ひろはし薬局 廣橋義和ブログ

2017-10-21 口と腸の環境と免疫異常

 明日22日は、衆議院議員選挙の当日ですね。時折すれ違う候補者の車の窓から、本人と支援者が白い手袋をはめた手を振ってくる光景を見て、ある出来事を思い出しました。10年位前から私の車の中には白い手袋が常に入っています。運転をしていたある日のこと、対向車が選挙応援カーだとわかった私は急いで白い手袋をつけて手を振り返していました。自分の応援する候補者だったかは覚えていませんが、誰でも良かったのです。とにかく一度、せっかく手を振ってくれるのだから、手を振り返してあげようと思っていただけで、どうせなら白い手袋もつけた方が良いだろうと。本当はどんな反応を示すか確認したかったものの、あいにく運転中で表情を確認する余裕はありませんでしたが。現在50代、また機会があれば・・・、双方向のやり取りがコミュニケーションですからね。

 さて当たり前ではありますが、いろいろな病気に免疫系が関係していることがわかっています。そして免疫に関する研究は進歩が著しく、新しい知見を覚えることが大変な状況になってきている私の現状です。この進歩により難病・不治とされた病気に有効な薬剤が開発され、私たちの健康に大きく貢献しています。その一方で、免疫システムに作用する薬剤は高額なものが多く、医療費という点では別の問題も生じてきました。悩ましいですね。私は、もっと安価な方法で免疫システムを調整することができないかと考えているのですが、ただの薬屋のオジサンには限界だらけですね。

 そのような状況でも、ヒントとなるような報告が入ってきます。ちなみに、「免疫は上げればいい」という単純なものではありません。感染症やがんなどでは、免疫システムが働いて細菌ウィルスなどの微生物やガン細胞などを処理することが重要です。しかしアレルギー膠原病などでは過剰な免疫システムの働きを抑えることが必要なので「免疫を下げる」ことが必要です。ですから車に例えるならアクセルとブレーキの両方が適切に働く免疫システムでなければならないので「免疫システムの調整」という表現を好んで用いています。

 近年、アレルギー性鼻炎などの治療にスギ花粉抗原を用いた減感作療法が行われるようになってきました。口から肛門までの消化管にアレルゲンを触れさせることで異常な免疫システムを調整しようとする方法で、一定の有効性が認められているために保険で使用できるようになっています。今、消化管を利用した免疫システムの調整は非常に注目されていることなのです。特に腸内細菌の研究は大きく進歩しています。

 つい最近私が目にした報告の一つは、関節リウマチの患者に対するプロバイオティクスリウマチ症状が改善したという愛知医大名誉教授の青木重久先生の報告です。腸内細菌のバランスを変えるとリウマチ因子の検査値とリウマチ症状が改善したということは、比較的安価で安全性が高いプロバイオティクスの可能性を広げます。もう一つは、消化管の自己免疫疾患であるクローン病の患者の唾液を正常なマウスの口内に入れたら、腸にクローン病と同じ炎症が起こり肺炎桿菌(通常、腸内にはいない)が増えていたというもの。肺炎桿菌は口内には普通に存在する細菌で、何かのきっかけで腸内で増えると自己免疫疾患の原因の一つとなるらしいのですね。そういえば、何年か前のイグノーベル賞は「キスでアレルギーが改善する」というものでした。健康人の大便を移植する「便移植」という立派な治療法もありますね。

 治療法として実用化されるには超えるハードルがいくつもありますが、少なくとも口内環境や腸内環境(腸内細菌バランスだけでなく腸管粘膜の状態なども含みます)に配慮することは健康作りに重要なことでしょう。口内炎歯肉炎下痢便秘といった軽い病気という見方は、ちょっと変えた方が良いかも知れません。口内炎歯肉炎は炎症部位から病気の原因となる何かが体内に入り込みやすいでしょうし、下痢便秘は腸内細菌叢の乱れや腸管の荒れのサインと捉えることができます。これらの病気を繰り返したり慢性化している方は、一度相談してみてはいかがでしょう。



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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師心理カウンセラー新潟薬科大学臨床教授)

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