墨攻

《墨攻》
劉徳華アンディ・ラウ)、王志文(ワン・チーウェン)、アン・ソンギ、呉奇隆(ニッキー・ウー)、錢小豪(チン・シウホウ)、チェ・シウォン、范冰冰(ファン・ピンピン)、午馬(ウー・マ) 
張之亮(ジェイコブ・チャン):監督


むかしむかし、中国諸国が争いを繰り広げていたとき、趙は、燕を打とうと考えた。それにはまず趙と燕の間にある梁を滅ばさなければならなかった。趙は10万の大軍を率いて、たった4000の民の梁へ攻め入ろうとした。梁の国王(王志文)は、城を守る術に優れていると言われている墨家に救いを求めた。やってきたのは革離(劉徳華)という男だった。革離は、奇策をもって梁を救っていくのだが・・・・。


言語が国語のため、当然、アン・ソンギ、チェ・シウォンの韓国勢は吹き替えだが、劉徳華、呉奇隆、錢小豪らも吹き替えられており、主要人物で自分の声なのは、王志文と范冰冰だけという事態。劉徳華や呉奇隆の声を認識するのに時間がかかるのと、劉徳華の声は、声質も話し方も、本人の声とかなり異なるため、最後まで違和感あり。
そんな中では、やはり自分の声で演じている梁の国王役・王志文がよかった。登場すると、まずは飲んだくれている。その後も、ダメ王ぶりがとにかくよい。吹き替え組では、やはりアン・ソンギが貫禄勝ち。声が吹き替えだろうが、いるだけで演技になってしまう。そんな2人に比べたら、頑張ってはいたが、やはり劉徳華はまだまだ青い。チェ・シウォンにいたっては、突っ立ってるだけ、演技もなにもない。
画面が荒れているところ(わざとだろうとは思う)や、CGが不自然なところはあるが、《無極》のような変なCGや、《英雄》のようなけれんはなく、張之亮はとても素直に撮っていて嫌味がない。そういう意味では、《臥虎蔵龍》(最初に見た時には困ったものだと思ったが、今見ればまし)から続く《英雄(HERO)》《十面埋伏(LOVERS)》《無極(PROMISE)》らの古装片とは一線を画していると言える。これだけで、かなり好感が持てる。
台詞が国語のため、字幕に頼らざるをえず、1回では細かい台詞が理解できていないと思うが、それでも十分に面白かった。133分と長いので、もう1回見るかどうかは分らないが、時間があれば見てもいい。
相変わらず上映中、あちこちで電話が鳴る(鳴るだけなら、もうなんとも思わなない)、エンドロール途中でぶったぎり(笑)。初日、旺角百老匯、夜9時すぎの回、入は90%ぐらい。2006.11.23@旺角百老匯


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