:NO.1『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』
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グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた (単行本)
辻野晃一郎 (著)
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[ 8点 ] ※10点満点中
愛社精神溢れるタイトル。いいね。
ソニーでの会社員生活終盤は、まさにソニーの凋落とかぶる。カンパニープレジデントとして、次世代家電に育て上げようとしたコクーン。しかし、久夛良木さん率いるPSXとの製品の乱立。そして、潰される。
あの頃はホント、外野から見ても、「え、なんで同じような製品が出てるの?」って、残念に思ってたなー。ガバナンスの欠落、短期損益志向、時代の変化についていけない経営者・・・、いろいろと原因が絡みあってたんだろうけど、コクーンが生き残っていれば違ったソニーの家電が見られたかと思うと残念で仕方がない。
そして、混乱、混乱、混乱。社内政治に明け暮れる。どうしようもない無力感、そして、退社決意。
ここまで踏ん張らないといけないんだ。まだまだ甘いぞ、自分。
退社。そこで出会った、グーグル。グーグルにある初期のソニーのスピリッツ。
しかい、製造業との決定的な違いがある。それは、完璧主義の必要がなく、最も求められるのはスピード。誰かがやる前に自分がやる。石橋を叩いて渡っていては遅いんだ。ネットの群集知が問題を発見し、しかも解決の糸口まで教えてくれるから。
そして、本書の締めくくりは、「今、私には夢がある。」か。アツい人だ。いいね。
◇American Rhetoric: Martin Luther King, Jr. - I Have a Dream
http://www.americanrhetoric.com/speeches/mlkihaveadream.htm
物事を楽観的に捉えるのか、悲観的に捉えるのか、新たなこと(仕事)を楽しむと感じるか、苦しいと感じるか、それは自分次第。そう、自分次第なんだ。
そういえば、ひさびさにワクワクするソニー製品が発表された。NGP。
でも、スペックにばかり目が行くのがなぜか心配。PS3の始まりと同じにならなければいいが。
◇[SCE]新型携帯ゲーム機「NGP」3G対応 タッチパネル搭載 年末発売へ
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/01/27/044/
:NO.54『果つる底なき』
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果つる底なき (講談社文庫)
池井戸 潤 (著)
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[ 7点 ] ※10点満点中
読了。
ミステリー。犯人は予想どおりだったけど、元銀行マンの著者ならではの銀行内部事情が興味をくすぐる。楽しんで、一気に読めた。これだったらミステリーじゃなくて、経済小説でいいじゃないって思ったけど、そっち方面も書かれてるのかな。ちょっと注目しておこう。
あ、ドラマしか見てないけど、著者原作のドラマ「空飛ぶタイヤ」も面白かったです。WOWOWだけに配役もかなり渋いし。
◇連続ドラマW「空飛ぶタイヤ」|WOWOWオンライン
http://www.wowow.co.jp/dramaw/taiya/
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/06/15
- メディア: 文庫
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:NO.53『卒業』
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卒業 (新潮文庫)
重松 清 (著)
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[ 9点 ] ※10点満点中
まゆみのマーチ、あおげば尊し、卒業、追伸。
四篇の短編集。すべて親の死にまつわるお話です。
いろんな卒業があるなーと。
まゆみのマーチにはやられました。
とてつもない恐怖であっても乗り越えられない壁はないってことを言ってるのかな。自分にはそうは思えないってことはまだまだ子供。時間が大人にさせてくれるのか、それもとも何かのキッカケが、人を大きくさせてくれるのか、それ自体が親の死か。僕にとっては想像力の果てにあるような気がして、鋭くて触ると切れそうなので、目をつぶっておこう。
実感わかないけど、もしかしたら、あと10年もすれば直面するようなことのなのかもしれない。もしかしたら30年経っても直面しないかもしれない。でも、おそらくいつか直面するんだろうとは思う。その日まで考えるのは止めようと思った。
大仕事の前に、片付けなきゃいけない小さなことが山積みだから。
(オススメの本です。)
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/11/28
- メディア: 文庫
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:NO.52『インシテミル』
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インシテミル (文春文庫)
米澤 穂信 (著)
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[ 7点 ] ※10点満点中
久しぶりのミステリー。しかも、べたべたの密室フロアでの殺人事件ネタ。
高校生の頃、こういうの一時期はまったなー。解決編の最期のカタルシスが気持ちよくて夜中に一気読みってやつ。おかげで次の日、寝不足で1限目から机に突っ伏して爆睡。おかげさまで、高校時代の勉強は全く頭に残ってません。あー。
内容?フツーに楽しめた。しかも、夜中にホテルで読んだんで、ちょっと臨場感も持てたし。
で、結局、インシテミル=淫してみる?なのかなぁ•••。分かりません。
映画化もされてるみたいです。
◇映画「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/incitemill/
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/06/10
- メディア: 文庫
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:NO.51『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』
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残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (単行本)
橘玲 (著)
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[ 8点 ] ※10点満点中
やっとLA暮らしも慣れてきました。そんなLAに行く飛行機の中で読んだ本がコレ。自分でも意識してなかったけど、タイトルがこんなのなんで、異国の地にいささかの不安を持っていたのでしょうか。
と、言うものの、こちらの生活は快適そのもの。まだほとんど何も知らず良い面だけを享受させてもらっているかのようなコメントですが、ホントに快適。こちらは日本人も比較的多く、かといってそれだけの生活にもならず(日本人べったりに自分がしたけりゃできるけど)、米国の良い面とミックスされて、良いとこ取りができそうです。住環境も緑が多く、落ち着く場所に住まいを見つけることができたので、ゆったりと生活ができそうです。
さて、本書。ほとんど覚えてないや。メモってるのこれくらい。
信じる信じないは別として、ここまでの遺伝学や心理学の「発見」をまとめてみよう。
①知能の大半は遺伝であり、努力しても大して変わらない。
②性格の半分は環境の影響を受けるが、親の子育てとは無関係で、いったん身についた性格は変わらない。
ということで、自己啓発も、遺伝的にできるかどうか決まってるし、はっきり言って無駄。そして、子供の成長に親は必要ないってことで、子育てに精を出す必要はないってこと。「やればできる」の否定。そう、自らにとっても、周りにとっても、できないことを受け入れることありきで、温かい目で見てあげることが大事。
信じる信じないは別としてね。
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/09/28
- メディア: 単行本
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:NO.50『この国を出よ』
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この国を出よ (単行本)
大前 研一 (著), 柳井 正 (著)
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[ 7点 ] ※10点満点中
今週末、この国を出るので読んでみました。読了。
表紙はえらい笑顔なんだけど、中身は辛辣。
誰一人信頼できない政治家、3年以内に国債はデフォルトしそう、それなのに、若者は海外へ出たくないって言い出す始末。まったくもってノーテンキな日本人。そんな日本にもう黙ってられない2人が物申す。ほとんどボロカス。褒めてるところほとんどなし。
年収が370万円なのに、920万円も使ってしまうようなものです。しかも、この家庭には、1億円近くの借金があるのです。その返済のメドも立たないのに、毎年400万円の新しい借金をしている。この家庭に、いつまでも借金を続けることは可能でしょうか。
日本の国家財政を一般家庭に当てはめるとわかりやすいなー。こんな破綻した家庭にお金を貸す銀行はないよね。
じゃあ、日本再生のためにはどうすればいいのか。
(1)所得税・法人税ゼロにして消費税をアップ
(2)若手議員の育成(10年計画で鍛えて一国のリーダーに)
(3)一院制(参議院を廃止)
(4)官僚のリストラ(解雇できるシステム)
(5)教育改革(グローバル基準と3C)
本書で言っているのはこの5つになるのかな。
著者の視点はビジネス視点で政治、国の在り方を考えてしくみを考えろってことに尽きる。(5)の3CもCustomer(顧客)、 Competitor(競争相手)、Company(会社)の観点を教育にも導入して、何のために教育をするのかを考えて取り組むべきということみたい。ここでいうCustomerは採用してくれる「企業」、Competitorは「先進国」や中国、台湾、韓国、インドといった「新興国」、Company は「自分」に置き換えて、ビジネスから教育へ変換してみるんだって。
"この国を出よ"ってタイトルなので、国を出るためには何をすべきか、出て行った後に何をすべきかといった点を論ずるかと思ったら、どっこい、日本再生でした。。5年後に(1)〜(5)がすべて実行されていたら、さぞかし素敵な日本に変わっていることでしょう。その辺は日本在住の皆様にお任せして、私は一人この国を出ます。
それでは、さようなら〜。
- 作者: 大前研一,柳井正
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/09/29
- メディア: 単行本
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