●SIDE ONE● このページをアンテナに追加

 ライトノベル読書感想を書いたりしてます。
 感想評点は個人的嗜好により★〜★★★の三段階で加点。
 ネタバラシしてるのがありましたらご容赦を。
 読書感想保管庫はこちら

2016年12月02日(金)

[]マンガの神様4

[著者:蘇之一行/イラスト:Tiv/電撃文庫]★★

 雑誌連載権利勝ち取って、綺麗に纏まってくれた
と思っていたら更にひと波乱。創作に対する姿勢や
取り組み方について、千差万別でそこに正しいとか
間違いとかは関係無く、それでも自分の手を離れ世
に出たら容赦無く評価は下されてしまう。伊織のや
り方を見て、毎度の事ですが今回は特に、色々考え
させられるものがあったかなという印象でした。
 努力を重ねた上での事は理解していても、伊織の
自信過剰っぷりは相変わらず鼻に付く嫌らしさでし
たけど、案外その図太さは精神面の強味になってい
るのかも知れません。覆り掛けたせいで引き延ばさ
れた感はありましたが、最後の最後に“マンガの神
様の力”を思い出させてくれて良かったですね。

既刊感想:

2016年12月01日(木)

[]続 この大陸で、フィジカは悪い薬師だった

[著者:鳩見すた/イラスト:アマガイタロー/電撃文庫]★★

 フィジカが害獣を癒し、アッシュがそれを目の当
たりにして『ラズの書』に訂正を加える。前巻の主
な流れでした。今回はその拘りの要素は割と控え目
な主張で、代わりに二人の旅の終着点や着地の仕方
に的を絞る描き方だったかなという印象でした。
 ちょっと躓いたのが、その場では何言ってるのか
良く把握出来なかった部分が幾つかあった所で。フ
ィジカが何故頑なにアッシュを拒絶してるのか、ロ
ッテがどんなネタでフィジカの言いなりになってい
たのか、など。もやもやさせられてしまいました。
 そこを抜ければあとは終盤、怒涛の新事実発覚を
経ての結末はとても心地良い感触でした。ここまで
全く何の未練も無く見送れるのは嬉しい事ですね。

既刊感想:

[]クソゲー・オンライン(仮) 「運営は全員逃げたけどなんの問題もないわ!」

[著者:つちせ八十八/イラスト:にろ・東雲太郎/MF文庫J]★★

 運営側に立ってみると、RPGから一転して会社
経営シミュレーションっぽくなるのが興味深い所だ
ったでしょうか。ただし、どっちに転んでもクソゲ
ー仕様には違いないです。有効活用が出来そうなゲ
ームプログラマーを介入させない辺り、妙な意気込
みを感じたりもしましたが。ここが欠けている限り、
ハッキリ言って詰んだ状態からは脱却不可能だと思
うんですけど……でも、根本的なプログラム修正以
外で終了回避の解決の道を期待してしまいます。
 運営者権限の能力を得たとしても結局は使用者次
第ですから、その部分でササラキにはサッパリ期待
を抱けないのが悩み所ですね。「このゲーム好きだ」
の情熱のみで果たして何処まで盛り返せるやら。

2016年11月30日(水)

[]OBSTACLEシリーズ 激突のヘクセンナハトIII

[著者:川上稔/イラスト:さとやす(TENKY)/電撃文庫]★★★

 あのスリズィエ学長が……ねぇ、って感じでした
わ。これまでの物語での描写を思い返してみると、
ヒントとなる部分もあったような気もしないでもな
いんですが。何せ他に目を向けざるを得ない要素も
数多くありましたからね。特にメインのランカー戦
はどうやっても視線を外す訳にはいかないですし。
 今回の気付きは、余所見していた首をぐいっと強
引に捻らされた感じでしたか。かつてこの人に勝っ
て代表となった堀之内母を以ってしても『黒の魔女』
に敗北した、と言う事実を突きつけられると、もう
絶望するしかなかったんですけど。序列1位とのラ
ンカー戦を経て、それは現在形から過去形になった
模様。いよいよ“本番”が迫る頃でしょうかね。

既刊感想:II

2016年11月29日(火)

[]押入れの中のダンジョンクラフト ―幸福で不幸で幸福な兄妹―

[著者:からて/イラスト:namo/MF文庫J]★★

 死別した妹とのお話なので、冗談交じりに軽率に
指摘出来ない空気もあるのですが……あえて空気を
読まずに述べてしまうと、透って重度のシスコンで
すよねえ。いや、過去の家庭環境の重苦しさは重々
理解しているつもりなんですよ? 非現実な妹に依
存してしまう状況だという事もよく分かります。
 そう言う透についての情報を得てしまえば、あー
ちゃんへの関わり方も別段異常だとは思いませんで
した。ただ、何か妙に危険な臭いが漂っている雰囲
気もあったんですよね。そこは想像してた通り、透
に直撃してしまったわけですけど。あーちゃんへの
依存が残り続けていて、最後の最後まで透の選択が
どうなるか分からなくて気が気でなかったです。

2016年11月28日(月)

[]ヒイラギエイク

[著者:海津ゆたか/イラスト:やすも/ガガガ文庫]★★

ヒイラギエイク (ガガガ文庫)

ヒイラギエイク (ガガガ文庫)

 第10回小学館ライトノベル大賞『優秀賞』受賞作。

 閉鎖的な限界集落の過疎地に、部外者を排他する
かのような含みのある大人達の態度。あからさまに
秘密があると、雰囲気で示しているようなもので。
 ただ、出海は押すか引くかで言うと、引くタイミ
ングを弁え過ぎている少年で、こりゃ無遠慮に首突
っ込むとか間違ってもできないだろうなあ、と諦め
るしかありませんでした。出海のそんな所が、欠点
であると同時に好感抱ける良い点でもあります。
 まあたとえ押しが強かろうと秘密に迫れるとは思
えませんでしたが。護ろうとする意志の固さは凄ま
じいものがあり、好奇心で殺されていたかも知れま
せん。そんな中での出海の勇気は称えるべきもので
しょうね。余韻の残る結末は大好きなものでした。

[]ハナシマさん

[著者:天宮伊佐/イラスト:ヤマウチシズ/ガガガ文庫]★★

ハナシマさん (ガガガ文庫)

ハナシマさん (ガガガ文庫)

 第10回小学館ライトノベル大賞『ガガガ賞』受賞作。

 杜秋教授の解説を読んでいると、特に今回の殺人
犯の動機思考について、現実世界でも本当にありそ
うだと思わされた瞬間に震えが来ました。フィクシ
ョンだと理解していても妙に彼の話術に引き込まれ
てしまうと言うのか、非常に人身掌握術に長けてい
る印象だったでしょうかね。その辺りを物語の文章
に乗せて表現されている所に巧さを感じました。
 当初の晴海のように、幽霊の仕業なんて脅された
所で鼻で笑うしかなかったのですが、そこに杜秋教
授の解釈が乗っかると途端に信憑性が増してしまう
のが恐ろしいです。信じなくても「あるのかな?」
と思わされてしまう。言いたい事はいろいろあれど
も、オチの付け方に納得なのはここがあってこそ。