10年前の米国ショッピングセンター視察の話

2月19日の日経新聞朝刊に、「三井不動産三菱地所の賃貸部門の業績をアウトレットモールが下支えしている。三井不動産は、ららぽーとの新規出店も健闘した。」という概要の記事が掲載されました。

それに対し百貨店は苦戦が続いていて、東京では西武百貨店の有楽町店、京都では四条河原町阪急の閉店が発表されています。

今から約10年前、経済団体主催のアメリカ商業施設視察ツアーというものに参加したのですが、その時にアメリカで注目されていたのが、大型ショッピングセンターとアウトレットモールでした。
一緒に参加した商社の方が、郊外型の大型衣料店を例に上げて、アメリカの商業施設は、遅れて日本でもメジャーになるという話をされていました。その話に基づき10年前の情報でも参考になるかと思い、書いてみます。

商業施設は商圏の大きさによって、近隣型施設(日用の食品・雑貨を買うところ)、広域型施設(広域から集客するところ)、その間の施設に分かれるそうです。

百貨店や「ららぽーと」に該当する広域型施設の当時の米国事情は、百貨店はショッピングセンターの核店舗という位置づけになっており、百貨店VSショッピングセンターではなく、ショッピングセンター間での競争が激しくなっているという状況でした。


ロサンゼルスのサウスコーストプラザです。1967年オープンと歴史は古く、百貨店のノードストローム、メーシーズ等を核店舗として、敷地面積46万平方メートル(東京ドーム10個分!!)の巨大ショッピングセンターです(10年前の情報です)。大きすぎて全容をとらえる写真は撮れなかったので、写真はノードストロームです。

アメリカのショッピングセンターは、都心や住宅地からはなれた郊外に建設されていましたが、日本では、交通事情の違いから鉄道の駅の近くに再開発に合わせて建設されることになりました。関西では例えば阪急西宮スタジアムの跡地に「阪急西宮ガーデンズ」、コクヨ八尾工場の工場跡地に「アリオ八尾」が建設されています。
店舗開発やマーケティング力だけでなく、地域再開発のノウハウも重要なので、冒頭の記事の様に流通企業だけでなく大手総合デベロッパーが力を発揮する分野になっているのでしょう。

少し長くなったので、続きは追々書いて行きたいと思います。

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