ながながとGWの話を


5月1日のことから。だらだらとGWを過ごす予定だったのですが小雨の中高速を飛ばし9時半には京都勧業館みやこめっせの古本まつりに。開館は10時からなのですがすでに行列。岡崎武志さんと山本善行さんはさすがに前のほうに並んでいました。自分は50番目くらいでしょうか。わざわざ岐阜から来て何をやっているんだかと思っていたのですが隣の人はなんと熊本から。同病相哀れむじゃないですけど顔を見合わせて苦笑。
この手のイベントは開場するまでは気が急って仕方がないのですが入ってしまえば満足してしまうところがあって買い物籠を手にしたもののなかなか食指は動かず。それでも難波田龍起の画集に気を取られている間に靉光をすっと抜き取られた時は焦りましたが。岡崎さんと善行さんはテレビに取材されていたのでカメラがずっと追いかけていたので居場所が丸わかり。知らない人たちが「あの人たち誰だろう?」なんてささやいていました。
今回の収穫は下記の通り。
M・ジョルジュ=ミシェル『モンパルナスの灯』講談社文庫
植草圭之助冬の花 悠子』中公文庫
岡本綺堂『綺堂むかし語り』光文社時代小説文庫
瀧井孝作『無限抱擁』講談社文芸文庫
サイファ編『Thoroughbred』京都書院アーツコレクション
初田亨『カフェーと喫茶店INAXアルバム
三澤康彦、三澤文子『木造住宅の可能性』INAXアルバム
図録『難波田龍起展』世田谷美術館

午後からはガケ書房に立ち寄ってから善行堂へ。夏葉社から上林暁作品集を善行さん編で6/25に出るのでその話を。常連さんたちも次々集まって本日の収穫を披露。たいした物を買っていないので古本つわものたちに見せるのは恥ずかしいものです。見せなきゃいけないならもっと考えて買えばよかったかな。善行さんもみやこめっせでは取材のおかげでいつもとは勝手が違って難しかったそうです。田中さん、デコさんには初対面。「お噂はかねがね…」などと言われるのですがどんな噂なのでしょう。悪口じゃないといいのですが。岡崎さんも顔を出し4/20岐阜に開店した徒然舎の話を。松岡さん、中原さん、マサキングさん、それから岐阜では会わないのに京都では遭遇率が格段にアップする詩人の金子さんと入れ代り立ち代りやってくるのでずるずると長居してしまいました。気がついたら善行堂では何も買わず。反省。次回は埋め合わせのためにたっぷりと買いたいと思います。

ガケ書房で買った本
築添正生『いまそかりし昔』りいぶる・とふん
野呂邦暢『白桃』みすず書房
草森紳一が、いた』草森紳一回想集を作る会

『いまそかりし昔』は前回京都へ来た時に善行さんから勧められていたのに購入せず、その後ブログで50冊あっという間に売れてしまったと書いてあったので慌ててガケで買ったのですが善行堂にもまだ残っていました。祖父母である奥村博史平塚らいちょうの思い出が興味深かったです。草森紳一は東京で清洲橋近くに住んでいたころ、一つ川下にある永代橋近辺在住ということで勝手に親近感を持っていました。この回想集の表紙も永代橋

あと4/30に岐阜の徒然舎で買った本を記すのを忘れていました。
荒川洋治『日記をつける』岩波アクティブ新書
酒井忠康『青春の画像』美術公論社

5月4日は犬山の明治村へ。わざわざ来たのは昨年亡くなられた黒岩比佐子さんの蔵書展を見たかったから。子供のころのイメージと仕事で事務所に顔を出していた時にほとんど人を見たことがなかったのでなめていましたが入場券売場で早くも行列。パクリのネーミング「スフィンクス・コード」という謎解きイベントをやっていましたが明治なのになぜスフィンクス?というツッコミは受け付けてもらえるのでしょうか。どうせなら「博文・コード」とか「鴎外・コード」とか明治に縁のあるものにして欲しかった。黒岩さんの蔵書は代表作でもある村井弦斎国木田独歩にちなんだものが多かったですがそれにより気になったのはノート。写真にあるようにびっしりと古本屋の値札が貼られていました。古書会館の即売会で買ったものが多いはずですが自分にも馴染みのある古書店の数百円のものばかりでうれしくなってきます。また即売会へ行きたいな。