2012-01-07
■[経営・ビジネス] 15年前のSONYに学ぶ
の変遷がよくわかる。
その中でも特に興味を引いたのが出井氏の取組みだ。1995
年に社長に就任し、2005年まで務めた。目前に迫っていた
対応すべきかという「解」を持たなかった大賀氏が、「解
」を持つ存在として白羽の矢を立てたのが出井氏だった。
出井氏は、「デジタル・ドリーム・キッズ」と「リ・ジェ
ネレーション」という2つのメッセージで方向性を示した
。つまり、「アナログからデジタルへ」突き進むと宣言し
た。
ーという立ち位置を明確した上で、「ハードとソフトは、
ソニーグループのビジネスの両輪」という経営観を示した
。
出井氏は、デジタル化に伴い、ITとAVの融合はネット
ワーク時代でソニーが生き残る必須条件と考えた。また、
製品の売り切りからの脱却、製品を売った後から始まるビ
ジネス(定期収入)の取組みを説いていった。警備会社の
セコムを例に、「セコムのように売ったらそれで終わりで
はなく、モノを売ってから始まる商売を始めなければ生き
残れません。」と説いた。
ハードの販売だけで高い利益を確保すること、あるいは売
上を伸ばすのは難しいと考え、新たな収益源をネットワー
ク・ビジネスに求めるべきだと考えていた。ハード単体で
の売り切りのビジネスではなく売った後からも続くビジネ
ス・モデルの開発などに挑戦するものの、いずれも成功し
たとは言いがたい。音楽配信や動画配信では十分な利益が
得られる段階までには到らなかった。(ソニー銀行やソニ
ー損保などの金融ビジネスはそこから始まったが)
結局、出井氏が社長・会長を勤めた11年間に「売ってか
ら始まるビジネス」は実現しなかった。
また、創業メンバーではない、自分の求心力は「数字」と
言い、そのめに、ソニー本社をグループ企業を管轄する持
株会社と事業会社に分けようとした。従来の本社を「アク
ティブ・インベスター(長期的視点から投資先の成功を求
める投資家)」として、事業ユニットの業績の目標設定や
その評価などを行うものの、オペレーションには直接関与
しないものとした。
まさに、某社が今やっていることっていうのは、これと同
じことではないだろうか。「売り切りから売って始まるビ
ジネスへの転換」、「組織再編」。某社は、ソニーに10
年以上遅れて、しかも、成功しなかった同じことをやろう
としている。これって、コンサル会社の叩き台とかをベー
スにしているからこうなるのではないだろうか。ソニーか
ら十分学べるのではないだろうか。同じことをやるのであ
れば、「ソニーがやったこととコンセプトは同じだが、こ
こがこうだからソニーは失敗した、うちはここが違うので
成功する」ということを言えなければ経営者ではないだろ
う。
ソニーの「売ってから始まるビジネス」は成功しなかった
し、おそらく某社も成功しないと思う。それは、どちらに
も「顧客視点」がないからだ。
そもそも、「継続的に儲ける」とか「三度儲かる仕組み」
とか言うが、それは企業側のやりたいことではなく、お客
さんのやりたいことではない。そこが根本の問題だ。成功
するとしたら、「継続的に儲ける仕組み」でもなんでも、
それがお客さんにとって必然性がなければ受け入れられる
わけがない。大切なのはアイデアが100あることではな
く、必然性が1つでもあることだ。
そこがアップル社との根本的な差だ。スティーブ・ジョブ
スは、会社とは、「株主でも、社員のものでもなく、顧客
のもだ」と言ったという。
iPodにしても、「音楽を大量に持ち歩きたい」というニー
ズから出発した。そのためには、PCで全部完結し、そこ
でネット経由で買えればなお便利、ということからiTunes
が生まれた。
そこに立ち返らない限り、いくら企業側が「二度儲ける、
三度儲ける」といったところで、それが実現することはな
いと思う。もう1点、そういうビジネスが本当にできてい
る会社っていうのは、私たちは、「売ってから始まるビジ
ネスモデルです」とか「二度、三度儲けるビジネスモデル
で成功しています」なんて絶対言わないと思う...。
2011-05-09
■[人・講演] Sさんへのメッセージ
Sさんへえらい辛らつなメッセージを送ってしまった。あまり
にも煮え切らないこと、中途半端なことに対して、いらいらが
募っていたことも起因していると思う。
すぐに返事がないことを考えると、せっかくインドまで来てく
れたのに、やはり気分を害してしまったのかもしれない。
Sさん自身が優秀なのは間違いない。でも、「情報欲しい欲し
い病」は昔と何も変わっていなかった。それが変わらない限り
、Sさんが今後成長していくことは難しいのではないだろうか
。
必要なのは「情報」ではなく、「額の裏に汗をかいて考えるこ
と」だ。どんなに情報を集めたところで、結局、仮説も課題設
定も何もなければただの情報で終わってしまう。考えるという
プロセスがあるからこそ、その情報が価値ある情報に変わるの
だ。そこをわかって欲しいのだが、こればかりは経験しないと
難しいのかもしれない。
逆にそういうことを発想すらしたことのない人に、大切なのは
情報ではなく考えることだ、と言ったところでピンと来ないの
かもしれない。そういう意味では、無駄にSさんをダメ出しし
て気分を害してしまっただけで、僕の送ったメッセージは何の
意味もなしていないかもしれない。そういうメッセージの送り
方自体がそもそも間違っているのかもしれない。
本人は一生懸命考え抜いたつもりでいるから、これまた伝わら
ないんだろうなぁ。こういうものは、「考え抜く」ってこうい
うことなんだ、というのを経験して初めてわかること
なんだと思う。
そういう意味では、僕の場合は、バーバラ・ミントの「考える
技術・書く技術」の経験が多い。Hさんに言われて、1冊の本
をA4で1枚にまとめたが、同じ作業を3回させられた。作業
した後には、これで出し尽くした、と自分では思っている。で
も、Hさんに「本当にそれでバーバラ・ミントを超えたか?」
と言われて、再度考えてみると、さらに研ぎ澄まされた答えが
出てくるのだ。たかだか本のサマライズではあったが、「額の
裏に汗を流して考える」ということがどういうことなのか、を
僕はこれで実感することができた。えらそうなことを言えるほ
ど、僕も思考は深くないが、それでも、一度こういう経験をし
たので、他人が考え抜いた上で発言しているのか、そうでない
のか、というのはなんとなく感じることができる。
なかなか人にメッセージを送る、というのは難しい。。。
2011-05-04
■[日本] グループ内の競合
とあるビジネスをやっている部門が、インドの競合メーカーに
あるデバイスを売り込みにいってたみたいだ。その調査結果が
けっこう面白かった。やはり、営業として何か相手にベネフィ
ットがあるものを持っていくからこそ情報が得られるのだろう
。そう考えると、自分たちの立場だとなかなか、企業を訪問し
て、というところに難しさを感じる。
一方で、F事業において、そのデバイス部門は、他社に売り込
みにいくわけだから、F事業部門の当事者としては面白くない
。それに関しては、結局は、「仁義をきる」ということになる
。もちろん、デバイス部門からしたら、もちろん自社内のF事
業部門が買ってくれるならウェルカムだし、他社にも持ってい
きますよ、ということだろう。
以前は、親会社とは別の会社として認識されていたから、あっ
ちとは別です、という形でいろいろできたことができなくなっ
てくる、という話もチラッと聞いたことがある。
そういう弊害もあるのであればやはり全社の力を集結、という
よりは別事業として考えたほうが自然だろう。それがたぶん、
同じグループ内で、同じ商品をやる、というような競合する部
分も出てくるだろう。NTT内で、いろんなところでプロバイ
ダー事業が出てきたような。ただ、ガバナンスの形態として、
今回の統合の形態がよいかどうか、というのはケーススタディ
としてよい材料になると思う。
2011-04-29
■[インド] S社のBOP向けの商品
S社がBOP向け商品を出している情報があったので、ムンバ
イのとある展示会に行ってきた。
「イノベーティブな商品」と自ら言っていたが、ただのソーラ
ーLEDランプであった。一般的なランタンとの違いは、せい
ぜい形状がランタン型ではない、というぐらいだった。ベネフ
ィットとして、「灯油ランプがいらない」とか「電気の来てい
ない場所でも使える」と声高々に言っていたが、それらはラン
タンであっても同じことであり、何も目新しいものはなかった
。どんな面白いものが出てくるのか、という期待があった分、
残念であった。また、価格を聞いてみても、4500Rs近く
であり、とても商売が成り立つとは思えない。ディストリビュ
ーションチャネルを持っていると言ってはいたが、それが本
当に流通しているとは信じがたい。
ただやはり、インドのような国で事業を行う場合、BOPとい
うのは見過ごせない。実際にビジネスとして成り立たすのが
難しいまでも、CSR的な観点からも、BOPに取り組んでい
るというのが評価される部分もある。今回のS社の場合、そ
の後者の立ち位置にいると私は感じている。
このS社の例を見ても、そうなかなかイノベーティブなもの
が出てくるわけではないな、ということを再確認した。それ
こそBOPというのは、あっと驚くようなアイデアでイノベ
ーションを起こすというよりも、地道な努力を徹底して続け
ていくことの方が重要なのではないだろうか。それこそ、販
売チャネルを確実に広げるとか、コストを下げるとか、エデ
ュケーションを行うとか。結局、地力と本気度が問われるよ
うな分野だと思う。
まぁ、今回はS社のプレゼンを聞いてても、まぁ本気度は伝
わってこなかった。そうだとしても、何もやらないよりは、
BOPを見て、アクションを起こしているほうが何歩も先を
いっているのは確かだ。
