大漁、異漁。

十代をすぎても心を隠す私のような人間は、大人の形に見えるだけの羽化できないサナギのようなものなのかもしれない。    遠野りりこ『マンゴスチンの恋人』

17-8-16-水

[]『いただきハイジャンプ』の放送日時が 02:00

水曜日の深夜から、土曜の昼下がりに変わるの嬉しい。

17-8-15-火

[]「世界が変わるって、期待したのに」 01:07

わたし出すわ [DVD]

「かれら(アインシュタインノーベル)が生てきた時代と今は違うよ。だって、おれが何か実験したって世界中でニュースになる時代なんだぜ」

「こういう時代だから、わたしの仕事もあるんだけど」

「こわいものに片棒担いでいられるのも、そう長くはないぜ」

「わかってるわよ。だからこうして、リセットしてるんじゃない」

「リセットか……。おれはシャットダウンだ」


わたし出すわ』(2009)。オスカー・ワイルドの『幸福な王子』のような贈与、喜捨の感覚。やさしさ。あるいはサン=テグジュペリの『星の王子さま』の無垢と悲嘆。

落語だったら『文七元結』とか。せっかく手に入れた五十両を赤の他人にやってしまう。そういう、損得抜きの行ないを意気に感ずるかどうか。

じぶんのことだけかんがえて我利我利亡者な生活してればやさしさなんてばかげたもので、そこに付け入ることはあっても贈与で応えることはあるまい。我利我利と一人称を追求していった先にハッピーエンドというものはないから(一人称にはエンディングがない)、伝え聞くしあわせはぜんぶおとぎ話だ。

幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫) 星の王子さま (岩波文庫) シラノ・ド・ベルジュラック (岩波文庫)


落語には《業の肯定》もある。だから『黄金餅』みたいなしあわせもある。溜めこんだにんげんからすべて奪う心地好さ。

森田芳光監督の映画では、おとこがピュアでおばかさんなのは当たり前のことなので女性に「わたし出すわ」と演らせたのだろう。


摩耶、おまえもう東京帰れよ。この町には極端過ぎる」

17-8-14-月

[][]商いをするなら何になりたい? 「フライドポテトが大好きなので、ポテトにやたら力を入れているハンバーガー屋さんかな(笑)」 22:10

秋Walker首都圏版2017 ウォーカームック

秋Walker首都圏版2017 ウォーカームック』。

有岡大貴はかわいい。まだまだかわいくなる気がする。

秋に初体験したいことを聞いてみると意外にも…。

落語を聞きに行きたい! 実は元落語家友達がいて、落語のよさを聞かされていたら興味が湧いてきてしまって。といっても、まだ飛行機の中で落語チャンネルをこっそり聞いているくらいの超初心者なんですけど(笑)」

番組で、落語落語家に触れる機会があるといい、ありそうだ、あったらどんなリアクションするのかな──などと。

17-8-13-日

[][]〈外国を旅するのは若者にとってはロマン おじいさんたちには大冒険〉 13:12

花よりおじいさんシーズン?(フランス・台湾編) 第14話

『花よりおじいさん』観はじめる。タイトルはもちろん『花より男子』のパロディで、オーバー70の俳優4人とカバン持ちの40代イ・ソジンヨーロッパ10日間のバックパック旅行。ロアルド・ダール森田芳光がアタマのなかにただようまま視聴するときれいに沁みる。ユーモアと残酷さ。映像のインサート。

字幕でガツガツと老人をイジりつつも、膝の悪いのを思い遣ったりと、儒教的なところがあって、一寸おどろく。

リュックを背負うのは朝鮮戦争以来とか、おじいさんが英語で「オーケー。テンキュー ママ」とか。おもしろい。

17-8-12-土

[][][][]「反則王V」とか「親睦王V」とか。ギュッと詰まった言葉でイイネ 21:59

AbemaTV で『イケメンブロマンス』。防弾少年団のVをキム・ミンジェがエスコート。

ものすごくかわいいところだしてくる。車の免許をとりたい理由やとれない言い訳。「本をみると動悸がしてくる」。ねむるまえに本をひらく。「よし、寝るか」

痛いマッサージ。韓国男子のプライド、なんて言って耐える。痛みをこらえるから却って声は苦悶に満ちるし、痛すぎて笑いはじめるし。すごいな……。

セルフスクーター(バランススクーター)やスケートボード、冬のバスケットボール。公園で、コンビニ飯。12月30日が誕生日のVにサプライズでホールケーキ。ベンチで。

「学校と家ではラーメンの味がちがう」なんて話をしたり。こんなふうに友だちとゆっくりできるのが「2年半ぶりのこと」だったり。

とても叙情で青春で、観ていて泣けたけど、このVTRに防弾のメンバーがツッコミ入れてくさいごの趣向もまた信頼できて。

17-8-11-金

[][]「あそこのクラブハウスの、エビフライ……ぱふぱふしてて、少し締まりがなかったでしょう?」「社長。長野エビフライを注文するほうが悪いんじゃあ……」 19:27

僕達急行 A列車で行こう

僕達急行 A列車で行こう [DVD] 森田芳光監督作品。監督が亡くなったあとに森田組のつくった『の・ようなもの のようなもの』を観はじめたら、引っかかることのない流暢な会話がつづいて「あ、コレジャナイ……」。

『の・ようなもの のようなもの』は一旦置いて、『僕達急行 A列車で行こう』(2012年公開。遺作)を観よう。

森田芳光監督の映画が気持良いのは綺麗なカット割りと時空を無視したカットイン、さらに奇妙な効果音で「現実」をスクラッチしていくところ。ひとびとの台詞も綺麗で奇妙でまるで噛みあわず、非標準語的な自己主張が行き交っている。

登場人物たちはそれぞれに自己を深く伸ばしていくから高みに到達することはなくて、安定しているけれど一寸偏屈なものとなる。

それでこのせかいのおとこたちは色っぽい。まわりが安心するようなテンプレの家族をもっていない。


『僕達急行 A列車で行こう』はたぶんBL瑛太×松山ケンイチ伊藤克信三上市朗笹野高史西岡徳馬伊武雅刀戸谷公人鈴木亮平ピエール瀧もおとこの皮膚の匂いを放つ。

17-8-10-木

[][]〈大学で募集してたインターンシップで来てみた会社は いろんな大人がいてキモイ〉 20:22

スリーピング・バグ (Feelコミックス オンブルー)

5年後。

〈オレは大人になったけど この人はあまり変わらない

29才 もうすぐ30

今集めてるもの ドローン

そこそこの給料で それなりの部屋を借りて

ドローンで遊ぶ〉


京山あつきスリーピング・バグ (Feelコミックス オンブルー)』。語り手である「オレ」潤野はゲイ感覚をもっているもののどうも植物系のようで、上司の本郷は肉食系らしいんだけどノンケバイかわからない。この、接近までのサスペンスがキモチイイ。

「なんだよ 手伝いたいのかよ?」

「………ちがうよ」

「じゃあ何?」

「…『手伝ってあげたい』」

「上からかよ」

「うん」

若い「オレ」の、犬みたいにあいてのまわりをウロウロするかんじ。

外にでた上司が失業しちゃって。やっと連絡とれたとおもったら。ヒゲを無精に生やして河原でドローン飛ばしてた。画になる展開!

本郷さん急にいなくなりそうで …怖いんだよ」

オレはこの人を どうしようとしてるんだ?

  「買って」

  「家に閉じ込める」

まさかそんな病的な…

そういえばこんな風に笑う人だった──