[著者:清野静/イラスト:古夏からす/角川スニーカー文庫]★★
時載りリンネ!(3)
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清野静 角川書店 2008年07月
久高は若干リンネを意識するようになったか? リンネの方は、相変わらず何時でも何処でも無邪気にくっ付いてるようだけど。異性への意識に違いが出るのは、男の子と女の子の差によるものか、それとも人間種族と時載り種族の差によるものか。まあ今の所久高の意識も微々たるものだし、微笑ましく可愛らしい恋心に発展するよう十二歳の二人を見守ってみようか。
……と、思ってたら! 今回リンネと塔の少女とのガール・ミーツ・ガール展開で、何時の間にやら久高は蚊帳の外に追い遣られてしまったというオチ。
人間と時載り。人間世界とバベルの塔。街の住人と塔の住人。届かぬ夢、けれども消せない羨望の眼差しと焦がれる心。バベルの塔を主舞台とし、幾つかの対比を盛り込む辜で、より深く時載り種族の本質に触れる事が出来て満足。ラストシーンの演出も素晴らしく良かった。次は『時砕き』としての本格始動?