結果的に“飛ばし日記”を書いてしまった

先日の日記に姫路での18病院“受入れ拒否”事件を取り上げたが、情報が整理されるにつれて随分違う様相を見せてきた。
詳しくは
姫路事件の真相 - 新小児科医のつぶやき
を参照してもらいたいが、とりあえず自分の理解のために新規の情報を箇条書きにまとめてみた。

・事件当夜、患者の病態(末期肝硬変での食道静脈瘤破裂と推定)に対応できる専門医(消化器内科)の当直している病院が存在していた。
・救急隊から病院への連絡では病態に関する説明は無く、「今日の当直は何科ですか」のみ。
 当直医の専門科を聞いて「それでは結構です」で終わり。
・救急隊は外科対応可能な病院を探しており、結果的には判断ミス。
・つまり、“受入れ拒否”したのは病院ではなく救急隊。
・にも関らず、病院側の“受入れ拒否”のニュアンスを強めたマスコミ報道。
神戸新聞に掲載された“受入れ拒否”病院リストの拒否理由は救急隊のメモ内容そのまま。
 病院からは取材を断られたので市にねじ込んだとの事。

報道を受けた直後のワタシの認識は
  断っても仕方ないくらいに医療体制は疲弊している(前から分かってるが)
だったのだが、むしろ留意しなければならないのは
  必要以上に病院サイドが叩かれる構図が出来上がっている(これも前から)
そしてその根本には
  取材と考察が不足した感情論の飛ばし記事しか書けないマスコミ(・・・)
医療崩壊」以前に「報道崩壊」を何とかすべきではなかろうか。
もっとも、ワタシの書いた日記も新聞報道の“飛ばし記事”と似たり寄ったりなので、あまり自慢はできなかったりするが。



ちなみに「姫路 18病院 救急」でググって見つけた、とあるブログでの記述。

「ベッドない」は、ヒドいんじゃないの?
ICUでも、
外来の診察室でも、
どこでもイイじゃん。
そういう肝心なとこ、
医者って
アタマまわんないわけ?

「ベッドが有る」とは専門の執刀医と麻酔科医と設備とICU要員とその他もろもろの救急医療体制が整っている事なのだが、この手の情報に普段無関心な人はそういう肝心なとこにアタマまわんないようだ。
ちょっと頑張れば質の良い議論がなされている個人サイト(個人に頼る現状が辛いが)はいくらでも見つかるのに・・・