百貨店の時代 西谷文隆 産経新聞出版

 百貨店に勤務している方が書かれた、百貨店の概説書みたいな本です。本書のとおり、百貨店の時代が完全復活となるのか?この辺は未来にならないとわかりませんが、ただ、あの大雪の降る日の京都九条の賑わいというのは実体験として考えさせられるものがありました。

そうだ、葉っぱを売ろう! 横石知二 ソフトバンク・クリエイティブ

 有名な、徳島県上勝町の料亭向けの料理のつまものビジネスを作り出した筆者の自叙伝的な本です。お年寄りたちにやる気を起こさせ、結果として、売り上げも伸びると同時に老人医療の抑制にも成功した過程が紹介されています。
 当たり前ですが、なんであれ、地域であれば地域、会社であれば会社において元々居てる人、元々来てくれている客や観光客、移住者が満足していない限り、外から来てくれるわけが無いという当たり前の話を再確認させられました。

地方財政学 中井英雄 有斐閣

 母校の先生が書かれたなかでは一番新しい本であり、私が講義の中で「今、本を書いているところ」と言っていたその本です。当時の講義の中では時間が無かったため触れられなかった細かい部分についても概略ですが網羅されていたのは面白かったです。
 これからの社会がどの方向に向かっていくのか?その方向性によって、具体的には小売であれば販売方法、金融であれば預金や信託の集め方と融資の仕方にいたる部分まで変化が起こるのではないかというヒントの出発点になる本であると思います。

テレビショッピング事始め 境 政郎 扶桑社

 今や、巨大な産業に発展したテレビショッピングがいかにして誕生し発展してきたのか?をフジ・サンケイグループのテレビショッピングの推進担当等として関わってきた著者がその歴史と実体験をまとめた本です。
 フジ・サンケイグループの成り立ちとその中で必然的ともいえるメディア戦略としてのテレビショッピングの出現。誕生から当初10年間ほどの逆風の時代と、その後の成熟期の時代。そして、この時代の変遷の中で生まれた、テレビ局が「商品検査研究所」を持つにいたる部分などは興味深い点でした。