突入せよ! あさま山荘事件

突入せよ! 「あさま山荘」事件 Blu-ray スペシャル・エディション

カメラが苦痛。階段でのクレーンの詰め切れなさ、会議場での唐突で無意味な俯瞰視点、全く魅力的に撮れていないあさま山荘、わざとらしいスローモーションでぶつかる鉄球、ラストシーンの薄っぺらい山荘内部の絵作り。
やかんのディテールから入る宿の入り口はかろうじて納得できる。突入してからの警察のグダグダした感じも悪くない。だが、全体を通して感じるのは絶対的な「とりあえずやってみました」感だ。
そもそもこの事実に沿った物語を、こういう戯画的な人物描写で描く方針そのものに、乗り切れていないのだろうなあ。

ディープ・インパクト

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群像劇として意外な語り口で物語を転がしていく脚本は、特に序盤、良く機能していると思う。演出も適切で、良い塩梅でそれぞれの個人のストーリーをコントロールできている。結末の商業的要請への応答を含めて、大変抑制の効いた映画だと思う。
驚くのはアメリカ大統領への厚い信頼だ。「指導者はこうあるべきである」という強い信念をここまで説得力を持って語られると驚くし、またその根を「神への信頼」が支えているのを見るとちょっと信じられない気持ちになる。