ひろはし薬局 廣橋義和ブログ

2009-06-25 新型インフルエンザと漢方薬

今回の東洋医学会学術総会では、通常の季節性インフルエンザに対する漢方薬の効果に関する発表もいくつかありました。新型インフルエンザ(病原性の高い低いに関わらず)も漢方薬での対応は季節性インフルエンザと何ら変わることはありません。


ただ感染症に対し漢方薬の優れている点は、刻々と変化する症状に対して体の治癒力を最大限発揮できるような漢方薬が揃っていることでしょう。知っての通り、同じインフルエンンザでも人によって症状が異なります。西洋医学的な治療では大きな違いはありませんが、漢方薬では正反対の薬を選択することさえあるのです。


例えば発熱している人の場合、西洋薬では解熱剤を使用します(種類はいくつかあっても作用は同じです)。一方漢方治療では”寒気が主体の発熱”と”熱感が主体の発熱”を区別し、前者には温めて新陳代謝を高める漢方薬を後者には熱を排出して身体を冷やすような漢方薬を使います。


間違って前者に冷やす漢方薬を使用すれば症状は悪化しますから、症状だけでなく状態も確認しないと漢方薬の選択ミスが生じるのです。この場合は選択ミスですから”誤治”といい”副作用”とは区別するべきものですが、最近は悲しいことに副作用に含められています。


さて、気になる新型インフルエンザタミフルが効くのか?リレンザがいいのか?薬の量は十分なのか?いろいろ疑問があります。週刊誌や新聞等で、タミフルやリレンザの代わりに漢方薬が効くという記事を目にすることがあります。


私は新型インフルエンザ(病原性の高い低いに関わらず)に対しても漢方薬は十分効果があると信じています。問題は使い方なのですが、私の住む長岡市にも東洋医学会の専門医が十数名います。この中でも漢方の古典を読み症状や状態に合わせて漢方薬を使いこなせる医師は数名程度ではないでしょうか。


記事ではマオウトウを中心に漢方薬が紹介されていますが、病名だけで漢方薬を選択した場合、選択ミスの起きる可能性は低くありません。10年以上前、慢性肝炎でショウサイコトウを病名で選択され間質性肺炎を起こし亡くなった方が続出しました。


マオウトウでも、何らかの事故が起きる可能性を心配しています。新型インフルエンザでは私もマオウトウを使うでしょう。でも他に、ダイセイリュウトウ・ケイシトウ・ケイシマオウカクハントウ・ケイシニエッピイットウ・カッコントウ・ケイシカカッコントウ・サイコケイシトウ・ショウサイコトウ・ダイサイコトウ・サイコケイシカンキョウトウ・マオウサイシンブシトウ・シンブトウ・シギャクトウ・ダイジョウキトウ・チョウイジョウキトウ・・・・など約50種類の漢方薬を使い分け、ミスのないよう注意深く症状や状態を確認するつもりです(いつものように)。


そして適切に漢方薬が使用されれば、学会などで報告があるようにタミフルに劣らない(タミフルより効果が認められた発表も多数あります)成果が上ると考えています。一般の方がドラッグストアコンビニなどで漢方薬が手軽に買えるようになっていますが、医療職でさえきちんと理解している人が少ないのですから買う時は慎重にするのが賢明かと思っています。


”インフルエンンザと漢方薬”についての新聞や雑誌の記事を見て、専門家(一応?)として正しく使ってもらいたい思いからコメントしました。参考になさってください。

  --------------------------------------------------

心療内科相談・皮膚科の病気・漢方薬生活習慣病不妊

新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局

http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/

過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブログ》から探してみてください。

あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm

新型インフルエンザの情報はこちら

  ⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub13.html

メールは《Re:タイトル》でお願いします

hirohash@seagreen.ocn.ne.jp

講演の依頼に関しては、ホームページに掲載してある講演内容を参考にして、お申込下さい。