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 ライトノベル読書感想メインで、稀に雑記を書いたりしてます。
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2008年02月16日(土)

[]君のための物語

[著者:水鏡希人/イラスト:すみ兵/メディアワークス 電撃文庫]★★

君のための物語 (電撃文庫)

君のための物語 (電撃文庫)

 第14回電撃小説大賞『金賞』受賞作。  こう、前面にどんどん押し出して押し広げたら物語を 構築し易そうだなぁ、という設定が割と目に付いたのだ けど、そう思う殆どの要素が控えめに抑えられていたの で、結構想像とは違う感触だった(とても良い意味で)。  大部分がレーイについてなんだけど、例えば、人間と は一線を画した存在だとか、セリアに施した能力につい てだとか。多くは語らず、レーイという存在を印象深く 残す為の必要最小限の肉付け程度に留めている。そんな 手応え。なるべく自身を語りたがらず、また詳しく知ら れるのを厭う彼らしさがよく表れていたなぁと思う。  もしレーイの本質を語るの重視でそちらの方向に傾い ていたら、この物語全体に流れる静謐で優しい雰囲気の 足枷になってしまっていたような気もする。余計ではな いんだけど、目立たせ過ぎると容易く崩れてしまうよう な……だからレーイ関連の設定をあえて多用せずに描か れた辺り、バランスの取り方が絶妙で非常に巧いなと。  「私」がレーイに捧げた『君のための物語』。これは 或いは書いた彼自身の物語でもあるのかなぁ? レーイ が読んて「いや、これはむしろ君のための物語だろう」 なんて言葉を彼に返した……のかも知れない。