染み抜き

大林先生の初釜の翌日、火曜日は東京は雨で、
普段なら雨の日には湿気を呼ぶのがイヤで着物の片付けはしないのですが
この日に着た付け下げは染物ではなく刺繍模様で裾周りが重たかったので
いつまでもぶら下げておくと型崩れを起こして危険な為
さっさと畳んで箪笥に仕舞ってしまう事に決めました.




ハンガーから降ろして本畳みをしようと広げてみて凍りつきました.Σ(゚д゚lll)



。。。。。。。。。。。。し。。。しみ。。
染みよっ!?!?!?!?!?!?ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!




下前と上前の裾周りに大きく分けて2ヶ所.
合計5箇所あまりに無色の薄染みが・・・・・・・・・・・・・・・・・・




正絹着物なので激しく動揺しました.


いつ?どこで??なにが???
そう言えば食事の時にコドモがいつまでもお椀を残していたから
お吸い物が??
お屠蘇の後にも先生がどぶろく
いただき物だと言う皇室限定の日本酒を景気良く振舞ってくれたので
酔っ払ってひっかけた!?!?


ともかく至急の対策が必要です.
正絹は水で染みが出来るほど繊細なので
染みの内容がわからないまま水洗いしたり拭いたりするのは危険です.
自力で対処できないものなら直ぐに染み抜きに出さねばなりません.




ともかくいくらかかったとしても染み抜きをしなければならないと決まったら気持ちも落ち着いてきて出来た染みをよく見てみると
どうも水性系の染みと言うよりは油の染みのように見えました.


それで思い出したのが当日先生のお宅へ向かう時に利用した駅での出来事です.


コドモの手を引いてエスカレーターを利用した際、
よろけてバランスを崩したコドモにつられて
エスカレーターの段に膝下をぶつけた事があったのでした.


以前同様の出来事でジーンズに黒い油染みを付けたことがあり、
ぶつけた時に当たった辺りの膝下を軽く確認したのですが
思い描いた最悪の黒い染みは見当たらず安心していたものの
やはり油は付いていたようです.


油染みならまずは家での対応が可能です.
これで落ちなければ専門家に託すつもりで
仕舞ってあった『エリモト』と言う薬品を出しました.

何年か前に近所のドラッグストアで買いました.
お醤油やコーヒーなどの水性の染み抜きには向きません.



この薬剤は下にタオルを敷き、
染みの裏から薬剤を含ませた布で染みを叩き出して使います.

あまりヒタヒタにするとキケンなので
一度に染みの全てを綺麗にしようと焦ってはいけません.

叩き出すときに
<染みよ出て行け。。。。。。。。。!!( >Д<;)>
、と、心をこめて念じる事が肝要です.わたしの場合.



大小含めて約5箇所の染みは
このような染み抜き作業を10回以上繰り返して
綺麗にすることができました.。・゚・(ノД`)・゚・。






ほっと一息ついて今度は衿に問題発見.Σ(゚д゚lll)


衿元崩れ防止にこの日はクリップ付きの伊達締めを使用したのですが
この日の着物が縮緬だったのでクリップの痕が深々と残ったままでした。。
(´・ω・`)ショボーン

コーリンベルトやクリップ付きの伊達締めは
使い慣れると着崩れ防止に大変有効な道具だと思います.

↑もやは『傷』と言ってよいほどのクリップ痕.



こんな時にはスチームが有効です.

スチーム専用のスチーマーがあればそれを使うとよいと思います.


我が家は無いので普通のアイロンを採用.


この時スチームを直接布にかけてはいけません.


元に戻したい部分に
平織りの綿の布を乗せてその上から高温のスチームを当てるのです.


綺麗になります.

正絹はタンパク系織物ですので高温のアイロンを直接当てると
テカテカになるので要注意です.
この方法は首周りの伸びきったウールのセーターなどにも有効なので
覚えておくと便利です.
ウールのセーターも高温のアイロンを直接当てるとフェルトになってしまうので注意しましょう.
















普段ウールやポリエステルなどお手入れの簡単な着物ばかり着ていたので
正絹着物でのお出かけを甘く見ていた事に反省です.


汚したくない着物を着てお出かけする時は
膝下までカバーできるコートを着用した方がよいでしょう.


そもそも.
少々面倒でもエスカレーターは使用せずに
エレベーターを使った方が良いだろうと思いました.