。

本土へのジェット船は 15:30 出発だったので、最後に、まだ見ていなかったゴジラ像に立ち寄った。なんでも、ゴジラの映画にちなんで作られたもののようだ。たまたま居た係の人の話によれば、本当は火口に巨大なゴジラ像を作る計画だったものが、島民の反対にあってこの像に落ちつたいのだとか。まあ、確かに火口にそんな物があれば興ざめである。

空港へ戻る途中、昨日も立ち寄った Buddy's Bell の前を通った。昨日は暴風が吹き荒れて空も曇っていたが、今日は本当に良い天気で、富士山までくっきりと見える。昨日に続いて、写真を撮っておいた。

帰りは岡田港からジェット船に乗って、 1 時間程度で久里浜港へ着く。伊豆大島へ行く人には有名なのだが、帰りのジェット船は天候によって出発する港が違い、朝 7:00 になるまでそれはわからない。元町港から出ることもあるので、どちらから出ても大丈夫なように計画を建てておく必要がある。自転車であれば比較的融通が利くので、朝の発表を聞き忘れなければ困ることはないだろう。

ジェット船は速いだけだと思っていたのだが、説明によると水上を浮いて走るようで、ほとんど揺れなかった。これは快適である。ただ、大島へ向かうジェット船は到着が 10 時頃と自転車や釣りには少し遅い時間なので、来るときはフェリーにしたほうが早朝から島を満喫できていいようだ。

久里浜港から駅までは少し距離がある。バスも出ているが、自転車で走ったほうが早いだろう。東京湾フェリーに乗るためによく使っている港なので、ここまで来れば目を瞑っても帰れる。

昔から枕が変わるとほとんど眠れないので旅行ではいつも寝不足なのだが、今回はよく眠ることができて旅を満喫することができた。自転車に乗ってきちんと体を動かしているのと、耳栓を持ってきたのが功を奏したのだろう。民宿の雰囲気にも少し慣れたので、今後も自転車旅で利用してみたいなと思った。なんだかんだ、宿泊費が安いのはいいことだ。自転車旅であれば、宿はどうせ寝るだけなのだから。

伊豆大島(前編)

所属サークルで伊豆大島旅行の企画が上がったのは今年の 1 月のことだった。一人で行動するのが好きなので、実家の家族と旅行することすらおっくうだと思ってしまうのだけど、かと言って一人で自転車旅に出るかと言えばそれはそれで旅程を考えたりするのが面倒で企画する前に終わってしまうことがほとんどである。いい経験になると思い、参加させていただくことにした。

伊豆大島まではさるびあ丸で移動した。深夜に東京を出て、早朝に大島へ着く船である。 20 時頃にみなとみらいに集まって食事を摂った後、 23:30 に大さん橋から乗船した。

普段はすでに寝ている時間であり、しかも、翌日は 5:30 に起きなければならない。最長でも 6 時間睡眠となる。あくまでも大島で早朝からアクティビティを楽しむための船で、山小屋での仮眠に近いなあと感じた。ただ、今回は特2等室に宿泊したのだが、設備は充実していて、船内もとてもきれいで快適である。竹芝から乗れば、きれいな船内を 1 時間近く楽しんでから床に就くことができるので、そちらのほうが船旅は楽しめるのかなあと思った。

5:30 には下船の準備のために放送で起こされる。船は結構揺れたが、眠りを妨げるような揺れではなかった。結局、甲板にすら一度も立つことなく、ベッドに入っただけでそのまま船を降りた。

船を降りたら、自転車の準備である。自分たちの他にも結構な数の自転車が伊豆大島で下船しており、人気のサイクリングスポットであることが伺える。下船の際は警察が立ち会うことになっているようで、警視庁のパトカーも乗り付けていた。

港を出て、まずは宿に荷物を置きに行くのだが、岡田港から宿のある元町まではかなりの坂を登らねばならない。早速、伊豆大島の洗礼を受ける形となった。とは言え、もともと車が少ない上に早朝なので、道路を走っている車はなく快適だ。そもそも大島では品川ナンバーの車しか見なかった。島外から持ち込む手段がないということなのだろう。乗用車はほぼ軽自動車で、これも搬送の都合なのだろうか。

宿に荷物を置いたら、地層切断面、通称「バームクーヘン」へ向かった。島を左回りで回るルートである。話によれば、大島は右回りで回るほうが楽らしい。一周すれば結局プラスマイナスゼロとなるので同じ気もするのだが、斜度の関係なのだろうか?

その後、波浮港の展望台へ登った。「はぶみなと」と読むのだが、初見では絶対に読めそうにない。港より先に展望台へ行った都合で港から展望台を 2 往復することになったが、ここもかなりの高低差である。さすが火山島だ。波浮港の鵜飼商店というところで唐揚げを頼んだのだが、唐揚げというよりはチキンカツというレベルの大きさで、食べるのに苦労した。 PayPay に対応しているのは大変ありがたい。大島は iD の普及率は低そうだったが、 PayPay は比較的使える店が多かった。

港を出て、道中の筆島で記念撮影。島なので当たり前だが、どこに居ても海が見えて綺麗だ。

次の目的地は裏砂漠である。月と砂漠ラインという道から入る必要があるのだが、ここは斜度がきつく、海から登ると獲得標高も 600m を超えるので、普通にヒルクライムである。楽しく登れたのだが、なにぶん気温が低く風も強風で非常に寒い。裏砂漠の景色は他では見ることができない大変素晴らしいものだったのだが、あまりの寒さにそそくさと退散を余儀なくされた。

裏砂漠後のダウンヒルは極寒で、体の芯まで冷えてしまった。時刻も 13:30 を過ぎており、食事を摂るタイミングも逃してしまった。そのまま岡田港まで戻り、カツオのフライを頂くことにする。

宿に戻る前に、 Buddy's Bell 。

あかっぱげ。

いずれも強風が吹き荒れており、寒過ぎて写真を撮るだけで手一杯だった。これだけ寒いと、常にヒルクライムをしていないと凍えて死んでしまう。ダウンヒルなんてもっての外だ。予約してあった寿司屋でべっ甲寿司を頂き、明日は暖かくなることを祈りながら一日目を終えた。

hiratara.hatenadiary.jp

鶴見川源流の泉

今日はまったく自転車に乗る気がしなかった。 TODO は山ほど溜まっているし、気温は 10 度を下回る予報のくせに、花粉がかなりの量飛んでいる。こんな日はスタバにこもって作業でもするに限る。タリーズコーヒーで朝食のトマトパスタとコーヒーを摂りながらスマホで検索し、スターバックス相模原共和店 なるものを発見した。なんだかんだ距離は 30Km ほどあるので、コーヒーでも飲んで戻ってくればそれだけで 60Km は走れるのでいいだろう。

目的のスタバに行くには、尻手黒川道路を町田方面に進めば良い。この道路は都内へ向かう道と違って緑が多くて好きなのだが、昼頃からは交通量が増えて走りにくい。ご多分に漏れず、百合ヶ丘付近からは渋滞で思うように進めなくなった。

もっとも、渋滞がそこまで嫌な訳では無い。自転車だとどうせ 25Km/h 程度で巡航することになるのだし、ゆっくり走るのは足休めになる。必死に漕いでいるときは見る余裕がない街の雑踏に目を向けるのも、なかなか楽しいものだ。

渋滞に巻き込まれたせいで、スタバの到着は 11 時頃になってしまいそうだ。そんな時間になにか腹に入れてしまうと昼食が食べられないし、飲食店は 12 時を過ぎてしまうと混み合ってしまう。先に昼食を摂るのが賢明と考え、見かけたかつやに入った。幹線道路に駐車場付きの店舗を多く持つ、ドライバーのオアシスである。そして、この迫力。

10年以上ぶりに食べたダブルロースカツ定食は、想像以上に美味くて大満足だった。空腹は最高の調味料だ。

ここで腹が膨れてしまったので、スタバではコーヒーだけ頂くことにするか。そんなことを考えながら店内に入ったところで、気がついてしまった。この店舗、来たことがある。 2 年前、ブロンプトンを購入してすぐに相模原まで輪行し、 山岡家相模原店 で朝ラーしてから立ち寄ったのが一度。さらに、 6 年前にも、淵野辺駅から徒歩で来たことがあった。辺境のスタバに行きたがるのは、今も昔も変わってないようである。

さて、このまま鶴見川を通って帰るつもりではあるのだが、 Google Maps によると近くに鶴見川源流の泉があるようだ。行こう行こうと思っていてずっと行っていなかったところだったので、立ち寄ってみることにした。そのまま鶴見川を登って行って引き返すのでは芸がないので、少し遠回りをして北側から行くことにする。坂を登ってぐんぐん進んでいくと、南多摩都市霊園に辿り着いた。巨大なスロープ付きの建物を見て、これが都市の霊園かと感心したのだが、なんのことはない。写真の奥に写っている巨大な建物はサントリーパルシステムが入っている、別の建物であった。

鶴見川源流の泉は、ここから少し下ったところにある。なんというか、ただの小さな丸い泉であって、どう写真を撮っても様にならない。

さらに下っていくと、上流端と言うものがある。一級河川としての鶴見川はこの上流端までとなっているようだ。

ぶっちゃけ、川よりも近くの公園にあったブランコのほうが面白かった。とんでもないセンスである。

ここからはひたすら鶴見川を下って自宅に戻るのだが、いつまで経っても知っている道に出なくて、不思議な気分で走っていた。それもそのはず、普段自分が通っているのは鶴見川ではなく恩田川だったのである。川和遊水地の壁画を見てその事に気がついた。これはよくまとまった、すばらしい壁画である。

トイレを借りに中に入ったら、何やらカードを頂いた。これは何に使えばいいのだろうか。

今年も、小机土手の河津桜はきれいに咲いていた。自転車でここを通るまでは、こんな時期に咲く桜があることを全く知らなかった。この年になって世界が広がるという体験ができるのは、とてもいいことだ。

霞ヶ関駅

早くも梅雨になってしまったのだろうか。月曜日から雨が降り続き、今週はまったく自転車に乗れていない。ようやく晴れたものの、明日からまた雨が続くようだ。貴重な晴れの日を、無駄に過ごすわけにはいかない。

千葉方面、横浜方面へは最近行ったので、今日は埼玉県へ向かうことにする。まずは小田急線の世田谷代田駅

からの、西武電鉄の野方駅。自転車なので鉄道の駅を通る必要はないのだけど、どうしてもわかりやすさから駅をランドマークにしてしまう。野方駅の前には病院があって、病院の前で、マスクをしたお姉さんが看護師さんに「あなた、コロナとインフルなんだから病院に入らないで」と言われていて可愛そうだった。両方同時に感染したら、さぞかし辛いのではないだろうか。伝染りたくもないので、早々に駅を後にした。

光が丘公園にはバーベキュー広場があった。 11 時を回ったばかりだったが、早くも良い匂いが立ち込めている。

お腹が空いたので、成増駅に向かってそこで昼食を摂ることにする。昼食も駅を避けたほうが快適なはずなのだが、飲食店があることが確実なのでついつい駅に向かってしまう。

モスバーガー成増店は激混みだった。やっぱり失敗だったか、と思ったのだがこのモスバーガー、なんと、一号店だったらしい。1972年3月12日に開業したそうだ。偶然立ち寄ったにしては出来すぎである。ただ、特別なメニューなどは一切なし。壁には、モスバーガーの歴史が書かれている。それを見た時はまだ一号店だと気が付いていなかったので、写真は撮らなかったのだが、歴史が変わる度に壁を塗り替えるのはコスパ悪過ぎだろうと思っていた。本店の装飾なら、納得である。

昼食後もどんどん埼玉県の奥地を目指す。通りがかった道の真ん中に、見事な木が生えていた。近くに神明神社というものがあったので、神社の持ち物なのだろうか。

柳瀬川を渡って、さらに進む。写真を撮っていたら、ブロンプトンを見て「めちゃくちゃカッコいいじゃん・・・!」と呟きながら若者が去っていった。単にブロンプトンがカッコ良かったのか、 chpt3 だという事を知っていたのか。

さて、本当は今日は森林公園駅まで行きたかったのだが、このペースでは無理そうだ。どこから帰ろうかとスタバに入って Google Maps を眺めていたところ、霞ヶ関という名前の駅を発見した。埼玉県にも霞ヶ関があったとは・・・!

ja.wikipedia.org

距離もちょうど良かったので、本日のゴールは霞ヶ関駅とした。帰る前に、最後に入間川に立ち寄って川沿いの道を走りたかったのだが、川越線東武東上線に邪魔をされてほとんど走れなかった。

入間川を出てちょっと走ったところ、無事に霞ヶ関駅に到着した。なにか面白いものがあるかなあと期待したのだが、ごく普通の郊外の駅といった感じだった。スタバがあればコーヒーを飲みながら帰りたかったのだが、そういう雰囲気でもなかったので、自販機でコーラを1本買い、そのまま電車に乗り込んだ。