宮井平安堂の本店の変化

先日、久しぶりに和歌山市本町にある宮井平安堂本店へ行ってみたところ、なんと、書籍部門が閉鎖されていました。具体的には、書籍が販売されていた建物自体が閉鎖されており、文具売り場と音楽教室のみが営業を続けている状態となっていました。
 これで、マクドナルドもぶらくり丁から撤退という情報もありますし、完全にシャッター通りになってしまうのかもしれません。

「ヤノマミ」 国分拓 NHK出版

 南米ブラジルのアマゾン奥深くにて古代からの生活を守り続ける「ヤノマミ」族に約150日にわたって密着取材したNHKディレクターのドキュメントの書籍版です。以前にTVで放映されたのですが、私は残念なことに見逃してしまいました。それもあって、本書を購入しました。
 読んでみてまず驚くのは、相手の言葉を知ることから始まるという気の遠くなるような作業でした。時には、ヤノマミ族によって殺されるのではないか?という恐怖や、いつ襲われるともわからない毒蛇や毒蜘蛛などといった危険に隣接しながらの密着取材の結果として見えてきたのは、現代社会では覆い隠されている欲望や衝動性、性行動などのむき出しの状態であったという驚きであり、古来本来の姿はこのようなものであったのか!!!という現代社会からは到底理解することも容認することも出来ない現実であることが次々と目の前で繰り広げられます。一例を挙げると、15歳で妊娠した女性が出産をし、まさに自分自身が生んだ子供を「間引き」するという現場をまざまざと見せ付けられ、筆者自身が精神状態をかき乱されたと告白する場面が出てきたりします。
 しかし、「間引き」の現実はあくまで我々現代社会側から見た見方であって、ヤノマミ族の世界では特に驚くようなものではなく、生きてゆくためには当然のごとく必要な行動の一つとなっているわけであり、我々からどうのこうのと言える問題ではないわけです。
 私自身、どう結論付けると良いのか?答えが見つからないのですが、今一度、我々の現代社会を見つめなおすキッカケになればよいかと思います。

「ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験」 大鐘良一 小原健右 光文社新書

 本書は、昨年実施されたJAXA(日本宇宙航空研究開発機構)の約10年ぶりとなる宇宙飛行士採用試験の密着ドキュメントの書籍化したものです。私は昨年にドキュメントとしてTV放映された際に、この番組を実際見まして自分自身の日常生活において非常に示唆の多い内容であったと同時に、挑戦する受験者の方達の人間的な魅力も面白いと思い、書籍化された際には購入しようと思っていた本です。
 基本的には、TVのドキュメントの内容と同一なのですが、細かい部分、例えば、各試験の受験中の受験者の動きと出題者側の狙いなどが文書化されているので繰り返し読む際には好都合であると思います。
 もし、昨年放送されたドキュメントを見たことが無い人であっても、本書を読んでみると、改めて自分自身を振り返り、明日へのチャレンジの勇気を与えられる部分が多いと思います。