戦国御伽絵巻「ヒデヨシ」

(だいぶ経っていますが、今頃感想文!)

ヒデヨシ見ました!
「御伽絵巻」てどういうことかと思ったらなるほどね、広義には歴史物で間違いないんだろうけど、おとぎ話みたいにちょっとアレンジ加えて、伝承されてる感じの作りで、キャラ立たせてて分かりやすく面白かったです。三猿さん達はかわゆいのにアクロバティックな動きもみせてめっちゃすごい!
(客席にパンフ売りに来てくれたの買ったので、お猿さんの折り紙いただきました。わぁい)

そして噂に聞いていて、なるほど、あのメイン曲吹きたいとなりました。たぶんトロンボーンはフォルテシモでメロディ部分(腕回らない)か、山型アクセントで後ろのリズム打ちだな。曲がいいと、それだけでちょっとテンションは上がる。

まぁ正直なところ、「その説明台詞(と過去回想みたいなの)いるかな?」が前半しばらく続くので、ちょっと辛かった。その尺を後半の泣き所に多いに回して欲しい…という感じ。
三猿さんたち可愛いし、説明しつつ色々動いてるの凄いんだけどさ…。寝落ちちゃいそう。でもだからと言って、客席中響き渡るイビキで寝るのはナシだと思ったよ……あれで余計に集中できなかったよね!!! おっさん、静かにして!!


詳しい感想は以下−。
興味ない方はスルーで結構です。



実は最初、あんまりよく分からないままに、「ふっきーさんと平野良さんだしなー…まぁ見とこうな…」て取って、「二回見た方がいい」という意見を踏まえて急遽予定を前倒しして追加しました。





で、予想外の感想をまず抱きました。
自分でもびっくりだよ。



竹中半兵衛の狂気含みの最期。あのシーン、松本寛也がやってなくてよかった……と。
決して寛也さんがあのキャラが似合うとは思いませんけどもね(副官的なやつは、なんとなくイメージ違うと思うし)
でも、あの最期のシーンに関しては、演技プランがまざまざと思い浮かんだので、もう……なんというか、想像だけで泣けたので、私大丈夫かな? と思いました(でも寛也さんの演技知ってる方には同じ映像が見えたようで、分かってもらえました)
ふっきーさんはとてもよかったのに、「うっわ、こういうの松本さん得意そう…」と思ってしまった……。

すいません、想像しちゃったんだもの、仕方無い。

寛也さんがやるなら、まず「大ボラを吹いてみようと思います」みたいなあの台詞のあと、めっちゃ綺麗に笑いそうで。ヒデヨシに向けて、今まで見た事ないような笑顔を見せそうで。その後、かっと目を見開いて、腹の底からの声を出して、もっとガクガク震えながら、なんならマジに泣きながら首をかっさばいていたんじゃないかと想像してしまったんです。
仕方ない。仕方ない。そういうのなんか見たことあるもん。
目の前で何回も死んでるんだもん。仕方無い。

そもそも、「誰かのために、命を賭してまで」というのは私の中でツボっていうか、永遠のテーマっていうか、確実にハマるエピソードなので……。仕方ない。


でも、ふっきーさんはクセなく分かりやすく奇をてらわずにど直球で泣かしにかかるので、間違いない感じなんですけどね!! 竹中半兵衛は、自分の死期を悟っていて、そう長くない自分の命をどう活用できるのかずっと考え遍いていて、あれが精一杯だったんじゃないかと思うと、それはそれで泣ける話で!!(自分の死をも効果的に使いたくて、でも時間的にも、状況的にもそこしかないと判断した、その判断力がたまらん)
軍師らしいのはとても似合っていた……。
ふっきーさんのやる天ちゃんがとても見たくなりました(それか!!)。何回も言いますけど、私はふっきーさんの天ちゃんが見たい。天ちゃんが見たい(大事なので二度言いました)。



そして、こちらも何度目かの感想なんですが、「あー平野良を好きにならなくて本当によかった」と。
カッコイイわー。泣かすわー。目で追っちゃうもんね。怖いわー。怖いわー。
いちばん行間読みたくなるのは明智でしたわ。機微絶妙。
人物の名前とか地名とか含んだ長台詞がするっと聞こえてくるの怖い。
殺陣もかなりカッコイイのに、魅せどころがそこじゃないの凄い怖い。
語っていない行間をさあ読めという演技するのほんと酷い。
一番泣いたのは、ヒデヨシに「自分が家来になってもいいから、二人で平和な世を」と言った所。一瞬の間と、目線の逸らし方。ここで、想像したんだろうな、というのが分かるんですよ。平和な世の中。美しい世の中。でも、そこで呆然と所在なさげにしている自分の姿を見てしまった。
それが分かるからこそ、その後の「お前の言う平和な世の中に、オレは生きられそうもない」みたいな台詞がとてもとても胸に来て、泣いてしまいました。
あと、顔が違うのが本当に意味が分からない。まず出始めが「誰これ?」で、そのあと過去の幼い光秀の時はまた顔が違うくて、共闘しだしてからはちょっと平野良に見えるんだけど、そこまでの困惑をどうしたらいいんだ。

あと、個人的には明智の髪を結んでいる紐が殺陣のたびにふわふわしているのがとても可愛くて好きでした…。



町田さんのヒデヨシは分かりやすかった。「こういうのが見せたい」がよく伝わってきた。
半兵衛が自分を守るためにとんでもない死を遂げる時に、近寄れないのは本当に辛そうで…。
あと、「どうしても人を切らねばならない時」を覚悟するという流れもとても分かりよかった。
それが、明智を斬る時に繋がるのか……と思うと、なるほど!!となりました。ライバルである彼を切るのが最初で最後…とかだったらむねあつ。



さとちゃんはほとんど喋らない役なのでファン的には大丈夫かな…と心配に。
とても良い役だったんですが、一番の見せ場がなんというか…せわしなくて。もっと時間をとらせてあげたらもっとお客さん泣くぜ??て感じの…勿体無さ。「まってまって、まだその前の消化できてないから、見せ場まって!」てなる感じでした。スピード感ももちろん大事だけど、多分女子的にはもうちょっとあそこひたっていたい所……!!


他にも細々と見応えはありましたし、試みとしてはわりと好き系なので、シリーズがまだ続くようならまた見たいなーと思いました。