大漁、異漁。

十代をすぎても心を隠す私のような人間は、大人の形に見えるだけの羽化できないサナギのようなものなのかもしれない。    遠野りりこ『マンゴスチンの恋人』

17-11-18-土

[]「森から出てこなかった男」のまえに 18:12

森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア (ヤマケイ文庫) 『森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア (ヤマケイ文庫)』のあとがきで加藤則芳はジョン・ミューアと片岡義男のことを書いている。

〈ジョン・ミューアは、ヨセミテ渓谷に五年にわたって住みつき、広大なシエラネバダの山々をくまなく放浪した男である。私がジョン・ミューアに興味を持った出発点は、ここだった。文明からドロップアウトして、山にこもってしまった男を、一種憧れの気持ちもあって、私はずっと気にかけていた。二十年ほど前のことである。

それからほどなくして、片岡義男さんが「森から出てこなかった男」(角川文庫スターダストハイウエー』に収録)という物語を書いた。当時、私は彼の担当編集者だった。シエラネバダにこもってしまった男の物語である。この物語の背景に、一〇〇年前、シエラネバダにとりつかれた男の話が描かれていた。片岡さんに確認することもなく、私は、この一〇〇年前の男をジョン・ミューアに決めてしまっていた〉

ロングトレイルを歩く 〈大学卒業後、ぼくは出版社の角川書店入社した。

社会科学の本に携わりたいという希望はあったが、ちょうど創刊して間もない文芸総合誌の『野生時代』に呼ばれ、それから七年間、編集の仕事に携わった。当時は、文芸出版が全盛の時代で、そのなかでも角川書店は特に、文庫新時代の先駆けとなるさまざまな戦略を展開していて勢いがあった。

ぼくは松本清張瀬戸内寂聴田辺聖子片岡義男C・W・ニコル畑正憲といった作家や著者などを多数担当し、日夜奔走する日々だった〉

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