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あべ・やすし。最近は ツイッターばー かきょーる。

日本の入国管理体制を 批判する。

 日本の入国管理体制のなかで、収容されたり、強制送還されたり、労働や健康に関する権利を うばわれている ひとたちが いる。密入国した ひと、偽造パスポートで入国した ひと、資格外 労働をしてきた ひと、オーバーステイをした ひとたちだ。そのなかには出身国で迫害されていたため 国外に のがれてきた ひとたちが いる。難民と よばれる。


 ほとんどの ひとが出身国では生活が たいへんだった。それは共通している。それなら、「入管に抑圧されている ひとたち」の うち、難民だけに焦点をあてることは あまり適切ではないと おもう。難民には難民の背景があり、移住労働者には移住労働者の背景がある。その ちがいは きちんと ふまえる必要がある。それぞれに支援団体が必要で、現に役割分担している。
 けれども、日本の入管体制に興味を もちはじめたときに、難民の人権だけに注目しようとする場合が あるように感じる。その点が気になることがある(これは入管で面会活動を つづけている ひとと、そうではない ひとで ちがいが あるかもしれない。入管で、アクリル板を はさんで収容されている ひとに面会をしていたら、難民だろうが そうでなかろうが、「このひとの おかれた状況を どうにかしたい」と感じる)。


 なぜなら、問題は日本の入国管理体制にあるからだ。日本の排外政策に問題があるからだ。



 難民を うみだす国は ひどい国だと いわれる。じっさいに そうだ。けれども、そのような「ひどい国」からの難民を うけいれない国も、やっぱり ひどいのだ。


 世界のニュースを みていて、「ああ ひどい国だなあ」と感じることがある。けれども、その地域から この日本社会に のがれてきた ひとたちが どのような生活を おくっているのかを きちんと しらべてみなければ、それは不公平な評価だ。


 移住 労働者についても おなじことだ。「在留資格がない」「労働資格がない」という よわい立場にあるひとを、日本の雇用主が どのように利用してきたのか。移住 労働者が どれだけ日本の生産業や 性風俗 産業を ささえてきたのか。そういった 移住 労働者たちが になってきた社会的役割を ふまえないで、たんに在留資格がないからといって「不法滞在」だと非難し、迫害するのは不公平だ。


 すべて、この社会のありかた、日本の主権者たちに はねかえってくる。


 日本の移民政策?(入国管理政策) といえば、

  • 難民は ほとんど うけいれない。
  • 「在留特別許可」を なかなか あたえない。
  • 「血のつながり」のある日系人には単純労働を みとめる(1990年から)。
  • 研修生/実習生を 期限つきで利用する。「2世」を つくらせないシステム。労働条件が ひどい。
  • ことばのかべを くずすことなく、インドネシア人、フィリピン人の看護師・介護福祉士を うけいれると称しつつ、試験で排除する(研修だけ させて、帰国させる)。
  • 入国時に指紋をとる。
  • 日本に生活基盤があっても「再入国許可」を とらせる。
  • 日本国籍者と離婚した(こどものいない)外国人に在留資格を あたえない。
  • 景気の よかったころは「興行ビザ」でフィリピン人 エンターテイナーを うけいれた。アメリカに人身売買の問題で批判され、フィリピン人 エンターテイナーを そのスケープゴートにし(わかりやすく数字で「成果」をアピールするために、人身売買の問題そのものに とりくむのではなく)、2005年に 興行ビザでの入国を むずかしくする。
  • 摘発した在留資格のない ひとは、すべて入管 収容施設(外国人収容所)に収容する(全件収容主義)。被収容者に 基本的な人権を みとめず、職員が監視し、管理し、人生に絶望させる。
  • 入管の職員が集団で、薬物を使用したりして強制送還する。
  • 収容が長期化すると「仮放免(かりほうめん)」という身分で解放するが、労働はできず、社会保険もない生活をさせる。他府県に移動するときは入管に許可をとらせる。月に1度 入管に出頭させる。


 もう たくさんだ! 日本の入国管理体制は おかしい。かえるべきだ。いのちを まもるべきだ。国籍差別は ゆるさない。



「入国管理体制」についての映画

  • 『9.11 自由への扉』アメリ
  • 『扉をたたく人』アメリ
  • 『13歳の夏に僕は生まれた』イタリア
  • 正義のゆくえアメリ
  • 『要塞』スイス
  • 『この自由な世界で』イギリス
  • 『朝鮮の子』日本
  • 『ブラジルから来たおじいちゃん』日本
  • 『1985年 花であること』日本
  • 『ラブ・レター―パイランより』韓国
  • 『もし、あなたなら―6つの視線』韓国
  • 『あなたなしでは生きていけない』台湾
  • 『ターミナル』アメリ
  • 『セリとハル』韓国
  • 『バックドロップ・クルディスタン』日本
  • 『ペルマネンシア:この国にとどまって』日本
  • 『ブレッド&ローズ』アメリ
  • 『闇の列車、光の旅』アメリカ/メキシコ
  • 『ケアギバー(介護士)』イギリス
  • 『ヴィットリオ広場のオーケストラ』イタリア
  • 『故郷(くに)を失った人々の物語』アメリ

 もっと たくさん あると おもいますが。とりあえず、みたことのある映画、検索して でてきた映画です。


雑誌


サイト


 ところで。入管は、法務局の施設です。法務局。日本の法務局は、英語で "The Ministry of Justice" と いいます。ジャスティス(justice)って正義って意味だったはずですが。


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