ひろはし薬局 廣橋義和ブログ

2017-09-30 逆流性食道炎の咽症状

 食欲の秋、実りの秋、私たちの遺伝子のどこかには冬眠に備えて秋に食欲が増すような仕組みがあるのかもしれません。この真偽はともかく、夏の日差しをたっぷり浴びて育った食物は、秋になると美味しさが最高になります。炭水化物たんぱく質・脂肪などの含有割合は食物によって異なっても、それぞれに栄養価も高く食べ過ぎてしまわないよう注意が必要ですね。今年は東日本を中心に日照不足が気になるものの秋に出回る旬の食べ物を思い切り味わいましょう。

 でも、せっかくの旬の食べ物を美味しく食べたくても叶わない人もいるのです。糖尿病腎臓病などが進行した方やクローン病では食事制限が加えられていることもありますし、胃がんで胃を切除した方では物理的に食べる量が少なくなります。また、胃腸の動きが悪く「食欲があまり湧かない」「少し食べただけでお腹いっぱいになる」「常に満腹感がある」などの機能性胃腸症という病気の方も少なくありません。今回は機能性胃腸症の一症状として逆流性食道炎を取り上げました。

 逆流性食道炎の症状として「ゲップ」「胸やけ」などが主に浮かびますが、人によっては「胸の痛み」「慢性の咳」「咽の違和感」等を訴えます。いろんな咳止めを飲んでも治まらなかった頑固な咳が胃薬で簡単に解消したなんて話も時々あります。ドクターGではありませんが、全身の状態をよく観察することが重要なんですね。そして、逆流性食道炎とわかれば胃薬で解決できますのでH2ブロッカー(商品名ガスターなど)やPPI(プロトンポンプ阻害薬のこと)で強力に胃酸の分泌を抑える治療が一般的に行われています。

 しかし、薬に付きまとう副作用も考慮してメリットとのバランスの中で薬を選択したり、場合によっては薬を使わなかったりします。当薬局は漢方相談に力を入れていますから、漢方薬が効果的な場合には基本的に漢方薬選択しますし、事実逆流性食道炎には漢方薬が良く効いてくれます。そのような中、食事でPPIに匹敵する効果が得られたとのニュースが入ってきました。

 報告したのはニューヨーク医科大学耳鼻咽喉科のチームで、喉のかすれや痛み、咳といった咽喉頭の症状(咽喉頭逆流症)に対し、植物性の食品を中心とした食事アルカリ性の水(PHが8前後を示す水のことで、一般的なアルカリ性飲料とは全く異なります)での生活により、PPI治療と同等の結果が得られたというもの。

ただ、食事療法食事全体の80〜95%を野菜や果物、全粒穀物、ナッツなどの植物性食品とし、肉類や乳製品などの動物性食品を5〜10%以内に抑える地中海風の食事を摂るというもので、飲み物はPH8のアルカリ水に限定するという徹底ぶり。

また、コーヒーや紅茶、アルコール飲料チョコレート、炭酸飲料、揚げ物、高脂肪食などを避けるといった基本的な食事指導は、PPI使用群と食事療法群のどちらにも行われています。

 その結果、2ヶ月後の症状スコアが一定以上改善した患者の割合は、PPI治療群で54%食事療法群では62%となり、統計上は優劣のつかない結果となったのです。

食事療法のハードルはかなり高いと考えられ、日本での通常の食事から現実的に変更するとなると試行錯誤が必要ですが、非常に強力な酸抑制薬であるPPIに匹敵する結果が得られたことで、食事内容に対してアドバイスすることが改めて重要だと再認識しました。

 いろいろな症状を伴う逆流性食道炎の相談には、短期的には漢方薬や制酸剤を使用して症状を早めに軽減し、その後は無理のない範囲での食事療法経済性を考慮して植物を原料としたサプリメントなどを再発防止目的に使用するのが現実的にはベストな選択肢ではないかと考えています。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師心理カウンセラー新潟薬科大学臨床教授)

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