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MR.VERTIGOのアウトドア日記

2011-02-05 熊野古道 小雲取越え

[]熊野古道(中辺路 小雲取越え)


百間ぐら

 週のはじめに降雪があって連日最低気温が氷点下という信じられない寒さが襲った和歌山県田辺市。しかし、週末は春のような陽気になったので古道歩きをしてみた。今日歩いたルートは熊野古道中辺路の派生ルートである『小雲取越え(こくもとりこえ)』。 

 平安時代から続く熊野参詣は一般的にまず本宮大社へ入ってから熊野川を船で下り速玉大社(新宮)に行く→速玉大社からは陸路で那智大社へ向かう→来た順路を戻る。本宮、新宮、那智を巡って熊野参詣は完結するわけだ。『小雲取越え』は前述の一般的なルートとは異なり、那智大社から直接本宮大社へ戻る(新宮に寄らない)ルートの一部になる。熊野古道全域に共通することだが、このルートもスタート地点へのアクセスが非常に悪い。地元に住む私でもかなり下調べをしなければいけない。で、今回どのようなアクセスになったかというと・・・

・午前4時45分起床!?5時30分ころ自宅出発、車で本宮大社を目指す

・午前6時45分本宮大社発新宮行きのバスに乗る

・午前7時30分神丸(かんまる)バス停にて下車

・午前7時41分神丸バス停発、小口(こぐち)行きのバスに乗り換える

・午前7時53分『小雲取越え』スタート地点の小和瀬バス停に到着

 ほとんど地元なのにかなりしんどい。本宮大社午前6時45分発以外のバスだと神丸バス停での乗り換えに1時間以上の待ち時間をくらうことになる。だいたいバスなんて一日に10本もないからね。だから無事スタート地点の小和瀬バス停にたどり着いた時点で今日の行程は半分終わった感じがする。


桜茶屋跡からの眺め

 スタートから約1時間、『桜茶屋跡』からの眺め。「雲取(くもとり)」というネーミングどおり、雲の中を行くがごとき厳しい行程を連想させる眺め。でも、最高地点の標高はせいぜい500メートル。前半は登りでそれなりに疲れるが、全体的に歩き易いルートなのだ。この『小雲取越え』ルートには茶屋跡が多い。文字通り茶店や旅籠の類であろう。明治の末までは実際に営業していた茶屋もあるそうだ。しかし、現在は跡地という表示がないと、ただの荒地にしか見えない。


桜茶屋跡にある祠?

 一番の見どころは何と言っても「百間(ひゃっけん)ぐら」。「ぐら」とは高い崖を意味するそうだ。その名の通り突き出た高い崖である。サイトやガイドブックの写真で既にその素晴らしい眺望は知っていた。実際来てみるとやっぱり素晴らしい。眼下に山々が折り重なって波打っている。惜しむらくは今日持参したレンズが70ミリの単焦点だということ。風景撮影に適したレンズではなかったのだ。でも、ここ「百間ぐら」付近は車でのアクセスも可能である、ということを後で知った。次の機会には是非広角レンズでこの絶景を撮影しようと思う。


絶景だったけどわからないよね

 絶景を眼前に昼休憩を取った。汗をかいていたので乾かす意味も兼ねて服を脱ぎ散らかし、眺望ポイントほぼ独占状態でオニギリを頬張る。スタートから3時間強、誰ともすれ違わなかった。この時期に古道歩きをする危篤な人間はオレくらいだろう、と思っていたらしっかりトレッキング仕様のオバ様2人組が現れた。オレが眺望ポイントを独占している様を見てオバ様2人組はこの絶景を素通りしていった・・・。すごく悪いことをしたな、と思った。

 「百間ぐら」を過ぎると平坦な山道になる。目的地の請川(うけがわ)まではあと少し。出発時は冷え込んでいたがお昼近くになるとポカポカ陽気。なんか一足飛びに春を迎えたような日差しのおかげで、ここ数ヶ月間記憶に無いほどの早起きと、登り道で体力を消耗したツケが一気に噴出した。歩いているのに睡魔が襲ってくる。眠気をもよおしながら夢見心地で歩いて請川バス停に到着。運が良ければ本宮大社までバスに乗ろうと考えていたが、時刻表を見ると10分前に出た後だった・・・。ま、歩いても3、40分くらいの距離なので別に落胆はしない。

 『小雲取越え』というネーミングから勘の良い人は察しのとおり、『大雲取越え(おおくもとりこえ)』というルートも別に存在する。実は那智大社から本宮大社間=『大雲取越え』+『小雲取越え』なのだ。今回は後半のルートを歩いたわけである。さて、今は冬場なので山道歩きは無理せず体がナマらない程度と決めている。『小雲取越え』は体がナマらないレベルのルートだった。しかし、『大雲取越え』は事情が大きく異なる。おそらく以前歩いた『果無峠越え』に匹敵する難所だ。だから冬場のチャレンジは避けて、暖かくなったら行こうと考えている。よってしばらく熊野古道のお散歩は中断だ。こちらにも「高尾山」という(地元では)有名な山があるので今度はそっちに行ってみようかな。

 最後に『小雲取越え』を歩いていて気になったことを一つ。上空を飛行機がけっこう行き交って、常にその音を耳にしながら歩いていたような気がする。