2012-04-24 脳梗塞と脳出血
いわゆる脳卒中には、脳の血管がつまる脳梗塞と血管が破れる脳出血があります。どちらも致命的な病気であることに変わりはありませんが「二兎を追う者一兎をも得ず」で臨床現場では歯がゆい思いで治療が行われています。
脳梗塞の原因は、動脈硬化(高血圧や糖尿病や脂質異常症などの結果)による場合と、血栓などが原因になる場合の大きく2つあります。
動脈硬化に対しては、生活習慣病をきちんと管理することが一番重要ですから、血圧や血糖値やコレステロールなどの管理が中心になります。
一方血栓の場合は、血液を固まりにくくする薬剤を使います。この血液を固まりにくくすることは、血栓を防ぐにはいいのですが、一方で出血した場合は血が固まらなければ大変なことになります(脳で出血すれば脳出血です)。
実際に脳外科医の話を聞くと、脳出血の手術をするケースでは血栓を予防する薬が相当の割合で使われているとか。かと言って、薬を使用していなければ脳梗塞を起こす可能性が高くなるので非常に悩みながら治療法を考えているのです。血栓を予防する薬を使う場合は、血圧をしっかり下げることが重要と言われる所以です。
ところが、血圧の薬を飲んでいるにもかかわらず、約半数の患者さんは必要な効果が得られていないとの報告があります。その多くは仮面高血圧と言われ、夜間の血圧が高かったり、早朝に血圧が上ったり、ストレス時に急激に血圧が上昇したりしています。これらの高血圧をきちんと管理することが脳卒中の予防にも重要なのです。
さて、ジレンマを抱える脳卒中治療ですが、漢方家の立場で考えるならば、良質の田七人参を使いたいと思います。田七人参は、血液の流れをスムーズにする働きがある一方、出血を早く止めるという相反する効果を持ち合わせています。1日に2〜3gを摂取するとなると価格も心配ですね。当薬局で扱う田七は100%の原末で1ヵ月分3800円なのでかなり割安だと思っています。このブログでは商品の宣伝をするつもりはあまりないのですが、良い品を良心的な値段で提供する姿勢を汲んでいただければと思います。
脳出血は冬場に発症割合が高いもので、温かくなるこれからの時期は少し安心できます。しかし脳梗塞は1年を通して大きな変動がありません。もしかしたら電力節約により脱水症の増加が脳梗塞の発症を増加させるかもしれないのです。どちらにせよ、生活習慣病の管理は薬だけでなく、生活習慣の見直しも合わせて効果的にやりたいものですね。
漢方薬・心療内科相談・皮膚科の病気・生活習慣病・不妊症
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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2012-04-06 クローン病・潰瘍性大腸炎を考える
昨日行われた学術講演会。難治性の自己免疫疾患であるクローン病・潰瘍性大腸炎に生物学的製剤を使った場合の有用性についてでした。
ステロイドを中心とせざるを得なかった少し前の時代と比べ、病人の日常生活は格段によくなったのが生物学的製剤の登場でもたらされたのです。
しかし1回数万円〜10万円の薬剤であるから公的な補助がなければ治療を受けられないのも事実です。これらの生物学的製剤は、関節リウマチや尋常性乾癬などにも効果がありますが、知り合いのリウマチ専門医の話では、費用のため治療をためらう方もいると言ってました。
この製剤がターゲットとするのは、TNFαという体内物質。日本において増加傾向にある自己免疫性疾患には、食事の欧風化が一因と言われています。そこで浮かんだのがメタボリックシンドローム。メタボリックシンドロームは、身体の脂肪細胞の増加により生活習慣病がいくつも重なる病態です。そして、脂肪細胞から分泌される物質の一つがTNFαなのです。
クローン病や潰瘍性大腸炎は、下痢を主体とすることから痩せた人が多いのですが、痩せているから脂肪細胞が少ないと飲み方は正しくありません。痩せた女性の脂肪肝は珍しくありませんからね。
免疫機関としての腸を考えれば、食事によって腸内の細菌は変化します。この腸内の細菌バランスの乱れが、免疫機構の破壊につながり、自己免疫疾患に関係してくるとの考え方も成り立ちます。事実、漢方薬の使用により、腸内細菌のバランスに変化が見られるとの研究結果もあり、漢方薬が効果を現す時には薬としての作用の他に、腸内細菌のバランスを変化させ免疫系を正常化させる食事としての間接作用もあるのだと思います。
すると、私のところはササヘルスというクマザサ製品を扱っていますが、クマザサの生い立ちを考えると腸内細菌のバランスの正常化に寄与するでしょうから、間接的な作用は期待できますね。1日100円前後から使用できますから、経済的でもあります。
そして、漢方薬が使えれば、トウカトウ・オウゴントウ・ハクズオウトウなどがあります。学会報告でもかなりの有効性が出てますから、漢方薬も一つの選択肢に上ることでしょう。生物学的製剤が免疫系を抑えることによる効果はすばらしいものですが、抑えすぎは感染症や発癌のリスクも考えなくてはいけません。
そう考えると、食事を中心に自分の生活を見直すことは重要ですね。和食は塩分を工夫すればすばらしい健康食です。脂肪の摂りすぎが、ややこしい免疫バランスの異常として、アレルギーや自己免疫性疾患の増加に関係していることを肝に銘じましょう。
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2012-04-01 これからの薬局の花粉症相談は・・・
冬の長かった当地長岡でも、花粉症が始まりました。目や鼻の局所症状に対し、点眼薬や点鼻薬などの局所治療薬が中心になります。そして、点眼薬や点鼻薬で効果不足の場合に抗ヒスタミン薬の内服が行われます。使用成分に違いはあるものの、薬局でも病医院でも基本的に変わりません。
抗ヒスタミン薬はヒスタミンをブロックすることで、くしゃみや鼻水や目の痒みなどの症状を軽くするのですが、同時に眠気やのどの渇きなどが副作用として現れます。眠気は脳の中でのヒスタミンの働きがブロックされることなのですが、集中力や判断力にも悪影響がありインペアードパフォーマンスとして知られています。また学習能力も障害され、抗ヒスタミン薬を服用していると7割も減弱するとのデータがあるのです。
さて、薬局で販売される薬の大部分は、抗ヒスタミン薬にクロルフェニラミンが使用されています。第1世代の抗ヒスタミン薬に分類されるこのクロルフェニラミンは、脳でのヒスタミンの働きをブロック作用が強いのです。病医院で使用される抗ヒスタミン薬は、第2世代が多くなっており、当然脳でのヒスタミンブロック作用は弱いため、集中力や判断力の低下は弱くなります。一部の薬剤は、車の運転に対する注意が必要ないレベルにさえなっています。
長期間使用され安全性がわかっている第1世代、一方で脳の働きを抑える作用も強く集中力や判断力や記憶力なども低下させます。第1世代の欠点を改善して出てきた第2世代は、私が得ている資料によれば効果は劣らずに副作用を低く抑えています。ただ、長期間の使用経験が少ない分、まだ安全性は第1世代ほど高くはないでしょう。でも私は脳の働きへの影響度を考えると第2世代の抗ヒスタミン薬を薬局でも中心にするべきだと考えています。少なくとも、私が飲んだり家族や親しい人が使う場合は、第2世代を中心に考えるでしょう。
薬は、特に薬剤師が関与する割合の高いOTC医薬品では、優先されるべきは安全性であって、効果よりも優先度が高いように思うのです。しかし、安全性が高いが効かないでは消費者・市民は納得しませんから、安全性を優先しつつ最大の効果を得られるように考えるのが薬剤師の技術でしょう。
薬局で提供できる第2世代の抗ヒスタミン薬もありますし、私には漢方相談という技術もあります。これらは、脳の働きを損なうこともほとんどなく、効きめも第1世代と遜色ありません。今までの第1世代の抗ヒスタミン薬を否定しませんが、安全性を考慮して、また欠点を補う別の選択肢としての第2世代の抗ヒスタミン薬や漢方薬も、選択肢として提供したいと考えています。
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2012-03-07 オセロ中島さんとマインドコントロール
今回は、マインドコントロールを憎む一人の心理カウンセラーとして書いてみようと思います。
私たちヒトはコミュニケーションを求めながら生きる動物です。人生の出来事の中で、そのきっかけはある日突然訪れます。身近で大切な人を失ったとき、物事がうまく進まない時、「人生って何?」と悩んだとき、あるいは友人や影響力のある人からの紹介で、カルトなどとの接触が出来上がる。
中島さんの場合は“占い師”でしたが、一般的にはカルト教団がマインドコントロールを駆使して人格を操作していきます。社会との接点を減らし、その代わりにカルト団体との共有時間を増やします。コミュニケーションの割合を一般社会からカルト側へ多めに移していくのです。その結果、自然と(場合によっては半強制的に)カルトの考え方を受け入れていくようになります。恐喝などを使って強制的に思考の変化を指せる場合は、洗脳と呼ばれています。
接触時間が増えれば、同じような考え方を繰り返し繰り返し伝えることで、当初は疑念があっても(「そんなことはないだろう」⇒「ひょっとしたらあるのかなぁ」⇒「たまにはあるのかもしれない」⇒「あるんだ」)徐々に信用するように変化します。宗教など団体で活動する場合は、仲間がいるからさらにその考えは強化され促進されると考えられます。
その一方で、組織の考え方を否定するような概念(一般常識など)は、間違った考え(真理へのハードルなどと称し)として植えつけてゆき、そのような考えをする人(組織外の人)を敵対視して(悪魔・サタン・地獄などと表現する)さらに一般社会から隔離しようとします。こうなると立派にマインドコントロールは成立していますね。
あとは、組織に都合のいい考え方を、どんどん植えつけてゆくだけですが、マインドコントロールによって、正常に判断する力を失っていますから、どんな考え方でも受け入れてしまいます。オウムの一連の事件は、一般社会から見ればおかしな考えですが、信者にすれば当然の考え方なのです。だから凶悪犯罪でも平気で行うことができるのです。
さて、脱マインドコントロールは、この逆です。少しずつ接点を取り戻し、いろんな考え方があることを認識してもらう(認知療法の技法)。家族・友人はコミュニケーションの方法を見直し(カウンセリングマインドや対人関係療法的な技法)被害者を無条件(原則的に)に受け入れてゆくようにします。時間はかかりますが、この方法が確実な方法ですから、直接本人とのカウンセリング時間が取れなくても(当初は取れないことが多いものです)家族や友人に、家族療法的に接することで間接的にカウンセリングするようにします。
中島さんは、今回無事に占い師から引き離せたとのことですが、マインドコントロールの解除はこれからです。時間がかかっても成功することを見守りたいと思います。
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2012-02-12 アトピー性皮膚炎をどう治す?
先週は、4日土曜に東京慈恵会医大で行われたアトピー性皮膚炎治療研究会に、5日日曜は日本皮膚科心身医学会に参加してきました。
皮膚科疾患は、私も力を入れている相談分野の一つです。しかも患者数の多いアトピー性皮膚炎がテーマの研究会、さらにもう一つ力を入れている分野、心身医学が合体した学会も同会場で連続して行われるということで、薬局を臨時の休みにして参加してきました。
20年くらい前でしょうか、マスコミを中心に過剰ともいえるステロイド治療へのバッシング報道がされ、その影響でステロイド治療への不信が高まり、ステロイド治療以外の治療法が注目され、怪しげなアトピービジネスなども雨後の竹の子のように現れました。私ら漢方業界・薬局業界もその一部に含まれる行為がなかったとは言い切れないでしょう。でもそのような人は極一部で、大多数の専門家はステロイド治療に対し過剰な偏見は持っていません。
今現在、私が懇親会で話したアトピー性皮膚炎の専門医たちは、ステロイドを拒否する患者さんに誤解のないよう説明するものの強制はしないとの立場でした。強制しても結局使用するのは患者さんですから、納得しなければ薬(ステロイド薬など)を使用しないか、別の医師を探すか、怪しい商法に飛びつくか、がほとんどです。漢方薬を扱う私にもステロイドを使いたくないという方が相談に来られますが、ガイドラインに沿った説明をし無理にステロイドをやめさせるような話はしません。一番大切なことは、早く楽にしてあげること(それはクライエントの希望に沿う形で、でも誤解があれば正確な情報を伝えて客観的に判断してもらってから)です。
さてアトピー性皮膚炎の治し方ですが、皮膚科の立場からは基本はステロイドの塗り薬(外用薬)になります。会場に入ったのが少し遅れたので肝心の部分は聞き逃したのですが、断片をつなげてみれば、今までの使い方は中途半端すぎて逆にステロイドの悪い面ばかりが出やすかったのでは?ということです。
ですから、皮膚炎の状態に合わせて、必要な強さのステロイド外用薬(ステロイドの強さで5グループに分類されます)を、充分な量(現在はFTUという単位で使用量を説明します)、そして充分な期間(炎症状態が落ち着きを示すまで)、しっかり使うことが大切です。
この方法では、恐らく多くの方が「そんなにたくさん使って大丈夫なの?」と疑問を持たれるかもしれません。しかし、早く効果が出ればその分早くステロイドを使用しないようになるので、最終的なステロイドの使用量は少なくなるのです。中途半端に使う方が、総使用量は多くなり、結果的に副作用が出やすくなります。皮膚炎が落ち着いたら、再発を抑えるためにスキンケアを行うことで、かゆみ・赤みなどの悩みから脱却できます。
しかし、100%の方が、これで改善するかと言ったら何割かは改善しないケース(あるいは、多少改善しても満足できないケース)が存在します。そこに、焦点が当たった研究会でした。漢方薬の話題はなかったものの心理的なケアを加えることで、悪化を改善する方法が紹介され非常に参考になった研究会でした。
会場の慈恵医大は、森田療法のメッカですから、森田療法のテーマが多かったのですが、ブリーフセラピー的な関与やトラウマの視点からの関与、あるいは認知療法的な視点などが報告されました。
では、実際にどのようにすればいいのでしょう?まず、ステロイドの希望を確認します。私の今までの経験では「絶対イヤだ!」という方はほとんどいません。ですから皮膚科の治療を並行して漢方薬をプラスすることになります。皮膚の状態と痒みの強さ、全身状態を考慮して漢方薬は決まります。私が使う漢方薬は20種類以上あるでしょうから、特定の漢方薬を紹介することは控えます。
そして、掻く行為にも焦点を当てる必要があります。なぜなら掻くことでアトピー性皮膚炎は確実に悪化し痒みが増すからさらに掻きたくなるの悪循環に陥るからです。ここに心理療法の視点を取り入れることで効果がより確実に上がりやすくなります。
アトピー性皮膚炎は、難治性の皮膚病ですから、いろいろな要因が複合的に関連して症状を発現しています。皮膚炎の症状を抑えることではステロイドを中心(強さ・使用量・使用期間が適切であることがポイント)とすべきですが、心理社会的な影響や食生活(以前も紹介したかもしれませんが、大阪市大のグループは興味深い報告をしています)など全般的な視点も忘れてはいけないでしょう。
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2012-02-08 40代の不妊症
先月、嬉しい報告が飛び込んできました。42歳の女性からの妊娠報告です。相談開始から半年足らずでの妊娠報告に私もびっくりですが、年齢が高かったので、漢方薬だけでなく複数の補助薬を使う提案を受け入れてくれたことも今回の結果に結びついたのでしょう。でも、これからもリスクが高いので出産まで、まだ油断はできません。安胎薬としての漢方薬で流産予防をしながら無事出産までたどり着きたいものです。
さて、年齢が上がれば上がるほど自然妊娠しにくくなります。いろいろな要因が関係しますが、漢方では《腎》の働きと密接に関係していると考えます。《腎》は腎臓を指すのではなく、泌尿器系・生殖器系・神経系・老化システムなどを包括する概念です。35歳以降の女性は、何らかの形でこの《腎》の機能低下があると見た方が良いように思います。
この方は、40歳を超えていたので自然妊娠のタイムリミットも迫り、《腎》を強化して生殖機能を高める必要性があると考えました。ただ、漢方薬だけではその働きは弱いと思い、《鹿茸》を1日500?〜1000?追加して最高のコンディションを早期に作り上げることを提案しました。通常は費用の点で、この提案を受け入れてもらえないことが多いのですが、この方は受け入れてくれたので意外に早い妊娠報告が頂けたのかもしれません。
また、現代医学的には卵子の硬さが受精を困難にしているといわれています。40代は血管でも動脈硬化がある程度進んでいます。当然卵子も硬くなっていても不思議ではありません。卵子表面を柔らかくする方法(すなわち受精しやすくなる方法)としてビタミンEを300〜400?追加する方法も提案し、受け入れていただきました。私は、うつ病などの精神疾患も専門にしていますが、神経ネットワークをスムーズに機能させる方法としてEPA(エコサペンタエン酸)を応用している研究者がいます。今は、ビタミンEとEPAを組み合わせる方がより確実ではないかと考えています。
この方は冷えが自覚症状としてありましたから、最初は当帰四逆湯を使用しましたが、自覚症状に変わりがないため甘草乾姜茯苓白朮湯に変更し、これで妊娠が成立しました。漢方薬は、体のバランス状態を改善し、自然な妊娠を促す土台作りに必要です。そのうえで補助薬をどのタイミングでどのくらい組み合わせるかが大事かなと思います。
今までは、費用が上がるので私もあまり積極的に紹介してこなかった補助薬ですが、今回の経験を踏まえ30代後半以降の人には薦めてみようと考えます。
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2012-01-09 この時期のアトピー性皮膚炎の手入れ
皆様、今年にもよろしくお願いします
年明け早々、再決断療法の研修に参加してきました。ここ数年、ひきこもりや不登校の相談が増えてきた感があります。
様々な心の相談に対応するには漢方薬だけでは限界もあり、効果を早く確実にするための方法を模索してきました。
そして、いくつかの心理療法を身に付けるべく勉強してきたのです。その中の一つに再決断療法があります。再決断療法の魅力は非常に短期間に変化が現れるということでしょう。まぁ、再決断療法やカウンセリングの話は別の機会に改めてしたいと思います。
さて、この時期は皮膚が乾燥することもありアトピー性皮膚炎など乾燥性の皮膚疾患は悪化しやすい頃です。
言うまでもなくスキンケアがポイントとなるのですが、医師の多くはワセリンを中心に処方し、その使用感の悪さで敬遠され皮膚炎は悪化しやすいのです。漢方薬を使いながら皮膚の乾燥を改善する方法もありますが、今回はスキンケアを中心にします。
アトピー性皮膚炎の患者の皮膚は、皮脂膜が少なく角質間の水分量も減少しており、これが皮膚炎の発症に大きく関係しています。ですから人工的に角質の水分を補い、バリアの膜を作って潤いをキープすれば皮膚炎の悪化は防げるのです。
まだ議論の余地があるものの、軟膏類の使用量に関してはFTUを基準とした使用量がコンセンサスを得てきつつあります。おそらく、多くの場合で今までの倍以上使用することになるわけですが、ステロイド軟膏のような治療薬と違い、スキンケアの場合は相当使用感が悪くなることでしょう。当然、使用回数が減り、スキンケアの目的が達成されなくなります。
当薬局では、ワセリンの代わりに、薬局製剤であるAEP軟膏(プラスチベースという軟膏基剤にビタミンAとビタミンEを混合した製品)を使っています。ワセリンに比べ、伸びが良く皮膚へのなじみも優れ、使用感は数倍にアップしています。薬は使われてこそ、初めてその効果を発揮するものですから、この使用感の差は効果の差として跳ね返ります。
もちろん、ただ単に皮膚に付ければいいわけではなく、より効果的になるいくつかのポイントもありますが、スキンケアをきちんとすることで、皮膚炎の悪化を抑え改善を促し、結果的にステロイド軟膏の使用量を抑えることができるのです。
あちらこちらと皮膚科医を渡り歩いたり、あれこれ各種のスキンケア商品を試す方が多くいますが、何か肝心なことを忘れているように思われます。きちんと皮膚の構造や生理機能を踏まえた上で、正しい使用方法を行えば意外に早く脱出できるのではと、日ごろの相談から感じています。アトピー性皮膚炎に限らず、専門家から丁寧にアドバイスをもらうことは、ネットやドラッグストアのような手軽さはありませんし割高でしょう。でも十分な効果を出すには、専門的なアドバイスを必要とするケースもあり、そのコストにより私らの専門的知識は常に更新できています。
「高かった」と言われないよう、今年も学会や研修会の参加を通して、最新知識を吸収し皆さんに還元してゆきたいと考えます。よろしくお願いします。
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2011-12-12 うつ病の相談
当初は、漢方相談に簡単なカウンセリングを入れた程度からのスタートでしたが、
東洋心身医学研究会や日本心療内科学会などへ参加して研究を重ねてきました。
現在は、カウンセリングや漢方薬だけでなく、心理療法として認知行動療法・自律訓練法・交流分析(エゴグラム・交流パターン分析・時間の構造化・ゲーム分析・脚本分析)・対人関係療法・再決断療法・森田療法・・・などを、単独で、または組み合わせたりして提供して、一定の効果を感じています。
他にも、栄養学の視点・脳科学の視点も必要に応じて取り入れて、さらに効果を上げるよう研究を続けています。
一例をあげます。子供の進学を機に、うつ状態になった女性は、不安感を強く訴え、自己記入式のテストでも高いうつ状態が示されました。不安を鎮めるために漢方薬を用い、発症のきっかけになった思考の癖にアプローチするため、来局の度にカウンセリングをしながら、認知行動療法に基づく思考パターンと気分の関連や行動への影響を確認させ、対人関係療法の視点からコミュニケーションの改善を図り、交流分析(脚本分析)を通して思考の癖の起源に迫ることを繰り返し、状態が改善してきました。
学問的には、満足できるような方法ではないかもしれませんが、臨床現場では改善するためにあらゆることを提供することが大切なのです。漢方薬だけでは、思考の癖を改善することはありませんから、再発の危険性があります。短期的に改善することがゴールではありません。長い将来にわたって、精神的に健康な状態をキープすることがゴールなのです。このように考えると、私が身に付けた心理療法の技術は、心の体質改善療法として、ストレス社会を生きる社会的スキルとして、大切なことと考えます。
安全性や有効性が高い抗うつ薬が増えましたが、抗うつ薬だけで治療効果が上がらない人も少なくありませんし、再発している人は意外と多くいます。NHKや朝日新聞などマスコミは心理療法・精神療法として認知行動療法をクローズアップしていますが、他にも有効な心理療法・精神療法があることを報道していません。したがって、抗うつ薬での治療で効果のなかった人が認知行動療法に救いを求め、効果が上がらなければ、絶望感が漂うように思うのです。
エビデンスレベルとしては、私の提供する方法は、かなり低いものになるでしょう。でも、学問体系として確立された漢方薬や心理療法を薬剤師として責任を持って用いています。無資格者による学問的根拠のないビジネスや新興宗教による活動とは、大きく違っています。
私の薬局でのケースを紹介し、治りにくいうつ病や精神疾患・心身症で悩んでいる方が、少しでも希望を感じていただけたら幸いです。焦ることも諦めることもないと思います。薬局での相談に抵抗がある方には、出張での相談も行っていますので遠慮なく申し付けください。
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2011-11-19 インフルエンザ・肺がん・喘息・・
今週は火曜日のインフルエンザフォーラムに始まり、肺ガン・喘息と呼吸器の講演会に終始しました。これから呼吸器疾患の増加する時期ですから、病名は違えどタイムリーですね。偶然と言えば偶然ですが・・・。
印象に残ったことは、肺がんの講演で、吐き気を抑えることが(優れた薬が使えるようになった影響が)治療効果にかなりの影響を与えるということ。
当然と言えば当然なのでしょうが、治療が続けられるとか、食事ができることで体力の低下が少ないとか、悪液質になりにくい・・・などの理由が考えられるでしょう。がん治療に漢方薬を使うと抗がん剤の副作用が抑えられ、結果的に治療効果が上がるという報告は珍しくないのですが、どの程度効果に差があるのかはっきりわかりませんでした。今回のデータで、かなり差がつくことも理解できたので、漢方薬使用のメリットはかなり大きいと思われます。
懇親会の席で、講師にいくつか確認し、ガンサバイバーになるために必要なことを、がん専門医も同様に考えていることで安心してアドバイスしていこうと思った次第です。
また喘息に関しては、ステロイド吸入によりはるかに喘息死は減ったものの、まだ1〜2割はコントロール不十分なケースがあることに触れ、画一的な治療だけでなく個別化したテーラーメードの治療の必要性が話されました。その中で心理的なケアは触れることはなかったのですが、心療内科学会に所属しているとどうしても大切な要素だと思うのです。重症例は、様々な要素が複雑に関係してきますので、心理的アプローチや漢方薬なども積極的に使用していくことも重要だと思うのですが、・・・どちらもかなり深い勉強が必要ですから、忙しい医師には後回しにされるのかもしれません。
まだ、定期的にブログを更新するペースがつかめませんが、なんとかこんなゆっくりペースでも更新していこうと思います。
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2011-11-12 リウマチ・サルコイドーシス・・・
木曜日は長岡赤十字病院にて開催された『中越リウマチを診る会』に参加しました。新人の医師や非専門医を対象にしている会らしいのですが、リウマチの漢方相談を受ける私も参加。
今回は、「痛い!」という症状を訴える患者さんに対して、何をどのように確認していくのか(問診)、似たような病気との鑑別点など、ドクターGの参加者になったような感覚で話を聞いてきました。
痛みを訴える方は多いので、リウマチ性疾患など重要な病気を見逃さないよう注意しなくてはなりません。そういう点でも、とても参考になりました。
そして、リウマチの方のレントゲン写真の解説を受け、改めてリウマチの怖さを再認識しました。またリウマチの重症度や治療の効果を確認する指標DAS28の解説もあったのですが、時間の関係で私は聞けませんでした。
さて、リウマチの治療は、かなり進歩しました。ステロイドや痛み止め中心の時代から免疫反応を抑える治療へと進化し、関節破壊にまで進行するケースは激減しています。このような時代でも漢方薬の必要性はあると思っていますが、エビデンスが重視される今の医療体制では、漢方専門医といえどもまずガイドラインに沿った治療が優先されるでしょうね。
リウマチに漢方薬を使うことで、薬の使用量や副作用を減らすことが期待できますし、治療に満足できない人の相談を受けることも珍しくありません。私の強みは漢方薬に加えて、心理面のケアができること。日本心療内科学会に入って認知行動療法や交流分析を学んだおかげで、うつ状態を伴ったケースにも対応できますし、線維筋痛症の相談も可能です。全人的医療とまでは言いませんが、病気を治す医療でなく、必要とは言えステロイドや免疫抑制剤による体の負担を減らし、不安やうつ状態に寄り添う病人を癒す医療のベースは漢方医学と心身医学にあると思っています。あとは実践あるのみですが・・・。
そして金曜は、心臓サルコイドーシスの診断と治療をテーマの講演会に参加しました。サルコイドーシスの相談は受けたことがありますが、アドバイスだけでした。その人は漢方薬との相性がよかったようです。治療はステロイドを一生続けることになるので診断を慎重にする必要があるとのことでした。ステロイドはよく効く半面副作用にも注意が必要ですからね。ただステロイドが有効ということなので、炎症を抑える作用のある柴胡や甘草の入った漢方薬が使えると思います。またニキビの原因菌アクネ菌が原因として注目されており、アクネ菌に対する治療もされているとか。感染という見方をすれば、また違った漢方薬も候補に上がりますね。難しい病気ですが、どのような相談にも適切な漢方相談・心理ケア(場合によっては心理療法)ができるように、日々の研鑽に努めなくてはなりませんね。
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2011-11-03 再開します
しばらくペースが乱れ、休んでいたブログですが再開しようと思います。
とは言っても、以前のようにほぼ毎日というわけではなく、週1〜2回のペースで様子を見ながら・・・。
今日は、新潟薬科大学にて県薬剤師会主催の、薬局製剤・漢方研修会に講師として参加してきました。
短い時間に漢方薬の話をしたのですが、どこまで理解いただいたか??私の実力不足もありますね。
さて、当薬局の提供メニューに心理療法・カウンセリングを加えました。
今までは、漢方相談と皮膚病相談に力を入れてきたのですが、昨今のストレス社会でうつ病などの
相談も増え、漢方薬中心の相談に加え、精神療法を併用したり単独で行ったりすることの必要性を
強く感じ、認知行動療法・対人関係療法・交流分析(エゴグラム分析・ゲーム分析・脚本分析・再決断療法など)・
自律訓練法、などをしばらく集中的に勉強していました。(現在も進行中ですが・・・)
心療内科学会に所属している影響もあるかもしれませんが、必要性を感じたからですね。
薬剤師が心理の勉強をして、実際の相談を受けることで、心身の不調を医療の知識と心理的な問題を両面から
とらえた、より人間的なオーダーメイドの相談が可能になったと思います。
心身医療・全人的医療・総合診療の薬局版といえるでしょうか。(ちょっとオーバーでしょうか?)
そこで、このブログも心理関係の話題が増えるかもしれません。
なお、心理療法・カウンセリングは、出張での相談も受けています。もちろん有料ですが、医療知識を
持つ薬剤師が行う『心の相談』のメリットも感じていただけたらと思います。
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2010-07-01 テスト
ご無沙汰しています。
パソコンを買い替えました。
まだ細かな設定などが終わっていないので、以前のようには書けませんが、
徐々にアップしようと考えています。
それにしても悪いことは重なるもので、あの後FAXの調子が悪くなったり
エアコンが壊れたりと、これでもかと災難が襲ってきました。
まぁ、この程度で済んだと思うようにしています。
ブログの書けない間に、本の原稿を書きだしました。
まだ10%程度しか出来上がっていませんが、一部は印刷をかけて
お客さんに配っています。
漢方と心身医学を中心に書いていますが、出来上がったら紹介しますので
興味のある方は是非お読みください。
熱中症に注意が必要な時期になっています。
皆さん、ご自愛のほどを!ではまた、
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2010-04-07 クモ膜下出血について
まだパソコンは本調子ではありません。しばらくは運に賭けて見たいと思います。今しばらくご不便をおかけします。
プロ野球コーチの木村拓也さんがクモ膜下出血で倒れ、周囲の願いも虚しく他界いたしました。木村さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
クモ膜下出血は、脳動脈の奇形(動脈瘤など)が原因とされ基本的な予防策は血圧管理くらいしかありません。脳ドックなどで発見されなければ『ある日突然、今まで元気だったのに』となります。今回の木村さんは正にこのケースです。
木村さんは若かったですから、高血圧があっても決して高くなかったはず。一時的な血圧上昇が動脈瘤を破裂させたのでしょう。心身医学的にはタイプAパターンに分類される、イライラせっかち傾向の人は要注意でしょう。漢方で言う”気逆タイプ”も気をつけた方がよいと考えます。
具体的には、イライラせっかちな行動を改めたり、気逆を改善する漢方薬を使うなどです。脳出血の家系があれば、血圧管理に加えてこれらの予防策を実行されるとよいでしょう。
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石渡剛一
2010/04/16 18:30
勉強になります。
2010-04-05 テスト
何故か、パソコンの調子が悪くメールが上手く受診できませんでした。そのために、しばらくブログを休んでしまいました。長男に調整してもらったので大丈夫かと思いますが、特に原因らしいものが見つからなかったので、再発するかもしれません。
ブログのアップが上手くいかなかったら、再発したと思ってください。無事アップできますように!
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2010-04-01 詰まるか切れるか
どうしても経過の気にかかるお客さんは存在するものです。確認のために連絡すればいいとは思うけど、営業活動と取る人もいるであろうし、結局連絡もしないでモヤモヤした気持ちのまま日々を過すこととなるのです。こんな繰り返しですね。
一昨日は長岡地区内科セミナーに参加して来ました。立川総合病院循環器脳血管センター脳神経外科副所長阿部博史先生の『当院における脳梗塞治療の現状』と厚生連長岡中央総合病院脳神経外科副院長竹内茂和先生の『脳卒中治療〜最新の話題とCSPS−?〜』の講演がありました。
脳梗塞の血管内治療や最新の画像診断の特徴などを判りやすく説明され、とても参考になりました。また外科的治療だけでなく、内科的な薬剤を用いての治療を昨年発表された脳卒中ガイドライン2009に基づき解説され、どの薬剤を使うかを脳外科の立場で話され日頃内科医の話を聞くことの多い私にとって参考になりました。
一番印象に残ったのは竹内先生の勤務する病院で年間数十例は、抗血小板薬や抗凝固療法の効き過ぎによる脳出血であるとの点です。血管が詰まることで心筋梗塞や脳梗塞などになりますが、詰まらせないようにすれば今度は出血の危険性が高くなるのです。
脳においてはどちらも致命的であるため悩ましいのですが、高血圧が治療されるに従い脳出血が減少したことを考えると、血圧をきちんと下げて血管が詰まらないように薬剤で予防するのが一番でしょう。竹内先生もそのように説明されていました。どの程度まで下げればいいのかは意見が分かれることでしょうが、120/80あたりが早朝の家庭血圧での目安となるようです。
生薬にデンシチニンジンというものがあります。この生薬は、出血は止めるけど血液は固まりにくくするという相反する作用があります。血管が破れたり切れたりしたときは速やかに止めるので、戦場などでは活躍した生薬です。その効果から脳出血にも応用ができると考えます。
また漢方で言う”オケツを去る”働きは血流改善作用のことでもあり、血管内で血液がサラサラと流れるように働きますから、血管の詰まりを防ぐのです。脳梗塞や心筋梗塞に応用できるでしょう。
私の考えでは、このデンシチを使えば脳卒中(脳梗塞と脳出血)のどの症状にも無難に(安全に)効くのではないかと思うのです。エビデンス重視の最近の傾向にはシックリきませんが、いろいろな文献を探してみたいと思います。
現在、脳梗塞予防のために薬を服用中の方は、転んだり頭をぶつけて脳出血を起こすと大変ですから、日頃から注意してください。そして出血の危険性をできるだけ減らすために血圧を上げないよう生活を見直すことも忘れないようにしてください。
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2010-03-31 詰まるか切れるか
どうしても経過の気にかかるお客さんは存在するものです。確認のために連絡すればいいとは思うけど、営業活動と取る人もいるであろうし、結局連絡もしないでモヤモヤした気持ちのまま日々を過すこととなるのです。こんな繰り返しですね。
昨日は長岡地区内科セミナーに参加して来ました。立川総合病院循環器脳血管センター脳神経外科副所長阿部博史先生の『当院における脳梗塞治療の現状』と厚生連長岡中央総合病院脳神経外科副院長竹内茂和先生の『脳卒中治療〜最新の話題とCSPS−?〜』の講演がありました。
脳梗塞の血管内治療や最新の画像診断の特徴などを判りやすく説明され、とても参考になりました。また外科的治療だけでなく、内科的な薬剤を用いての治療を昨年発表された脳卒中ガイドライン2009に基づき解説され、どの薬剤を使うかを脳外科の立場で話され日頃内科医の話を聞くことの多い私にとって参考になりました。
一番印象に残ったのは竹内先生の勤務する病院で年間数十例は、抗血小板薬や抗凝固療法の効き過ぎによる脳出血であるとの点です。血管が詰まることで心筋梗塞や脳梗塞などになりますが、詰まらせないようにすれば今度は出血の危険性が高くなるのです。
脳においてはどちらも致命的であるため悩ましいのですが、高血圧が治療されるに従い脳出血が減少したことを考えると、血圧をきちんと下げて血管が詰まらないように薬剤で予防するのが一番でしょう。竹内先生もそのように説明されていました。どの程度まで下げればいいのかは意見が分かれることでしょうが、120/80あたりが早朝の家庭血圧での目安となるようです。
生薬にデンシチニンジンというものがあります。この生薬は、出血は止めるけど血液は固まりにくくするという相反する作用があります。血管が破れたり切れたりしたときは速やかに止めるので、戦場などでは活躍した生薬です。その効果から脳出血にも応用ができると考えます。
また漢方で言う”オケツを去る”働きは血流改善作用のことでもあり、血管内で血液がサラサラと流れるように働きますから、血管の詰まりを防ぐのです。脳梗塞や心筋梗塞に応用できるでしょう。
私の考えでは、このデンシチを使えば脳卒中(脳梗塞と脳出血)のどの症状にも無難に(安全に)効くのではないかと思うのです。エビデンス重視の最近の傾向にはシックリきませんが、いろいろな文献を探してみたいと思います。
現在、脳梗塞予防のために薬を服用中の方は、転んだり頭をぶつけて脳出血を起こすと大変ですから、日頃から注意してください。そして出血の危険性をできるだけ減らすために血圧を上げないよう生活を見直すことも忘れないようにしてください。
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2010-03-30 とある頻尿の相談
私の周りでは、タイヤを冬タイヤから夏タイヤに変えた方がいます。でもまだ今年は雪が降るんですね。そのせいでしょう、アチコチで事故や脱輪がみられたようです。私はまだタイヤを変えていませんが、夏タイヤの車がスリップしながら向かってきたら逃げるに逃げられないでしょうね。でも細心の注意で運転しないといけませんね。
本人ではない家族の方が先日相談に来られました。その女性の方は日中の頻尿がひどく(5〜10分おきくらいにトイレに行かれるそうです)外出もままならないとのこと。専門医での検査を勧めましたが、そのような状況なので受診にも行けないとのことで困った家族の方が相談に見えられたのです。
本人ではないので、詳しい体質などを含めて確認できなかったのですが、頻尿の状態で使う漢方薬があることをお伝えし、相談の流れや料金などを話して、後日機会がれば連絡の上本人に相談に来ていただくことになりました。
まだ来られてないのですが、もし漢方薬でやるとしたら女性でもあるので《冷え》があると考えれば、カンゾウカンキョウトウを中心とした漢方薬が効果的でしょう。
水分の摂取が多いようであれば、その原因疾患(糖尿病や尿崩症)も念頭におきながら、ハチミガンやリョウキョウジュツカントウなどが効果的と考えられます。
また一種の神経症傾向があれば、リュウコツ・ボレイ・ブクリョウなどの入った漢方薬が効果的と考えられますし、森田療法などの精神療法もいいでしょう。
いろいろと考えられますが、薬局だけで対応するには無理があると考えています。少しでも落ち着いたら一度専門医の診察を勧めるつもりです。でも、実際にはまだ見えられていないのですけどね。どちらにしても器質的な異常がないことを願うだけです。
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2010-03-29 薬物犯罪の落とし穴
雪がちらついたり日が差したりと目まぐるしく変化するのがここ数日の天候です。今年の農作業もボチボチとスタートしました。土曜日は仲間との勉強会のため閉局後に小出まで行ってきたのですが、体力の低下か帰りの車の運転が眠く感じました。気をつけねば!
さて、今朝のワイドショー?で、覚醒剤取締法で掴まったハスキーボイスが魅力的な歌手・桂銀淑さんを報じていました。芸能界は弱音を吐けない世界・・・というような内容のコメントを寄せていたように記憶しています(スイマセン、集中して聞いていたわけではないので)。
また覚醒剤は友人から「疲れが取れる」と勧められ、覚醒剤とは思わずに使用したと言います。そう言えば私が薬物乱用防止教育でアンケートを取った時「どのような時に薬物を使用したくなるのでしょう?」との質問に、必ず友人から勧められた時との答えがあるのです。
本当の友人なら「犯罪に巻き込むようなことはしないよね」と話してくるのですが、芸能界では本当の友人を見つけることが出来なかったのでしょうか。もっとも桂銀淑さんは韓国出身ですから、日本にいなくても韓国にはいるのでしょうけど。
大人になると確かに真の友人を作ることは難しくなるように思います。学生時代のように利害がまったく絡まない人間関係の場は多くはありませんからね。でも趣味のサークルなど、交流の場に出かけることは重要ですよね。
犯罪にしろ、精神的な病気・症状にしろ、身近に何でも話せる人がいる場合、発生が少ないことは容易に予想がつきます。親しい人がいれば孤立しなくても済みますから、冷静な判断ができるのではないかと思うのです。
薬物犯罪に手を出すかどうかは、日頃の自己肯定感が重要かと考えています。私の薬物乱用防止教育では、薬物の知識だけでなく自己肯定感の程度も事前にアンケートし、保護者にフィードバックするようにしています。
ただ、常に自己肯定感を高めていられることは人生において難しいでしょう。この時に親しい人がいるかどうかが、重要だと考えます。自己肯定感が低くなった時に、悩みを聞いてくれるだけでも心が軽くなるものです。非行や犯罪に走る青少年の多くが家庭に問題があると指摘されるのは、このような理由ではないでしょうか。
進学や異動などで今までの環境から新しい環境へと入る人も多いことでしょう。できるだけ早くプライベートな話題まで話せる友人ができるといいですね。まずは、自分から進んで挨拶してみましょう。
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2010-03-27 心臓のメタボ化を防ぐ
バタバタした今週がようやく終わろうとしています。昨日は午前中に栃尾地区(現在は合併して長岡市)の老人クラブ連合会で講演を行ってきました。回収したアンケートには難しかったとの声もあり今後の反省材料ですね。内容を詰め過ぎたのかもしれません。
昨日の学術講演会は難しかったです。一般開業医の先生数人に伺っても難しかったと言ってますから、薬剤師にはレベルが高かったですね。『拡張不全の病態と戦略的治療』と題した講演の講師は桜橋渡辺病院心臓血管センターセンター長岩倉克臣先生でした。
拡張不全は心臓の機能低下の一つの状態で、心不全につながります。難しい言葉ですから、敢えて説明すれば心臓の筋肉が弱って拡がりにくくなった状態です。特殊な検査でわかるらしいのですが、健診などで”心肥大”となっていたら恐らく拡張不全もあるだろうと予想できます。
心臓が大きくなることが何故いけないのでしょう?風船をイメージしてもらえばいいのですが、弾力性のなくなった風船は見た目は大きくなっていますが、膨らむ時も空気が出るときも最初のような力強さはありません。この状態が心臓で起きれば全身に充分な量の血液が送られにくくなっていると考えられます。これを私は”心臓のメタボ化”と名づけました。
このような状態にならないように、血圧の管理を含めた生活習慣病の管理が重要になってくるのです。最近は臓器保護の観点から血圧の薬も選ばれるようになってきており、いくつもある降圧薬の特徴を生かすことが医療者には求められます。
一方で、患者サイドは何もすることがないわけではありません。やはり生活習慣病にならないよう、自分の生活習慣を見直すことが大切です。特に肥満などの体重管理と脂肪や塩分の摂取過多には注意が必要です。
また心拍数(脈拍数)が多いとそれだけ心臓の負担が増えることから貧血にならないよう注意が必要ですし、動悸を感じやすい方も注意が必要です。心拍数を下げるβブロッカーと言われる降圧薬は拡張不全にも実際に用いられます。
漢方薬で言えば、ケイシキョシャクヤクトウ・シャカンゾウトウ・ケイシカリュウコツボレイとう・・・などがありますし、救心や六神丸なども効果的と考えられます。拡張不全を経て心不全の先には死が待っています。心臓のメタボ化も防ぎましょう。
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2010-03-26 喘息のコントロール
昨日は日本薬剤師会の薬局製剤漢方委員会に出席したため、ブログを休みました。楽しみにしていた方申し訳ありません。暖かいと思ってコートを着ないで行ったら寒かったですね。今日の長岡は時折雪もちらつき、まだ春と言うにはちと早いですね。
一昨日の学術講演会は『喘息治療の実際ー診断から最新の治療までー』と題し京都大学大学院医学研究か呼吸器内科学准教授新実彰男先生による特別講演でした。
昨年10月、喘息予防管理ガイドライン(JGL)の最新版JGL2009が発表され、発作症状を速やかに改善する気管支拡張薬と喘息の本体である気管支の炎症を鎮める吸入ステロイドの位置づけやこれらの混合薬の使い方などを説明いただきました。
最新版では、より炎症治療に重点が置かれステップ1から少量ながら吸入ステロイドを使用するよう推奨され、ステップ2からは吸入ステロイドは基本使用薬とされています。それだけ炎症の管理をきちんとしないと重症化しやすくコントロールを良好に保つことが難しいとの考えに基づくのです。
さて、喘息治療の目標となるコントロール良好状態とは、喘息症状がなく発作治療薬も使用しないで、運動を吹くも日常生活上の活動に支障がないなどです。つまり基本治療薬としての吸入ステロイドは使っているものの喘息発作がまったくない状態が、コントロール良好となります。
週1回以上喘息症状があったり症状の悪化が年1回以上あればコントロール不十分となり、症状の悪化が月1回以上あればコントロール不良とされています。
コントロール状態が悪ければ、当然ですが治療は強化されます。コントロール不十分であれば治療ステップを1段階、コントロール不良であれば治療ステップを2段階上げて、コントロールの良好状態を目指します。
炎症が重視されるのは、喘息の症状である呼吸困難や喘鳴の原因となる、気管支狭窄や気管支粘膜のリモデリング(肥厚)や気管支過敏性が炎症により引き起こされるからです。したがって根本から治すには炎症を抑えるのが一番効果的だとの考えで、実際に吸入ステロイドによる治療が始まってから喘息による死亡は減少しているのです。
その後の懇親会で、喘息憎悪因子としてのストレスとの関係を聞いてみました。一般的にストレスを受けると交感神経が活発に働くので気管支は拡がります。気管支が狭くなるのが喘息なのに何故と言う疑問が今までわからず新実先生に聞いたのですが、残念ながら明確な答えは得られませんでした。どうやら交感神経以外の要素の働きで気管支が狭くなるようです。まだまだ複雑ですね。
でも日本心療内科学会の前理事長吾郷先生は、ストレス性の喘息の治療が大変上手いと聞きます。おそらくストレス管理を上手く取り入れたなら、コントロール不十分なケースやコントロール不良なケースでも、治療ステップを新ガイドラインほど強化しなくても大丈夫なのでしょうね。漢方相談を中心とする私もストレス対策は更に強化したい分野です。
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