2006-02-18 日東電工って会社、ご存知?
今日、日東電工という会社の説明会に行ってきました。僕は、新聞社志望なので、他のところにはあまり行ってないのですが、この会社だけは行きたかった。
なぜかというと、去年の六月ごろ、一度、大学の授業で日東電工の経営について、役員の人から話を聞く機会がありました。この会社はメーカーで、業績はけっこうよくて、会社の規模も大きいそうです。でも、商売の相手が工場の人だったり、技術者だったり、いわゆる玄人なので、一般の人にはほとんど知られていない。B to Bとか、川上の産業ってやつです。
そして、作っているものがまたおもしろい。
養生テープ、液晶テレビの表面に張り付いている偏向板、水道管のパイプの継ぎ目をつなぐテープ、シップの粘着テープ
などで、世界でトップシェアを誇っているそうだ。会社の方針として、すべての商品で世界でシェアトップになるというものがあるらしく、扱っている製品はすべて世界で一番らしい。作ってるものも縁の下の力持ち過ぎて、一般の人には存在さえ気づかないかもしれないほどのものだ。
一般の人の知名度と実態の事業規模の差が日本で一番大きい会社といわれているそうです。でも、慎み深い日東電工の社員の人たちはそれでも分かる人が分かればいいんだ、といっていました。こんな職人気質っておもしろいなと直感的にそのとき、思いました。
ぼけーっとしてると、世の中は、役所とマスコミと学者だけでまわってるんじゃないかという錯覚にたまに陥りますが、こういった会社を見ると目がさめます。実体経済はここにあるんだ、と。
でも、よく考えてみれば、日本がここまで経済発展してきたのは、こうした無数の製造業の会社なんですよね。ものづくりの分野では、今でも圧倒的に優位にある。むしろ、金融とか、政治とかが、現代の“幼稚産業”とか呼ばれてて、遅れてて足を引っ張っているんです。
そして、今日行ってみたところ、やっぱりイメージどおり慎み深い御仁がそろっていました。ホリエモンのマネーゲームとか、誤発注で300億とか、細木数子がセレブだからスイスで一億円お買い物とか、そういったうわついた世相は全くお構いなしに、せっせと養生テープを作り、世に送りつづけている。
実際、24カ国に現地法人を持っていてかなりの多国籍企業なのに、社内の雰囲気はと学生から聞かれて一言、
「社内では関西弁が飛び交っています」。
話を聞いて、「こんなに、製品がトップシェアばかりですごいですね」と、学生が感心しても、
「いえ、大したことはありませんよ」
きっぱり、謙遜。
朴念仁的なところがおもしろそうなので、来月、面接を受けてみることにしました。
今日、近くのおじさんがイノシシ狩ってきたというので、町内会10人で鍋を食べたんだ。久しぶりのYukiに皆東京の話を聞くんだけど、そこで就職の話が出たから、
「やっぱり慶応だと有名大手企業に行く人が多いですかねぇ。Yukiは就職活動していないから分からないけど、それ以外だったらアイシンセーキとか日東電工とか東電通とかの会社にも行く人が周りにいますかねぇ。」とか言ってみた。知っている会社をとりあえず、出してみた。そしたら、「やっぱり、違うねぇ。皆大手じゃないのぉ。」という反応。イノシシを解体しているオバサンも日東電工が何を作っているかを知っていたよ。ちなみに慶應大学の名前は知りませんでした。
やっぱり会社って、その地域でどれが大手かは違ってくる。東京だとさ会社規模が大きい企業が特に目立つし、文系なら特にメーカー系なんて知らないんだろうね。フェラーリとかポルシェにも搭載されている世界シェア95%の車用クーラーを作っている会社が近くにあるとかも聞いた。
田舎だとさ(Yukiの定義する田舎ね。)、町内会の人がどこに勤めているかとか、どこの大学出身とかさ、Yukiの小学校、中学校の友達のお父さんがどこの勤めているかとか、どこの大学出身とかさ、知ってるんだよね。だから、普段聞かないような名前の会社も、聞いたことはある。特に田舎ですから、メーカー工場ばっかりだし。
島津製作所って田中さんがノーベル賞を取ったから、名前が広まったよね。だけど、化学の世界では当たり前だし、ノーベル賞を取れたのも、島津製作所が世界中に下請け現地法人を持っているから、世界中で使われるようになったからなんだよな。
あと、話が逸れるけど、最近、そういう名前が知られないような分野の会社がCMとかに登場してない?日本碍子とかさ。それって、工場がある地域に戻ってくる若者が減ったから、わざわざ宣伝して、東京で説明会開いて、有能な人を集めるようにしてるのかね。それとも、ただ単に名前知ってください病に罹っているだけかな。日東電工も新幹線内に広告があったから、知っていたけど。
ちなみにこの辺りだと、トヨタ=東関東自動車と勘違いしている子供が多い。アハハ
でも、そういう会社のCM増えてるのも、知名度をこれから上げなくちゃいけないと日東電工の経営陣は思ってるんだって。社員個人の意識はまた違うみたいだけど。やっぱり、株式市場でも一般投資家の比重が大きくなったり、社員が子どもに自分の会社を知ってほしいとか、そういうのもあるんじゃないかな。ほんとは、そうやって、社会的に貢献度の高い会社をしっかり世に知らせるのは、広告じゃなくてジャーナリズムの役割だよね。