2月20日、池袋シネマ・ロサにて『ランニング・オン・エンプティ』の初日舞台挨拶が行われ、佐向大監督、小林且弥さん、みひろさん、杉山彦々さんが登壇しました。

ランニング・オン・エンプティ初日舞台


 同作は、佐向監督の商業映画1作目。ダラダラした生活を送る男が、そんな彼氏に業を煮やした女の狂言誘拐に振り回されるというラブコメ仕立てながら、家族の愛憎も絡み合い、予想も付かない展開へと突っ走る一筋縄ではいかない青春映画です。

 
 革のジャケットに帽子でクールにキメた小林さんは、ご本人とは正反対のイメージの主人公のヒデジをどのように理解したかという質問に、「どうしようもない男ですよね(笑)。こういうヤツがいたら面白いなっていうイメージを、ちゃんと息をしている人間にするためすり合わせて役作りしました。ニュアンスの出し方などちょっと難しかったところもありましたが、そこは彦々さんやみひろさんに助けてもらって……」と、役作りの秘訣や和気あいあいとした撮影現場の様子も伺えるコメントを。
 そんな小林さんの話を聴きながら隣で「え〜?」とキュートな反応を見せるみひろさんは、「私が演じたアザミという役は、男の人を翻弄してしまう小悪魔的な女の子で、演じていてとても楽しかったです。彼氏がいたとしたら構ってほしくてけんかを吹っかけたりする気持ちは分かるので、そのスケールが大きくなった版として狂言誘拐を企てることにも共感できました」と、いじらしく語りました。
 ヒデジやアザミのパシリとして走り回らされる田辺役の杉山さんは「普段の僕とあまり変わらない役なんで楽チンでした。パシリと言っても前向きでやる気満々なパシリなんで、そこを見てもらえれば」と爆笑を誘っていました。


 自主映画時代から高い評価を受けていて、いよいよ待望の新作の初日を迎えた佐向監督は、レイトショーにもかかわらずほぼ満席に近い客席を前にして、「昨日まで自主映画の『まだ楽園』を上映していたときはほとんどお客さんがいなかったので気がラクだったんですけど(笑)、今日はすごく緊張してますね。でもこうして素敵な役者の方々と壇上に上がれて嬉しいです」と喜びを噛みしめているご様子でした。
 俳優たちの印象が撮影を通じて変わってきたかという質問には、「そんなにないんですけど。小林さんは背も高くて最初嫌だなあと思っていましたが、だんだんナイス・ガイだなーということが分かってきました」と、冗談めかしたコメントを。一方小林さんは監督に要求されて大変だったこととして、「ものすごく走らされましたね。嫌なヤツだと思われていたかどうか知りませんけど、監督のSっ気が出ていたと思います」と応酬。みひろさんも「本気でハーハー言ってましたよね」と同調して、本当に和気あいあいとした現場の様子が伝わってきました。

 最後に映画の見どころを訊ねられると、佐向監督は「この映画には“人間とは何か”とか家族愛とか、深いテーマが隠されているんです。でも自分で初めて作品として見たときいちばん強く思ったのは、みひろさんがかわいいな、ということだったので、そこを見ていただければ」と。紅一点で、体当たり演技も活き活きとこなしたみひろさんには感服のようでした。
 小林さんは「当たり前ですけど一生懸命いろんなことを考えたり悩んだりして、ひとつの作品というものが出来上がりました。もしおもしろいと思ってくれたら口コミで、ネズミ講方式で広めていただけたら(笑)」と、出演作への愛情に溢れるコメントをしていました。
 そしてみひろさんの「この映画は1回見たときには気付かなくても、2回目に見たら“あ、こういうことだったんだ”と気付くところがいくつもあって、とてもクセになる映画だと思います。みなさんよかったらいっぱい来てください!」と可愛らしくも鋭いコメントで舞台挨拶は締めくくられたのでした。

左から佐向大監督、みひろさん、小林且弥さん、杉山彦々さん


映画『ランニング・オン・エンプティ』
2月20日(土)より、池袋シネマ・ロサにてレイトショー!他、全国順次公開
(C)2009アムモ

公式サイト http://roe-movie.com/