ネ タ の タ ネ このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-04-19 クリティークを支配するメンタリティ

禍黄論再燃恐怖への過剰反応

バージニア工科大での銃乱射事件は、当人が自殺したので真相は明確にはならないだろうけど、容疑者は孤立していたようで「疎外感」が高じたものなのかな。事件自体は大変いたましいことだ。

韓国人米国人でもない‘狭間世代’、米国で強い孤立感
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=86691&servcode=400&sectcode=400

その他、この事件に際して、大学&警察の初動捜査の遅れ(最初の発砲があった後に聴取していた者を犯人と思い、他の措置を取らなかった)や銃規制そのものに対する伝統的疑問等々以外に、もう一つ重い問題「人種的偏見への恐れ」が表面化した。ワタクシはそれが気にかかる。

今のところ容疑者人種差別されたというような報道はみられないが、「アジア系」と伝えられた後に、「中国人」とされ、最後に永住権を持つ「韓国人」と判明。アメリカ留学/移民熱が高い韓国国内は、大衝撃を受けてるという。最初、「西アジア系」という報道も一部メディアで流れたという。日本では「アジア」といえば、せいぜい日中韓東南アジア程度のエリアを想像してピンとこないひともいるかもしれないが、欧米でアジアといえば、中近東エジプトなども入る。銃乱射=テロ西アジアというメンタリティが、事実確認より先に発動したのであろう。

銃撃犯はアジア系か=米TV
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070417-00000043-jij-int

中国人学生の疑い」で捜査=昨年に入国−大学乱射・米紙
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070417-00000044-jij-int

容疑者韓国人学生=構内の寄宿舎に居住−単独犯とほぼ断定・米乱射事件
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070418-00000006-jij-int

韓国、排斥運動を懸念=ネット上で哀悼の意−米大学乱射
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070418-00000004-jij-int

誤報中国人学生、ブログで潔白宣言―米バージニア銃乱射事件
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070418-00000008-rcdc-cn

アジア人留学生に動揺広がる=偏見を懸念、韓国人は口重く−米大学乱射事件
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070418-00000055-jij-int

韓国、銃乱射事件を受けて米国での韓国観光CM放送を中止
http://www.daily.co.jp/newsflash/2007/04/18/0000305732.shtml

李泰植駐米韓国大使「韓国人社会32日間断食を」
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=86653&servcode=200&sectcode=200

西アジア中近東イスラムということで別にしても、アメリカに於ける禍黄論は、まず中国人が、そして日本人が対象となり、戦後に移民ブームで急増した韓国人が、1992年のロサンジェルス暴動では多くの韓国系商店が被害をこうむった。この「アジア系」=禍黄論への恐怖は、こんなところにまで波及した。

従軍慰安婦問題での集会自粛へ 在米の韓国人団体が方針
http://www.asahi.com/international/update/0418/TKY200704180225.html

従軍慰安婦問題に取り組む在米の韓国人団体は、「今は静かにしているべき時だ。(慰安婦問題について)すべての活動をキャンセルした」ということだ。

一方で、各民間団体はいうに及ばす国家をあげて弔問使節団を送りたい韓国政府に、アメリカ政府は「米国文化と国民情緒上適切ではない」という理由で固辞。

−−韓国政府の懸念が深刻だ。
米国は他民族・多人種で成り立っている国家だ。しかし母国が出て責任を痛感する、 自省するという反応を見せられると米国政府としては困る」
−−どうしてか。
「各地から米国に移住しても米国領土に根付いて生の基盤を磨けば彼らはすべて米国民だ。幾多の民族が米国という溶炉に流れこんでくる。彼らはこの溶炉で溶けて米国人になる」
−−それでも政府次元の弔問が世論悪化を阻む道ではないのか。
「各民族同士排他的な集団を作れば社会・国民統合に障害になる場合がないか。母国が出ればそんな傾向が生じる。韓国移民者が事故を起こしたことであって韓国が起こした犯罪ではない。これが核心だ。米国社会の問題だ。韓国政府の介入する印象が広がったら困るというのが米国政府の態度だ」

「「移民者も米国人韓国が出れば困難」弔問断る米国中央日報 4/19
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=86690&servcode=400&sectcode=400

無論アメリカの言う通りこれはコレ、それはソレで、まったくもって筋違いの問題なのであるが、空気のような存在となって頭を垂れてほとぼりが醒めるのを待つ、この「自粛」「お詫び行脚」メンタリティは同じアジア人としては、判り過ぎる程に、良く判る。排他の憂き目にあったことのないアメリカマジョリティには、この韓国のふるまいは、理解されるのであろうか。

Most Koreans don't regard Cho Seung-Hui as a "typical Korean" since he spent the bulk of his life immersed in American culture. Still, a collective sense of regret and guilt was palpable today due to the strong tendency of Koreans to perceive the tragedy in terms of Korean nationalism, in which the group trumps the individual. "It's a notion of collective responsibility," says Mike Breen, the author of The Koreans. When a Korean does something wonderful, the country rejoices, but when one of its own goes off the rails, like Cho Seung-Hui, there's a collective sense of shame and burden. So much so that South Korea's Ambassador to the U.S., Lee Tae Shik, pledged to fast for 32 days to show his sorrow today. "I can smell a collective sense of guilt," says Lim Jie-Hyun, a history professor at Hangyang University in Seoul. "There is confusion [in Korea] between individual responsibility and national responsibility."

「South Korea's Collective Guilt」 Tims 4/18
http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,1611964,00.html

このように日韓は、イデオロギーよりもなによりも、実はこのようなメンタリティ、「集団/国家主義」国民同胞=共同共謀関係=空気の理論を広く日常共有していたりするのだが、慰安婦問題がいつも感情的にもつれ合い反目し合うのは、お互いこのようなメンタリティを強く持つからではないだろうか。この間の議論*1を眺めていても、こうしたメンタリティをベースとした展開をする韓国告発側に対して、日本反論側は文書主義をベースとして共同謀議関係、いわゆる共謀正犯であることの立証不可能性をベースにした議論を行い、残存文書を起点として全体の流れを別フェーズに分断してその「狭義」文脈内で帰結し、その流れを繋ぐ共同共謀関係をもなかったもののように見せかける齟齬が殆どではないだろうか。

この「自粛」反応をこれ幸いとばかりに事なかれ外務省は、「発言しなければ存在しない」アメリカ流に乗っかって、慰安婦騒動を一件落着とするのであろうなー。だがしかし、「万一米議会決議されてもなんの影響もない決議案」といいつつ「河野談話の踏襲」という文書主義で一見整合性をとっているように見えても、「女性を性奴隷にした残虐な日本人」という人種的偏見への恐怖は残っている。無論この禍根を残した張本人は、まんまと誘導に乗って「広義/狭義」だのと余計な事を言った安倍晋三である*2

※追補
狭義だ広義だ再検討だと「河野談話」をひっくりかえしてしまった安倍晋三が、新たな「安倍談話」でもこしらえたのかとおもいきや、「日本側に責任有った」と踏み込んだ認識をアメリカメディアのインタビューで発言し、訪米前の尻拭い。慰安婦以外の発言は、いつも言ってるようなことに終止している模様。

安倍首相慰安婦問題で「責任」に言及 米メディア
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070421k0000e010063000c.html

'We Bear Responsibility'Japan's prime minister on Iran, China and 'comfort women.' Newsweek
http://www.msnbc.msn.com/id/18233740/site/newsweek/?nav=slate?from=rss
なんじゃこりゃな写真。閣僚も自衛官もいまいちポーズや視線がバラバラで、マジな晋三ひとりダケ浮いてる感じなのが、なかなかの味わい。。。

長崎市長選の後始末

長崎市長銃撃事件も、とんでもない、あってはならない出来事だ。犯行声明文から「行政対象暴力」ということで、今のところ単独犯行とされているが、暴力団会長代行というあまりにも立派すぎる経歴に対して割の合わない動機ということで、いろんな「陰謀論」がこれから編み上げられていくのであろうか?

市長は4期目を目指して出馬中であったということだが、う〜ん、多選すぎないかな。凶行に倒れた故人自体の評価はともかく、長期政権ということで、組織内になにかしら滞留してしまう問題はなかったのであろうか。

また、後継者として娘婿が出馬するという。う、う〜ん、遺族による弔い合戦、あまりにも日本的メンタリティすぎやしないか。公職選挙法が補充立候補は選挙日3日前なら何人でも立てられると規定しているのも大問題であるが、現実的選択肢が限られてたとしても、(責任をとって???)身内が出るというのは(当人の資質うんぬんする前に)なんだか変。市長職は「家督」ぢゃないんだしね。…でも、こゆのが一番大衆ウケするんだよなぁ。

民主主義の根幹を揺るがす卑劣な政治テロ」と大上段の怒りをもってして憤慨した跡は、そんなことでいいのだろうかねぇ。。。

長崎市長死亡、弔い合戦に娘婿記者出馬
http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070419-186545.html

※追補
娘婿「世襲」に疑問を唱えて補充立候補した元市統計課長の田上富久が、娘婿・横尾誠を破り、当選。うむ。いくら娘婿でも長崎にほとんど住んだこともなくって確たる事なにも言えないんじゃあ、、、ダメすぎたってことかな。

*1http://ianhu.g.hatena.ne.jp/

*2従軍慰安婦問題はフリーズになるであろうが、久間発言等でかってない程、日米関係は悪い

since 2004.5.20 :726952